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インボイスなしでOK!出張旅費特例|インボイス制度

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社員が出張した場合も、ひとつひとつインボイスが必要なんて面倒ですよね。
増してや旅費規定による日当や宿泊費の場合は、インボイスがありません。困りますね。

でも、安心してください。このような場合にいわゆる「出張旅費特例」があるのです。

そこで今回は、消費税インボイス制度における「出張旅費特例」について説明します。

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原則インボイスの保存と帳簿の記載が必要

原則

 消費税インボイス制度では、支払った消費税を会社が納付する消費税の計算で引いてもらう(仕入税額控除)のためには、適格請求書(インボイス)の保存と、消費税インボイス制度では、支払った消費税を納付消費税の計算で引いてもらう(仕入税額控除)のためには、原則として取引相手から交付を受けた適格請求書(インボイス)の保存が必要です。
 インボイスの保存がないと、いくら消費税を払っていても、仕入税額控除ができず、消費税の納税額が増えることになります。

インボイス保存不要特例

 ただ、適格請求書(インボイス)の保存がなくても、消費税の仕入税額控除を受けられる特例がいくつか設けられています。
出張旅費特例この記事で説明します。
公共交通機関特例インボイス保存が不要!公共交通機関特例|インボイス制度
自販機特例3万円未満の自動販売機特例|インボイス制度
少額特例 一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置(少額特例)|インボイス制度
2割特例やむなくインボイス登録した事業者には「2割特例」の適用あり|インボイス制度

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インボイス制度の出張旅費特例とは

 インボイス制度の「出張旅費特例」とは、従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当)であれば、適格請求書(インボイス)の保存がなくても、一定の事項を記載した帳簿のみを保存すれば、支払った消費税の仕入税額控除を受けることができる特例です。

 つまり、旅費規定等に定めた、出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当や実費相当額の精算は、特例により適格請求書(インボイス)の保存がない場合であっても、仕入税額控除が認められるということになります。


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出張旅費特例の適用条件

 ただし、出張旅費特例の適用を受けるためには、いくつかの条件があります。

旅費規定等による精算

 繰り返しになりますが、インボイス制度の出張旅費特例は、まず、旅費規定等に定めた出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当や実費相当額について従業員等との精算であることが条件です。
 あくまで「会社と従業員等間」の取引です。
 したがって、従業員等が作成した「旅費精算書」が必要となります。
 もちろん「従業員等」には役員や個人事業主も含まれます。(※個人事業主の場合、日当は必要経費として認められません→仕入税額控除も認められません)

 なお、旅費規定等によらず、従業員が会社宛てインボイスの立替払を行っている場合はこの特例対象にならず、仕入税額控除を受けるためには、原則どおり事業者宛の適格請求書(インボイス)が必要となります。

 ただし、3万円未満の公共交通機関による旅費については、インボイス保存が不要な「公共交通機関特例」の適用により仕入税額控除を受けることが可能です。
  →インボイス保存が不要!公共交通機関特例|インボイス制度

 また、基準期間(2期前又は2年前)の課税売上高が1億円以下の場合等「少額特例」に該当する事業者の場合は、2023年(令和5年)10月1日から2029年(令和11年)9月30日までの間に行う課税仕入について、支払対価の額が1万円未満である場合には、インボイスの保存がなくても一定の事項が記載された帳簿のみの保存による仕入税額控除が認められます。
  →一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置(少額特例)|インボイス制度

帳簿に「出張旅費特例」などと記載

 この出張旅費特例では、インボイスの保存は不要ですが、通常の記載項目に加えて「出張旅費特例」などと特例を受ける旨を帳簿に記載しなければなりません。

 ※通常の記載事項
 ・相手方の氏名又は名称
 ・取引年月日
 ・取引内容
 ・金額(支払対価の額)

 なお、「出張旅費特例」などの記載は、必ずしも総勘定元帳や仕訳帳の摘要欄に記載する必要はありません。
 たとえば、旅費精算システムが補助簿としての機能を有していれば、それも帳簿になります。
帳簿


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出張旅費の経費精算のポイント

社内の出張旅費は精算払いを基本ルールにする

 出張旅費については、旅費精算払いを基本としましょう。
 そうすれば、この「出張旅費特例」が適用でき、インボイスの保存なしで仕入税額控除を受けることができます。
 
 出張旅費の中には、「公共交通機関特例」や「少額特例」を受けられる場合もあるでしょうが、それらの特例と出張旅費特例を別々に適用させるのは面倒だからです。

出張旅費精算に含まれている旅費以外はインボイスが必要

 この「出張旅費特例」は、出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当やそれらの実費相当額にしか適用がありません。
 したがって、出張旅費精算書の中に消耗品など旅費以外の取引が含まれている場合、その旅費以外の取引については、インボイスの保存が必要です。
 

法人カードや振込で支払った場合は特例対象外

 旅費等を法人カードで決済した場合や、事業者が直接取引先に振り込んだ場合は、取引関係に従業員等を介さない(従業員等との精算でない)ことになるため、「出張旅費特例」の対象になりません。
 旅費等を法人カードや振込で支払った場合は、原則とおり適格請求書(インボイス)の保存がなければ、仕入税額控除を受けることができないのです。

 もちろん、カードの場合、カード会社からの利用明細はインボイスになりませんので、カードで支払った際に受け取るインボイスの保存が必要です。


海外出張

 そもそも、海外出張などのために支給する旅費や日当などは、課税仕入に該当しないため、仕入税額控除が認められません。


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まとめ

 今回は、消費税インボイス制度における「出張旅費特例」について説明しました。

 出張旅費は、精算払いにし、帳簿に「出張旅費特例」などと記載することで、このインボイスの保存が不要な「出張旅費」特例を活用しましょう。

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【投稿者:税理士 米津晋次

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