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外貨預金の税金|利息以外に為替差益に要注意

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外貨預金
国内の預金利息の利息は、今やネット銀行などのいいものでも年0.1%程度。
多くの預金金利は年0.01%など、もはや限りなく0%に近く、ないものと思ってもいいぐらいです。

預金利息が年0.01%とすると、100万円預けても100円です。
銀行へ行くガソリン代でも赤字になってしまいます。

そこで人気なのが外貨預金です。

米ドルの定期預金なら、年3.00%程度の金利ですし、豪ドルやニュージーランドドルの定期預金でも、年1.00%以上の金利です。
南アフリカランドの定期預金は、4.00%以上の金利です。

国内預金金利の100倍以上ですから、とても魅力的ですね。

そこで今回は、この人気の外貨預金に対する税金について説明いたします。

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外貨預金の税金|

外貨預金の所得はいつ何が発生するのか?

外貨預金の税金について、まず、いつどんなときに所得が発生したと考えられるのかという基本を理解しておく必要があります。
所得税や住民税は、所得に対してかかる税金だからです。

外貨預金は利息と為替差益にも税金がかかる

外貨預金は、預金利息がついた時に所得が発生します。
そして、それだけでなく、為替差益が発生した場合にも、その為替差益についても税金がかかります。

預金時より円安に為替が変化すれば、為替差益が発生し、円で考えると預金利息以上に預金が増えることになります。

つまり、外貨預金の税金を考えるときには、「預金利息」と「為替差益」の2つについて注意する必要があるのです。

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外貨預金の税金|預金利息に対する課税

外貨預金の受取利息についての税務上の取扱いは、同じ外貨預金でも国内の金融機関の外貨預金と、海外の金融機関の外貨預金とで異なります。

国内の金融機関の外貨預金

国内の金融機関に預金している外貨預金の場合は、通常の日本円での預金利息と同じく、合計20.315%の税金を源泉徴収されます。
20.315%の内訳は、所得税15%、復興特別所得税0.315%、地方税が5%です。

預金利息(利子所得)は、源泉分離課税になっていますので、控除されることで課税関係は終了しています。
したがって、所得税の確定申告で記載する必要はありませんし、記載することもできません。

海外の金融機関の外貨預金

それに対して、海外の金融機関に預けてあった外貨預金に利息がついた場合には、税金が源泉徴収されません。
したがって、確定申告をする必要があります。

また、預金口座がある国(外国)でも源泉徴収され場合があります。
そのような場合、利息に対して外国税がかかり、さらに日本の税金がかかります。
この場合は、二重課税になっています。

これを避けるには、確定申告時に外国税額控除の適用を受けください。
 → 居住者に係る外国税額控除(国税庁)

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外貨預金の税金|為替差益

為替差益に対する税金の原則=確定申告が必要

外貨預金に為替差益が発生した場合には、その為替差益は、「雑所得」(総合課税)として課税されますので、確定申告をする必要があります。

たとえば、1ドルが100円のときに、100万円分(1万ドル)の外貨預金をしたとします。
その後、1ドルが110円になったときに外貨預金を解約すると、次の為替差益が発生します。

・預入れ時:100万円(100円×1万ドル)
・解約時:110万円(110円×1万ドル)
・為替差益:解約時110万円-預入れ時100万円=10万円

外貨を円に変えたり、ほかの国の外貨に交換すると為替差益が発生する

外貨定期預金に満期がきて、円に交換すれば、為替差損益が発生します。

しかし、外貨定期預金から同じ国の外貨のまま外貨普通預金に入れておいたり、また同じ国の外貨定期預金に預け入れた場合には、為替差損益は発生しません。
いわゆる「含み益」「含み損」であって、為替差損益が実現していないからです。

 【参考】→ 外貨建預貯金の預入及び払出に係る為替差損益の取扱い(国税庁)

ただし、外貨をほかの国の外貨へ交換した場合には、為替差損益が発生します。
例えば、米ドルをユーロへ交換した場合です。ご注意ください。

 【参考】→ 保有する外国通貨を他の外国通貨に交換した場合の為替差損益の取扱い(国税庁)

外貨預金をほかの投資に移動すると、同じ国の外貨でも為替差益が発生する

また、預け入れていた外貨預金を払い出し、その全額を同じ国の外貨建MMFに投資したような場合も為替差損益が発生します。

同じ国の外貨でも、外貨預金から外貨預金なら為替差損益は発生しませんが、預金以外のものに移動すると、為替差損益が発生するのです。

 【参考】→ 預け入れていた外貨建預貯金を払い出して外貨建MMFに投資した場合の為替差損益の取扱い(国税庁)

為替差益(雑所得)の計算

雑所得の金額は、次のように計算されます。

・総収入金額-必要経費=雑所得金額

預金利息には、通常必要経費はかかりませんので、総収入金額(利息)が雑所得金額となります。

この為替差益による雑所得金額は総合課税です。
したがって、給与所得など、ほかの所得金額との合計額から所得控除額を引いて、それに税率をかけて所得税を計算します。

サラリーマンの場合は確定申告不要になることも

サラリーマン(給与所得者)については、給与所得以外の所得が20万円以下であれば、確定申告をしなくてもいい、という特例があります。
したがって、その年の為替差益が20万円以下であれば、税務署への確定申告は省略できます。

なお、為替差益が20万円以下の場合については、所得税の確定申告(税務署)は不要ですが、住民税の申告(市町村役場)は必要ですので、ご注意ください。

また、医療費控除による税金還付のために確定申告をする場合には、この特例は適用されませんので、為替差益が少額でも、確定申告で為替差益を雑所得に計上しなければなりません。

 【参考】
  → 給与所得者で確定申告が必要な人(国税庁)
  → 給与所得者で副収入がある場合、市民税・県民税の申告は?(名古屋市)

為替差損が発生した場合

逆に外貨預金について、為替差損が出る場合もあります。

たとえば、1ドルが100円のときに、100万円分(1万ドル)の外貨預金をしたとします。
その後、1ドルが90円になったときに外貨預金を解約すると、次の為替差損が発生します。

・預入れ時:100万円(100円×1万ドル)
・解約時:90万円(90円×1万ドル)
・為替差損:解約時90万円-預入れ時100万円=△10万円

雑所得は当然マイナスになります。
その場合は、確定申告をする義務はありません。

ここで、この為替差損の雑所得のマイナスは、ほかの所得との相殺(損益通算)ができればいいのですが、それは認められていません。

ただし、ほかの所得との相殺(損益通算)はできませんが、総合課税の同じ雑所得があれば、その所得と為替差損とを相殺することができます。
相殺をすることで、他の雑所得に課税される税金を下げることができます。

まずは、ある外貨が為替差損が発生し、ほかの外貨が為替差益が発生した場合は、損益通算(相殺)ができます。

それ以外でも、たとえば、外貨預金の為替差損が10万円発生し、副業による雑所得が30万円あった場合には、雑所得の中で相殺(副業雑所得30万円-為替差損10万円=20万円)し、雑所得は20万円として税金が計算されます。

もし、ほかの雑所得と相殺して未相殺額が残った場合は、ほかの所得との損益通算はできません。
なお、為替差損は、翌年以降に繰越すこともできません。残念ながら残った為替差損はその年で切り捨てられてしまいます。

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まとめ

今回は、外貨預金の税金について説明してきました。

外貨預金では、預金利息についての税金と、為替差益についての税金を考える必要がありました。
特に為替差益が発生した場合の申告を忘れがちです。
どんな場合に為替差益が発生するのかも間違えやすいところです。
外貨預金での資金の運用をされる場合には、今回の記事でこれらの区分ごとで税金のかかるしくみを整理して正しく申告し、あとから問題を指摘されないようにしましょう。

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※お断り

※記事の内容は、投稿日現在の税法等の規定によっております。税制改正等により最新情報でない場合もありますので、ご了承ください。

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