税金の知恵袋

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個人事業税とは?いつから、いくら、かかる場合とかからない場合

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個人事業をしていると、サラリーマンにはかからない税金がかかります。
それは、「個人事業税」です。
7月に県税事務所から突然、個人事業税の通知書が送付されてびっくりする方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、個人事業税について説明いたします。

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個人事業税とは?概要

個人事業の趣旨

個人事業税は、事業を行う場合には様々な行政サービスを受けていることから、その行政経費の一部を個人で事業を行う人に負担していただくという趣旨から課税されるものです。
個人事業税は、都道府県民税になっています。

個人事業税がかかる人とかからない人(対象者)

◆個人事業がかかる人

個人事業税がかかるのは、事業のうち、次の第一種事業、第二種事業又は第三種事業を行う個人です。
多くの個人事業主は、このどれかに該当し、個人事業税がかかります。
第1種事業 物品販売業、運送取扱業、料理店業、遊覧所業
保険業、船舶定係場業、飲食店業、商品取引業
金銭貸付業、倉庫業、周旋業、不動産売買業
物品貸付業、駐車場業、代理業、広告業
不動産貸付業、請負業、仲立業、興信所業
製造業、印刷業、問屋業、案内業
電気供給業、出版業、両替業、冠婚葬祭業
土石採取業、写真業、公衆浴場業(むし風呂等)
電気通信事業、席貸業、演劇興行業
運送業、旅館業、遊技場業
第2種事業 畜産業、水産業、薪炭製造業
第3種事業 医業、公証人業、設計監督者業、公衆浴場業(銭湯)
歯科医業、弁理士業、不動産鑑定業、歯科衛生士業
薬剤師業、税理士業、デザイン業、歯科技工士業
獣医業、公認会計士業、諸芸師匠業、測量士業
弁護士業、計理士業、理容業、土地家屋調査士業
司法書士業、社会保険労務士業、美容業、海事代理士業
行政書士業、コンサルタント業、クリーニング業、印刷製版業
あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復、
その他の医業に類する事業、装蹄師業

実際に個人事業税を納めることになるのは、所得が年間290万円を超える場合となります。
(後で説明する年間290万円の事業主控除が認められているため)

◆個人事業税がかからない人

個人事業税がかからない業種は、たとえば次の業種があります。
・農業(農産物を自分で栽培する場合に限る) ・林業
・保険営業等の外交員
・医業のうち社会保険診療報酬等に係る所得
・通訳業  ・翻訳業  ・漫画家  ・画家
・音楽家  ・作曲家  ・作詞家  ・文筆業
・スポーツ選手     ・芸能人  ・鉱物採掘業

◆個人事業税がかかる場合もあればかからない場合もある

個人事業税の課税対象は、単純に業種だけで判定されません。

医療業でも、保険がきかない自由診療に係る部分の所得は課税対象になりますし、農業でも、仕入れた農作物を販売する場合は、「商品取引業」に該当するため課税対象です。

文筆業(ライターさん)やシステムエンジニア・プログラマーは法定業種に該当しないため個人事業税は非課税となるはずです。
しかし、仕事内容によっては「請負業」と判断され、個人事業税が課税される場合があります。

また、画家や漫画家の方も法定業種に該当しないため個人事業税は非課税となるはずですが、仕事内容によっては「デザイン業」と判断され、個人事業税が課税される場合があります。

弁護士や税理士などが書籍出版のため執筆を行った場合は、執筆に係る所得は、個人事業税は非課税となります。

不動産所得については、貸付不動産の規模、賃貸料収入及び管理等の状況などを総合的に勘案して、不動産貸付業・駐車場業の認定を行い課税されます。

たとえば、東京都は、次のような基準になっています。

(出典:東京都)

これら個人事業税がかかるかかからないかの判定は、都道府県により基準が若干異なっているようです。
納得いかない場合は、都道府県税事務所にお問い合わせください。

なお、一部が非課税になる場合には、所得税の確定申告書第二表で、「住民税・事業税に関する事項」の「非課税所得など」欄に非課税部分の所得を記載すると、その部分は個人事業税がかからないことになりますので、忘れずに記載しましょう。



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個人事業税の申告納付

個人事業税の申告

個人事業税については、翌年の3月15日までに前年分の事業の所得について申告することになっています。

ただし、所得税の確定申告書又は都道府県民税・市町村民税の申告書を提出した人は、個人事業税の申告書を提出する必要はありません。

所得税の確定申告書の「住民税・事業税に関する事項」又は都道府県民税・市町村民税申告書の「事業税に関する事項」欄に記載することによって、それが都道府県税事務所にまわるからです。
したがって、個人事業税の申告を単独でする人はいないと思います。

個人事業税の納付はいつ?

個人事業税は、都道府県税事務所から送付される納税通知書(納付書)によって、原則として、8月と11月の年2回(第1期納期限:8月31日、第2期納期限:11月30日(休日の場合はその翌日))に分けて納めることになっています。

この納税通知書が発送されるのが翌年の7月ですので、今頃昨年の税金がまだかかるのかとびっくりする方や、すっかり忘れていてショックを受ける方もいます。
私も個人事業税の通知がくると、「ああそうだった」といやな気分になるものです。

なお、個人事業税の税額が1万円以下の場合は、8月にその全額を納めることになっています。

個人事業税の納税には、口座振替が利用できるはずですので、手続きは都道府県税事務所にお問い合わせください。
所得税の口座振替の場合は、現金納付より1ヶ月程度遅いですが、個人事業税の場合は、現金納付と同じ日に口座振替されます。


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個人事業税の計算方法

個人事業税額

・課税所得金額×税率=個人事業税額

税率は上の法定業種により異なります。
法定業種 税率
第1種事業 5%
第2種事業 4%
第3種事業 5%
※第3種事業のうち、あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復、その他の医業に類する事業、装蹄師業の税率は3%です。

ほとんどの業種の個人事業税率は5%となっていますね。

◆課税所得金額・所得税との違い

・課税所得金額=事業所得及び不動産所得+青色申告特別控除額-損失の繰越控除額-事業主控除
※一部簡略化しています。

所得税の青色申告特別控除額を加算することと、最後に事業主控除額を引くことがポイントです。
ここが所得税の課税所得との違いになります。

◆事業主控除

年間を通じて事業を行っている場合は290万円を控除します。
つまり、課税所得が290万円以下の場合は、個人事業税はかかりません。

なお、事業を開始したり廃止したことにより、事業を行った期間が1年に満たない場合は、事業を行った月数に応じ、月割りで計算した額となります。




(出典:埼玉県)

初めて個人事業が課税された場合

初めて個人事業税の通知がきた場合には、次のフローチャートで確認しましょう。


(出典:埼玉県)

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個人事業税の経理方法

個人事業税は納付時の必要経費になる

所得税や住民税は、必要経費になりません。
ところが、個人事業税は、必要経費になります

勘定科目は、「租税公課」などとします。

ただし、課税所得が発生した年に必要経費にすることは認められません。
その翌年の個人事業税を納付した年の必要経費になるのです。

たとえば、2021年の所得に対して、2022年に個人事業税を納付した場合には、2022年の必要経費になります。
所得と必要経費が1年ずれることになる訳です。

納付した年と書きましたが、厳密には個人事業税の賦課決定のあった年、つまり翌年になります。
もし、納税が年末より遅れてしまった場合でも、その年(賦課決定のあった年)に必要経費にできます。


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まとめ

今回は、個人事業税について説明しました。
この記事を参考に、通知書を受け取ったら明細をみて確認してください。

もしかしたら、非課税所得に該当するものがあって個人事業税を少なくできるかもしれませんよ。

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※お断り

※記事の内容は、投稿日現在の税法等の規定によっております。税制改正等により最新情報でない場合もありますので、ご了承ください。

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