被災された皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
また、犠牲になられた方々とご遺族の皆さまに、深くお悔やみを申し上げます。
一刻も早い被災地の復旧・復興のために、何とか力になりたいと思う方も多いと思います。
ボランティア活動ができればいいのですが、仕事などの都合でなかなか実現は難しい人も多いと思います。私もそうです。
そういう方には、募金(寄付・義援金、義捐金)をおすすめします。
被災地への募金(寄付・義援金、義捐金)の方法もいろいろありますが、一番のおすすめは、ふるさと納税を利用する募金です。
そこで今回は、被災地への募金にふるさと納税を利用する場合を中心に説明いたします。
被災地への主な募金・寄付の方法・種類
街角募金・寄付・義援金、義捐金
駅前などで、複数の人が一列に並んで「被災地への募金をお願いします」と呼びかけているものがあります。募金箱にお金を入れるだけですから、とても手軽な募金方法です。
ただ、寄付が本当に被災地へ届けられるのかに疑問があります。
残念ながら、東日本大震災の際にも、街角募金を装った詐欺が多かったとのことです。
詐欺でないかを確かめるのはなかなか困難ですので、確実に被災地へ届けたい場合には、街頭募金はおすすめしません。
ふるさと納税を利用した募金・寄付・義援金、義捐金
ふるさと納税というと「返戻品がもらえるお得な寄付」というイメージですが、被災地への寄付にも利用ができます。
市町村単位で寄付先を選べる点と、被災地へ届くスピードが早いのが、ふるさと納税を使った寄付をおすすめする理由です。
ふるさと納税というと、手続きが面倒だと思うかもしれませんが、ふるさと納税サイトを利用すれば、手続きはとても簡単で、クレジットカードによる寄付も可能です。
ふるさと納税を利用した被災地への募金のメリットなどについては、後で詳細を説明します。
都道府県・市町村への直接募金・寄付・義援金、義捐金
言うまでもなく、被災地の都道府県や市町村への直接募金・寄付も安心な寄付先ですね。令和6年(2024年)能登半島地震に係る災害義援金については、被災地の各県や市町村で募金を受け付けています。主な県、市町村は次のとおりです。
→令和6年(2024年)能登半島地震に係る災害義援金の受付について(石川県)
→令和6年能登半島地震災害義援金(富山県被災者支援分)の受付について/a>(富山県)
→令和6年能登半島地震で被災された方々(新潟県の被災者)への義援金の受付について(新潟県)
→能登半島地震による被災支援寄附金(石川県珠州市)
→能登半島地震・災害支援寄附受付(石川県輪島市)
→令和6年能登半島地震災害義援金口座の開設(石川県七尾市)
→令和6年能登半島地震災害義援金の受付について(石川県穴水町)
→令和6年能登半島地震に係る災害義援金の受付について(石川県中能登町)
→令和6年能登半島地震に係る能登町災害義援金の受付について(石川県能登町)
日本赤十字社を通じた募金・寄付・義援金、義捐金
被災地の寄付で昔から真っ先の頭に思い浮かぶのは、日本赤十字社を通じた募金ですね。日本赤十字社では、災害ごとに義援金を受け付けています。
日本赤十字社トップページの下の「最新情報」欄に、
・◯年◯月◯日義援金・救援金募集「◯◯災害義援金」
と表示されていますので、寄付したい災害義援金をクリックして、次の画面からの案内にしたがって寄付をしてください。
→日本赤十字社トップページへ
→令和6年能登半島地震災害義援金(日本赤十字社)
→イスラエル・ガザ人道危機救援金(日本赤十字社)
寄付の方法は、銀行振込だけでなく、クレジットカードでの寄付やコンビニでの寄付、カードポイントでの寄付も可能です。
テレビ局や新聞社の募集する募金・寄付・義援金、義捐金
大きな災害があると、テレビ局や新聞社などのマスコミが、被災地への募金を募集します。→ドラえもん募金:令和6年能登半島地震(テレビ朝日)
→サザエさん募金 令和6年能登半島地震被災地救援(フジネットワーク )
→令和6年能登半島地震災害義援金(テレビ東京)
→能登半島地震救援金を受け付けます(朝日新聞厚生文化財団)
→募集中の救援募金(読売新聞社・読売光と愛の事業団)
→寄付の方法・窓口(中日新聞社会事業団)
これらのほとんどは、テレビ局や新聞社などが集めた募金を直接被災地へ送るのではありません。日本赤十字社を通じて被災地へ送られるのです。
したがって、テレビ局などを通じた募金の多くは、日本赤十字社を通じた募金と同じ扱いとなります。
赤い羽根共同募金からの募金・寄付・義援金、義捐金
「赤い羽根共同募金」で皆さんご存知の社会福祉法人中央共同募金会からの寄付も信頼できます。赤い羽根の共同募金会では、国内で発生する災害に対して、毎年実施している赤い羽根共同募金だけでなく、支援金(ボラサポ)や義援金などさまざまな形で災害・被災地支援活動を支えています。
→ボラサポ・令和6年能登半島地震(赤い羽根共同募金)
赤い羽根共同募金も、銀行振込だけでなく、クレジットカードやコンビニを利用したご寄付が可能です。
日本財団からの募金・寄付・義援金、義捐金
公益財団法人日本財団は、公営競技の1つである競艇の収益金をもとに、海洋船舶関連事業の支援や公益・福祉事業、国際協力事業を主に行っている公益財団法人ですので、信頼できます。→災害復興支援特別基金へのご寄付のお願い(日本財団)
Yahoo! JAPANのサイトからの募金・寄付・義援金、義捐金
Yahoo! JAPANのサイトでは、災害ごとに募金を募集しています。検索窓のすぐ下に、情報が掲載されます。
投稿日現在は、次の情報が掲載されています。
→能登半島地震緊急支援募金(Yahoo!基金)
Yahoo!基金のいいところは、Tポイントを使ってポイントから寄付できるところです。携帯電話利用料金のお支払いと一緒にも寄付できます。もちろん、通常のクレジットカードでも寄付できます。
ただし、Yahoo! JAPAN IDでのログインが必要ですので、未登録の方は寄付の前に会員登録をしましょう。
楽天からの募金・寄付・義援金、義捐金
楽天では、「楽天ふるさと納税」による寄付のほかに、楽天クラッチ募金も実施しています。楽天クラッチ募金では、楽天ポイントをはじめとする様々な決済手段を使って募金することができます。
→楽天クラッチ募金(楽天)
→楽天ふるさと納税
携帯電話各社からの募金・寄付・義援金、義捐金
NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクといった携帯電話各社からも寄付ができます。(KDDIは日本赤十字社への寄付)→被災地支援活動(NTTドコモ)
→令和6年能登半島地震災害支援金プロジェクト(ソフトバンク)
被災地への寄付にふるさと納税を利用するメリット
ふるさと納税なら被災地を指定できる
被災地への寄付にふるさと納税を利用する最大のメリットは、募金(寄付)をしたい被災地を指定できることではないでしょうか。日本赤十字社などほかの募金では、□□市へ寄付を送ってください、と指定することはできません。
それに対し、ふるさと納税では、市町村単位で寄付先を指定できるのです。
あなたがふるさと納税した寄付金は、直接被災地の指定した自治体に届けられるのです。
ぜひ、あの自治体へ寄付したい、と思う方には、ふるさと納税を利用した被災地への寄付が最適ですね。
ふるさと納税は、義援金(寄付金、募金)がすぐに自治体に届けられる
東日本大震災でも問題になりましたが、じつは国が主導となった被災地復興活動は、実際に動くまでどうしても時間がかかります。また、被災地のニーズとは違う部分にお金が使われてしまうこともあります。
日本赤十字社を通じた募金でも、「義援金配分割合決定委員会」で、寄せられた義援金を被災された都道県にどのように配分するかを決定しますので、
国ほど遅くはないと思いますが、それでも「すぐに」という訳にはいきません。
そういった点では、ふるさと納税で募金をすれば、その寄付金がすぐに直接自治体へ届きますから、そのような問題も起こりません。
令和元年の台風19号で被災者が多かった長野県小諸市へふるさと納税を利用して寄付をした(返礼品なし)ところ、小諸市長よりお礼状が届きました。
ふるさと納税サイトを利用すると手続きが簡単
◆市町村等の自治体サイトからのふるさと納税
ふるさと納税を利用するには、市町村等の自治体サイトから入る方法があります。ただし、この方法では、自治体の多くはクレジットカードで寄付することができません。また、複数の市町村に寄付をしようと考えている人にとっては、市町村ごとに氏名や住所などを入力しなくてはなりません。何度も何度も自分の情報を入力するのはとても面倒ですね。途中でいやになってしまいます。
◆ふるさと納税ポータルサイトを利用したふるさと納税
ふるさと納税の情報を集めた「ふるさと納税ポータルサイト」が複数あります。人気のある「ふるさと納税ポータルサイト」は、次のものがあります。
■ さとふる
■ ふるなび
■ ふるさとプレミアム
■ 楽天ふるさと納税
■ ふるさとチョイス
■ ヤフーのふるさと納税
これらの「ふるさと納税ポータルサイト」では、さまざまな方法で寄付先を決定することができます。
たとえば、ブランド和牛の肉をふるさと納税返礼品としている市町村を簡単に探すことができます。
また、「ふるさと納税ポータルサイト」では、クレジットカードによる寄付も可能です。
さらに、一度氏名、住所などを登録すれば、複数の市町村に寄付をする際に、寄付先ごとに氏名等を入力する必要はなくなります。
「◯◯被災地への寄付」で検索すれば、寄付先にその市町村を選択できるかがわかります。
被災地への寄付にふるさと納税を利用した後の寄付附金控除の手続き
寄附金受領証明書の取得
寄付してしばらくすると、寄付先の市町村から「寄附金受領証明書」が送付されてきます。この証明書は、税金の控除を受けるのに必要ですので、しっかり保管してくださいね。
所得税確定申告で寄付金控除を受ける
寄附金についての税制上の優遇措置である寄附金控除は、年末調整で受けることができません。翌年2月から3月にかけて受付される所得税確定申告をすることになります。
あの混雑する確定申告かあ・・・・
確かに、寄附金控除のように、税金還付を受けるための申告は、混雑する翌年2月~3月に通常はします。
でも、還付金を受けるための申告は、必ずしもその期間に提出しなくても構いません。
じつは、5年以内に申告すれば、税金の還付を受けることができるのです。
ですから、わざわざ混雑する2月や3月に申告せず、混雑が和らいでから申告すればいいのです。
手続き詳細は → 確定申告でふるさと納税を寄附金控除|必要書類と書き方、還付等のしくみ
確定申告不要なワンストップ納税制度を利用して寄付金控除を受ける
サラリーマンなど、もともと確定申告を行う必要のない方は、一定の条件を満たせば、所得税の確定申告をしないで、寄附金控除を受けることもできます。「ふるさと納税ワンストップ特例制度」といいます。
この制度を利用すると、所得税の確定申告なしで、税金の控除をすべて住民税からすることになります。
その手続ですが、ふるさと納税で寄付をする際に、各自治体から寄付毎にワンストップ特例申請の手続きをします。ただし、年間の寄付先は5自治体以内に限られます。(寄付先が6自治体以上になったら、所得税の確定申告をすることになります。)
まとめ
本当に被災者の方はお気の毒です。募金(寄付)がとりあえず少しでもお役に立てることだと思います。
寄付の方法もいろいろありますが、寄付先の被災地を特定できる、というふるさと納税制度のメリットを活かし、被災地への募金をされてはいかがでしょうか。
私もふるさと納税で寄付をしています。
被災地の皆様の早期の復興をお祈りしております。
【投稿者:税理士 米津晋次】