ふるさと納税をその年分で控除したい場合は、その年の12月中にする必要があります。
12月中にすれば・・・と思っていると、年末ぎりぎりでは受付されなかったということもあります。
また、タイミングによっては、来年の寄附金控除の対象となってしまう場合もあります。
そこで今回は、ふるさと納税の年末の駆け込み期限について説明しましょう。
目次
ふるさと納税の年末期限・駆け込み|年内支払が期限だが・・
ふるさと納税は、1月から12月に寄附したものが対象
返礼品で大人気のふるさと納税。私もやりました。年末にはおせち料理が届く予定です。
この12月には、お客様から私の事務所へふるさと納税に関する問合せも多かったです。
ふるさと納税で、寄附金控除を受けられるのは、その年の1月から12月に寄附したものです。
個人の所得税や住民税は、暦年(1月1日から12月31日)単位で計算されるからですね。
ふるさと納税は、いつの日で判断されるのか
それでは、どの日付でどの年分の寄附金控除の対象になるのかを判定するのでしょうか。寄附を申し込んだ日なのでしょうか。
銀行振込の場合は、振込んだ日でしょうか。市町村に入金になった日でしょうか。
クレジット払いの場合は、カードで支払った日でしょうか。それとも市町村にカード会社から入金になった日でしょうか。
ふるさと納税に関係する日付には、このようにいろいろな日付があります。
ふるさと納税は、受領証明書の受領日が大事
ふるさと納税がいつの年分の寄附金控除の対象になるかを判断する日は、ふるさと納税先の市町村が発行して送付される受領証明書に記載されている受領日です。たとえば、受領日が令和3年(2021年)12月28日となっていれば、令和3年(2021年)分の寄附金控除の対象となります。
しかし、受領日が令和4年(2022年)1月4日となっていれば、支払った日がたとえ令和3年12月中でも、令和4年(2022年)分で寄附金控除を受けることになります。
ふるさと納税の年末期限・駆け込み|クレジット支払の場合
クレジット払いは、カード使用日(決済日)とする自治体が多い
支払手段で比較すると、クレジット払いでふるさと納税をする場合は、年末のかなりぎりぎりの12月31日23時59分59秒まで可能な場合が多いです。クレジット払いで寄附する場合は、インターネット上のふるさと納税ポータルサイトで、カードを使用した日(カード決済日)を受領日とする自治体が多いからです。
駆け込み寄附ならクレジットカード払いにすることがポイントですね。
クレジット払いでも12月31日より前に締め切る自治体もある
クレジット払いなら、12月31日まで大丈夫と思ってはいけません。一部の自治体では、たとえクレジット払いでも、早めに年内の申込を終了するところもあります。
そのような自治体へふるさと納税をすると、年内にクレジット決済をしても、翌年扱いになってしまいます。
12月31日クレジット払いなら、ふるさと納税ポータルサイトからの寄附なら間に合う市町村も多い
12月31日になってまだふるさと納税をしたい場合でも、ふるさと納税ポータルサイトでクレジット払いすれば間に合う市町村が多いです。たとえば、ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」では、掲載されている市町村に12月31日中にクレジット払いが完了すれば、その年の寄附金控除の対象になります。
さとふるのサイトでは、次のように説明されています。
「※クレジットカード決済、PayPayオンライン決済、キャリア決済を選択した場合、「さとふる」で寄付申込み手続きを完了いただいた日が納付日となります。2021年12月31日中に寄付の申込を確定するボタンを押下いただければ、「さとふる」へのアクセス集中により決済処理の完了が翌0時以降にずれこんでも、地方自治体への寄付の納付日は2021年12月31日となります。なお、その場合、決済会社のシステムによっては、決済日は2022年1月1日として処理される可能性がございます。」
ふるさと納税の年末期限・駆け込み|振込・コンビニ払い・ペイジーの場合は特に注意
銀行等の窓口営業は例年12月30日まで
銀行振込や郵便振込でふるさと納税をする場合には、市町村への入金日を受領日とする自治体が多いようです。そもそも、ほとんどの銀行や郵便局の窓口は、通常年は12月30日までの営業となっています。
12月30日が平日なら、15時までに窓口で振込すれば、当日に市町村に入金になります。
ただし、12月30日が休日の年もありますので、たとえば、12月30日が土曜日の年には、年内窓口営業最終日が12月28日と例年より早くなりますので、ご注意ください。
振込でふるさと納税する場合の期限は、銀行等の年内最終営業日の15時までということになりますね。
郵便振替、銀行振込は、まずは申込みが必要
郵便振替の納付書を市町村から送ってもらうには、日数がかかります。そのため、年末の期限は、支払期限よりもずっと早い申込みが必要になります。
12月中旬を締め切りとしている市町村が多いようです。
寄附しようとする市町村の締め切りを早めに確認してください。
ATMは12月31日も稼働しているが・・・
ATMなら、12月31日も稼働しているところもありますが、12月31日の振込が市町村に入金になるのは、通常年で1月4日になってしまいます。コンビニも12月31日に営業している・・・
年中無休のコンビニエンスストアは、12月31日はもちろん営業しています。しかし、いくら12月28日に寄附申込みをしても、12月31日にコンビニ支払をする場合は、翌年1月扱いとなる場合もあります。
コンビニ払いの場合は、1日でも早く支払を済ませたいところです。
ペイジーは12月31日ではアウト
ペイジー(pay-easy)とは、ネットバンキングを利用した支払方法です。いくらネットバンキングといっても、銀行等の最終営業日に支払をしないと年内扱いにはなりません。
過去には夜にふるさと納税ポータルサイトが実際にダウンしたことも
年内で駆け込みでふるさと納税しようと多くの人が、ふるさと納税ポータルサイトにアクセスするため、2016年12月31日夜には、サイトがダウンしてふるさと納税ができないという事態が実際に起こりました。そのふるさと納税ポータルサイトでは、12月31日の午後11時から1時間、クレジットカードの決済ページが開かなかったり、決済処理が完了できないことになりました。
これらの方は、ふるさと納税の駆け込みには間に合わなかったことになります。
これからもほかのふるさと納税ポータルサイトでも同じような事態が起こる可能性が充分あります。
年末の駆け込みであっても、余裕を持ってふるさと納税の申込みをするようにしてください。
ふるさと納税の年末期限・駆け込み|市町村ごとに期限を確認する
寄附する予定の自治体がすでに決まっている場合は、その市町村のホームページで年末の寄附金申込期限を確認しましょう。寄附する自治体が決まっていない場合は、まだ間に合う市町村から選択するしかありません。
自治体ごとの年内受付期限について、ふるさと納税のポータルサイトにも掲載している場合がありますが、最新情報とは限りません。
いずれの場合も、ふるさと納税ポータルサイトではなく、必ず市町村の公式サイトで直接確認するか、自治体へ電話で問合せをしてください。
ふるさと納税の年末期限・駆け込み|ワンストップ特例利用の場合はさらに注意
ふるさと納税分は、確定申告で寄附金控除をするのが一般的です。しかし、平成28年からは、確定申告が不要な制度である「ワンストップ特例」制度ができています。
【参考】→ふるさと納税の確定申告不要制度の条件、サラリーマンの手続き、注意点
この「ワンストップ特例」を利用する場合は、年内に寄附ができたからといって安心できません。
さらに注意が必要です。
ワンストップ特例を適用したい場合には、寄附の都度、その市町村へ「寄附金控除に係る申告特例申請書」、「個人番号確認書類」、「本人確認書類」のコピーのすべてを郵送する必要があるます。
その提出期限を翌年の1月10日としている市町村が多いようです。
年末ぎりぎりにふるさと納税をした場合、モタモタしていると、この提出期限に間に合わず、ワンストップ特例が受けられず、確定申告をしなければならないことになる可能性があります。
「寄附金控除に係る申告特例申請書」の用紙は、ふるさと納税する際に送付を依頼して、市町村から郵送して入手するのが一般的ですが、それでは日数がかかり、提出期限に間に合わない可能性もあります。
心配な場合は、市町村の公式サイトやふるさと納税ポータルサイトから自分で様式をダウンロード・印刷して市町村へ郵送した方が早いですね。
ふるさと納税をやってみよう
ふるさと納税の限度額の目安がわかったら、さあ、ふるさと納税をやってみましょう。ふるさと納税サイトが便利
ふるさと納税をするのに便利なサイトがあります。「ふるさと納税サイト」と呼ばれるものです。この「ふるさと納税サイト」には、全国の自治体の返礼品が集められていて、それがカテゴリに分類されています。
欲しい返礼品の自治体を探すのにとても便利です。
さらに、これらの「ふるさと納税サイト」でふるさと納税を行う場合には、クレジットカードで支払いができるのも便利な点です。
主なふるさと納税サイト
それでは、主な「ふるさと納税サイト」をご紹介しましょう。1 | さとふる | |
---|---|---|
3 | ふるさとプレミアム |
まとめ
今回は、ふるさと納税の年末の駆け込み期限について説明しました。年末の寄附については、
・市町村ごとの年内締め切りを確認すること
・クレジットカードで払うと確実
・郵便振替・銀行振込は、申込み期限が早くくる
がポイントです。
ふるさと納税を有効活用してくださいね。
【投稿者:税理士 米津晋次】