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新型コロナ関連給付金、助成金には税金がかかるもの、非課税のものがある!持続化給付金は?

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新型コロナウイルス感染症の影響で、国や自治体、大学などから給付金や助成金といった名目でお金などが支給されています。


いくら新型コロナウイルス感染症に対するものだといっても、支給を受けた給付金や助成金に税金がかからない訳ではありません。
給付金や助成金によっては、支給を受けた金額が課税になるものと非課税になるものを別れます。
税金がかかるって、少し納得できないところがありますね。

そこで今回は、新型コロナウイルスに関連して支給される給付金や助成金について、どれが課税になり、どれが非課税になるかを説明します。

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新型コロナ関連給付金・助成金|国税庁がQ&Aで課税・非課税を例示

国税庁は、2020年4月30日に『国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面税務上の取扱いに関するFAQ』等を更新しました。

 →参考:「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面税務上の取扱いに関するFAQ」(国税庁。PDFファイル)

その中で、新型コロナウイルス禍に関連し、国や自治体から支給される給付金や助成金について、課税になるもの、非課税なものが明らかにされています。

たとえば、国から国民全員に⼀律で10万円が支給される「特別定額給付金」は、所得税で非課税となることが示されています。
一方、売上が大幅に減少した事業者等に給付される「持続化給付金」は、法人税や所得税の課税対象となることを明らかにしています。


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新型コロナ関連給付金・助成金|非課税の規定がないものは課税

個人については、「税法」や「その他法令」の中で、非課税の明文規定がある助成金・給付金などは、課税されません。
逆に言えば、個人が受ける助成金や給付金で、税法などで非課税規定がないものは、課税対象となるのです。

法人が支給を受ける助成金等については、すべてが課税になると思ってください。


もう少し具体的に説明すると、個人に対して支給される次のような助成金等は、非課税となります。
1 助成金の支給の根拠となる法令等の規定により、非課税所得とされるもの
2 その助成金が次に該当するなどして、所得税法の規定により、非課税所得とされるもの
・ 学資として支給される金品(所得税法9条1項十五号)
・ 心身又は資産に加えられた損害について支給を受ける相当の見舞金(所得税法9条1項十七号)


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新型コロナ関連給付金・助成金|非課税とされるもの

税法以外の法令で非課税と規定されるもの

雇用保険法や生活保護法などの税法以外の法令で非課税と規定されている給付金・助成金等には、次のものがあります。
1 雇用保険の失業等給付(雇用保険法)
2 生活保護の保護金品(生活保護法)
3 児童(扶養)手当(児童手当法、児童扶養手当法)
4 被災者生活再建支援金(被災者生活再建法)
5 特別定額給付金(新型コロナ特措法)
6 子育て世帯への臨時特別給付金(新型コロナ特措法)

所得税法で非課税とされるもの

所得税法の規定で非課税と規定されている給付金・助成金等には、次のものがあります。
1 認証保育所の保育料助成金(東京都)
2 企業主導型ベビーシッター利用助成の割引券
3 ベビーシッター利用支援事業における助成(東京都)
4 大学からの学費を賄うために支給された支援金
5 大学からの感染症に感染した学生に対する見舞金
6 大学からの遠隔授業を受けるために供与されパソコン等

租税特別措置法で非課税とされるもの

国税に関する特例を定めた租税特別措置法の規定で非課税と規定されている給付金・助成金等には、次のものがあります。
1 簡素な給付措置(臨時福祉給付金)
2 子育て世帯臨時特例給付金
3 年金生活者等支援臨時福祉給付金


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新型コロナ関連給付金・助成金|課税されるもの

課税されるものの所得区分

◆事業所得等に区分されるもの

業務に関連して支給される次のものは、事業所得の収入金額(雑収入)となります。

・事業者の収入が減少したことに対する補償を目的として支給されるもの
・人件費などの必要経費に対する補填を目的として支給されるもの

ただし、事業所得等で収入金額に算入されても、収入減で多額の必要経費があって、赤字になれば、結果として所得税が課税されないことになります。

◆一時所得に区分されるもの

臨時的に一定の所得水準以下の方に対して支給するなど、事業に関連しないもので、一時に支給される助成金は、一時所得とされます。

なお、一時所得については、所得金額の計算上、50 万円の特別控除(非課税枠)が適用されますので、ほかの一時所得とされる金額との合計額が50万円を超えない限り、課税されません。

◆雑所得に区分されるもの

上記(1)(2)に該当しない助成金などは、雑所得に区分されます。

課税とされる新型コロナウィルス関連助成金などと所得区分

No. 給付金、助成金など 所得区分
1 持続化給付金 事業所得
2 家賃支援給付金 事業所得
3 雇用調整助成金 事業所得
4 小学校休業等対応助成金 事業所得
5 小学校休業等対応支援金 事業所得
6 感染拡大防止協力金(各都道府県) 事業所得
7 肉用牛肥育経営安定特別対策事業による補てん金 事業所得
8 文化芸術・スポーツ活動の継続支援 事業所得
9 すまい給付金 一時所得
10 地域振興券 一時所得
11 大学からの生活費を賄うために支給された支援金 一時所得
12 GoToキャンペーン事業における給付金 一時所得
13 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業における割引券 雑所得
14 ベビーシッター利用支援事業における助成(東京都) 雑所得

※上記にないものは、給付金、助成金等の支給元の各自治体などにお問い合わせください。


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新型コロナ関連給付金・助成金|消費税の扱い

消費税が課税されるものは、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡や貸付け、役務の提供です。

新型コロナ関連で支給される給付金や助成金などは、一般的に対価として支払われるものではありませんので、消費税はかかりません。(消費税対象外取引)


まとめ

新型コロナウイルスに関連して支給される給付金や助成金について、どれが課税になり、どれが非課税になるかを説明しました。

法人が支給を受ける給付金や助成金はすべて課税と思って間違いないでしょう。

個人が支給を受ける給付金や助成金などは、今回の記事を参考に、課税されるもの・非課税のものに正しく分類して申告しましょう。


【投稿者:税理士 米津晋次

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