税金の知恵袋

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予定納税減額申請書とは?書き方、記入例、期限・添付書類は?

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「所得税の予定納税額の通知書」が税務署から初めて届いた場合には、とても驚きます。

しかし、一定の条件を満たせば、この予定納税額を減らす、または0円にすることができる制度があるのです。
そこで今回は、この予定納税を減額する手続きについて説明いたします。
  

予定納税減額申請書とは?期限は?

所得税予定納税はどんなときに必要?

給与所得など所得税が源泉徴収(控除)される所得以外の所得に対する所得税の納税は、確定申告の提出期限である翌年3月15日になっています。
(口座振替手続きをすれば、翌年4月20日ごろになります。)

所得税の納税は、その1回でいいという訳ではありません。

源泉徴収される所得以外の所得に対する所得税が年間15万円以上であった場合(予定納税基準額といいます。)には、翌年7月(第1期)と11月(第2期)に、年間所得税の各1/3ずつを事前に納税する義務があります。

予定納税が必要な人には、6月中旬に税務署から「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の通知書」が送付されます。
この通知書に第1期分の予定納税額、第2期分の予定納税額及びその計算明細が記載されています。

たとえば、予定納税基準額が、30万円だった場合には、その翌年の7月末までに10万円、11月末までに10万円の合計20万円を事前に税務署に納付しなくてはならないのです。

このように、その年の所得税を事前に税務署に納付する制度のことを、「所得税の予定納税」といいます。

なお、振替納税の手続きをしている方は、予定納税額も7月31日と11月30日に口座から自動的に引落しになります。
その前日までに口座の残高を確認してください。

所得税の予定納税をしないと、延滞税が課税されます。

予定納税減額申請とは?

前年の予定納税基準額が15万円以上のため、所得税の予定納税の義務のある人が、その年の6月末日において、廃業や業績不振等により次状況になると見込まれる場合に、予定納税額の減額を税務署に求める手続きのことを、予定納税減額申請といいます。

7月の予定納税減額申請の場合

その年6月30日の現況によって計算した申告所得税納税予定額(見積額)が、予定納税額の計算の基礎となった予定納税基準額に満たないと見込まれる場合

11月の予定納税減額申請の場合

その年10月31日の現況で計算した申告所得税納税予定額(見積額)が、既に受けている減額の承認に係る申告納税見積額に満たないと見込まれる場合

予定納税減額申請書が提出できる条件

予定納税の義務のある人のうち、次のような場合に該当する人は、予定納税減額申請書を税務署に提出することができます。
(1)廃業や休業、失業をした場合
(2)売上減少などによる業績不振などのため、今年の所得が前年の所得よりも明らかに少なくなると見込まれる場合
(3)災害や盗難、横領により、事業用資産などに多額の損害を受けた場合
(4)今年の所得控除額や税額控除額が前年分と比較して増加する場合

例)多額の医療費を払った人、扶養家族が増えた人、新たに障害者や寡婦(夫)になった人、社会保険料が増加した人など

予定納税減額申請書の提出期限

第1期分及び第2期分の所得税予定納税減額申請を税務署に提出できるのは、その年の7月1日から7月15日までです。
また、第2期分のみの所得税予定納税減額申請を税務署に提出できるのは、その年の11月1日から11月15日までです。

ただし、提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日が期限となります。
この期限に1日でも遅れると、所得税予定納税減額申請書は無効になります。


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予定納税減額申請書の添付書類は?

所得税の予定納税減額申請書を税務署に提出する際には、申告納税予定額(見積額)の計算の根拠となる書類を税務署に1部提出する必要があります。

たとえば、廃業や業績不振により所得税予定納税減額申請書を税務署に提出する場合には、6月末時点の試算表(損益計算書)などを提出します。

したがって、予定納税減額申請書に記入する前に、1月1日から6月30日の帳簿付けを済まして置く必要があります。

ただし、見積額でOKですので、1円単位の正確な金額である必要はありません。
多額な相違でなければ、問題ないでしょう。
昨年の確定申告書の数字をベースにしましょう。

単純な計算ミスを防ぐため、エクセルなどの表計算ソフトを使ったり、国税庁の確定申告書作成コーナーを利用するといいと思います。


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予定納税減額申請書の書き方、記入例

次に、所得税予定納税減額申請書の様式を入手します。
予定納税減額申請書の様式は、税務署へ行って取得するか、国税庁ホームページからダウンロードすることができます。

所得税予定納税減額申請書 出典:国税庁ホームページ

所得税の予定納税減額申請書の必要個所に書き込みます。

通知を受けた金額

税務署から送られてきた予定納税通知書に書かれている金額をそのまま記入します。

申請金額

下の表を先に完成させて、右下の「予定納税額」を記入します。

減額申請の具体的理由

廃業した、業績不振、扶養家族が増えたため、医療費が多額にかかったため、などと記入します。

法人化した場合には、用紙に記載されているように、「○年○月○日に事業を法人組織とし、個人事業を廃止したため」と書きます。

この欄は、意味が通じればよいので、必ずしも専門用語を使わなくても、分かりやすく記載すればOKです。

申告納税見積額等の計算書

直接記入するのではなく、所得税の確定申告書に下書きしてから転記するとよいでしょう。
所得税の確定申告書は、最初に収入金額欄がありますが、申告納税見積額等の計算書にはありませんので、転記する際にご注意ください。

予定納税額

(1)7月減額申請の場合
 「第1期分」欄、「第2期分」欄:それぞれ「申告納税見積額」の1/3を書きます。

(2)11月減額申請の場合
「第1期分」欄:税務署から通知された第1期分の税額は7月減額申請で承認された第1期分の税額を書きます。
「第2期分」欄:「申告納税見積額」-「第1期分」}×12を書きます。

なお、申告納税見積額が15万円未満の場合には、0円となります。

予定納税減額申請書の提出後

税務署に所得税予定納税減額申請書を提出した後は、税務署から後日、「承認」あるいは「一部承認」「却下」などの形で書面が送られてきます。


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まとめ

廃業や業績不振などの理由で、本来は所得税予定納税減額申請書が提出できる人が、申請書を提出しない場合は、税務署から通知があった予定納税額を納付することになります。

しかし、その予定納税額は、確定申告をすれば還付を受けることができますので、少し長い目で見れば結局同じことになります。

しかも、所得税の還付以外に、還付加算金といって利息相当をプラスしてくれます。
その還付加算金の利率は、定期預金の利率よりもずっと高いので、資金に余裕のある方にとっては、予定納税減額しない方がプラスとなります。

しかし、資金余裕がない方には、この予定納税減額制度をうまく活用して、資金繰りに余裕をもたせ、その資金を有効に活用していただきたいと思います。

【投稿者:税理士 米津晋次

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※お断り

※記事の内容は、投稿日現在の税法等の規定によっております。税制改正等により最新情報でない場合もありますので、ご了承ください。

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