年末調整の時期になりました。
年末調整では、複数種類の用紙・様式を使用します。
年末調整関係書類は、どのように入手すればいいのでしょうか?用紙が不足することも多いと思います。
そこで今回は、年末調整各種用紙の入手方法について説明します。
目次
年末調整用紙は会社からもらえる?それとも自分で用意するのか?
年末調整の各種用紙は、勤務先の会社から配布されますので、自分で用紙する必要はありません。会社から配布されるのを待ちましょう。
年末調整の用紙・書類は、税務署からいつ何が送付されますか?
年末調整の用紙は、10月下旬に税務署から会社に郵送される
会社が年末調整を行う際に必要となる各種用紙は、10月下旬頃に税務署から会社へ大きな封筒で届きます。
税務署から送付される封筒に何が入っているのか?
この税務署から届いた大きな封筒の中には、次の書類が入っています。1 | 来年分の「扶養控除等申告書」 |
2 | 今年分の「基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書兼所得金額調整控除申告書」 |
3 | 今年分の「保険料控除申告書」 |
4 | 来年分の「源泉徴収簿」 |
5 | 1月に税務署に提出する法定調書に関するもの |
6 | 1月に市町村へ提出する給与支払報告書関係書類 |
今回は年末調整の様式が変更になりますか?
今回は、令和6年の定額減税がなくなり、また、基礎控除の見直しや特定親族特別控除の新設、扶養親族等の所得要件の改正に伴う様式変更があります。年末調整のしかたや税額表は送付されますか?
令和3年まで同封されていた「年末調整のしかた」、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」及び「源泉徴収税額表」は、令和4年より送付されなくなっています。必要な場合は、次よりダウンロードしてください。
・令和7年分年末調整のしかた
・令和7年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引
・令和8年分源泉徴収税額表
年末調整で必要となる用紙・様式・書類には何があるのか?
年末調整では、次の用紙・様式を使用します。(出典:国税庁)番号 | 年末調整関係用紙・様式・書類 | 年分 |
1 | 扶養控除等申告書![]() |
令和7年分、 令和8年分 |
2 | 給与所得者の保険料控除申告書![]() |
令和7年分 |
3 | 基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書![]() |
令和7年分 |
4 | 給与所得・退職所得に対する源泉徴収簿![]() |
令和7年分 |
5 | 給与所得の源泉徴収票![]() |
令和7年分 |
今年分の扶養控除等申告書、源泉徴収簿は入っていないのか?
上記の年末調整関係用紙・様式・書類のうち、今年分の扶養控除等申告書、今年分の源泉徴収簿の用紙は、今回税務署から送付されてくる封筒には入っていません。1年前の封筒に入っていたものだからです。したがって、これらの用紙・様式が不足した場合には、不足分の用紙・様式を入手する必要があります。
送付される年末調整の用紙・書類の枚数は不足しないのか?
令和3年から年末調整の用紙は、各1枚しか送付されなくなりました。したがって、ほとんどの会社は、この税務署から送付されてくる用紙では不足します。
年末調整関係用紙・書類の入手先、入手方法は?
送付された用紙をコピーする
一番簡単なのは、言うまでもなく、税務署から送付されてきた用紙をコピーする、ですね。裏面が記載についての説明になっていますので、両面コピーするといいでしょう。

税務署へ行って年末調製の用紙・書類を入手する
不足する年末調整関係書類を入手する次の方法は、税務署へ取りに行く、です。11月はじめ頃から、税務署の窓口には、年末調整関係用紙が並べてあります。税務署へ行って、不足分の用紙をもらってきましょう。
所轄の税務署でなくても構いません。都道府県が違っても構いません。日本中の税務署なら、年末調整関係用紙を入手することができます。
仕事のついでに税務署に寄ればいいでしょう。
→税務署の所在地などを知りたい方(国税庁)
ただし、各税務署の保有する用紙の枚数が少なくなっているようです。あまり多くの枚数はもらえない可能性があります。

給与計算ソフトから年末調整用紙・書類を印刷する
給与計算ソフトの中には、年末調整関係用紙・書類を印刷することができるものもあります。記入欄が未記入の状態で印刷できる機能があれば、それを使用しても問題ありません。
あらかじめ氏名や生年月日、住所などを記載した用紙を給与システムから印刷して、社員へ配布するところも多いようです。
最近では、大企業を中心に年末調整用紙については紙を使用せず、電子データを使用するところも増えてきています。
国税庁の「年末調整ソフト」を利用する
国税庁では、年末調整手続の電子化を促進するために、「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア」(年末調整ソフト)を公開しています。このソフトは、電子データで提出せずに、入力結果を紙に印刷することもできますので、用紙を配布せずにこのソフトを利用する方法もあります。
このソフトを利用すると、用紙の作成を対話型でできるため、紙で提出してもらうより、訂正等が少なくなるメリットもあります。
→>年末調整ソフトの紹介(国税庁)
→年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(国税庁)

国税庁ホームページから年末調整用紙・書類をダウンロードする(おすすめ)
国税庁では、ホームページで年末調整用紙類がダウンロードできるようになっています。ダウンロードしたものを印刷して社員さんに配布すればいいですね。

この国税庁ホームページからダウンロードする方法が一番確実で時間もかからないおすすめの方法です。
この後で、用紙別のダウンロード先を案内しますね。
用紙サイズはA4でいい?
年末調整の用紙は、すべてA4サイズになっています。国税庁からダウンロードする様式もそのまま印刷するとA4サイズになっています。外国語版の年末調整用紙はありますか?
国税庁公式サイトでは、英語・中国語・ポルトガル語・スペイン語・ベトナム語・フィリピノ語の用紙もちゃんと用意されており、ダウンロードできます。ダウンロードのリンクは、次で提供します。
【参考】外国人の方向けに、日本語版のリーフレットを仮訳したものも用意されています。
→ 非居住者である親族について扶養控除等の適用を受ける方へ(給与所得者用リーフレット)(国税庁)
年末調整用紙の書き方がわからないときの対処法は?
国税庁の公式サイトでは、各様式の記載例もダウンロードできます。以下で各様式の記載例のリンクも提供いたします。
年末調整用紙・様式・書類はどこでダウンロードできますか?
国税庁の公式サイトでは、年末調整用紙類をはじめとした各種用紙・様式がダウンロードできるようになっています。「年末調整がよくわかるページ」に用紙を含めた年末調整に関する情報がまとめられ、わかりやすくなりました。
→年末調整がよくわかるページ(令和7年分)(国税庁)
ここでは年末調整で使う様式・書類のダウンロードをもっと簡単にできるように、用紙・記載例のダウンロードリンクを提供いたします。(主にPDF形式)
扶養控除等申告書のダウンロード
※「(入力用)」とは、様式のPDFファイルに直接入力できるようになっているものです。・令和7年分扶養控除等申告書
・令和7年分扶養控除等申告書(入力用)
・令和8年分扶養控除等申告書
・令和8年分扶養控除等申告書(入力用)
・【簡易様式】令和7年分扶養控除等申告書
・【簡易様式】令和8年分扶養控除等申告書(入力用)
・《記載例》令和7年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
・《記載例》令和8年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
・《記載例》【簡易様式】令和7年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
・《記載例》【簡易様式】令和8年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
【注意】
令和7年度税制改正により、令和7年12月1日から、扶養控除等の対象となる扶養親族等の所得要件及び給与所得控除額が改正されました。
これらの改正により、新たに扶養控除等の対象となる扶養親族等を有することとなった場合には、その旨を記載した「令和7年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を、給与の支払者に提出すること
になりますので、注意が必要です。
また、令和7年度税制改正により、特定親族特別控除が創設されたました。これにより、令和8年分以後の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の記載事項が変更されました。
具体的には、令和7年分までの「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には、「控除対象扶養親族」を記載することになっていましたが、令和8年分以後の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には、「源泉控除対象親族」(控除対象扶養親族又は特定親族のうち合計所得金額が 100 万円以下の人のいずれかに該当する人)を記載することとされましたので、記載誤りのないよう注意しましょう。
・令和7年、令和8年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書について

(引用:国税庁。クリックすると拡大表示できます)
保険料控除申告書のダウンロード
・令和7年分給与所得者の保険料控除申告書・令和7年分給与所得者の保険料控除申告書(入力用)
・《記載例》令和7年分給与所得者の保険料控除申告書
基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書のダウンロード
・令和7年分基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書・令和7年分基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書(入力用)
・《記載例》令和7年分基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書
源泉徴収簿のダウンロード
・令和7年分源泉徴収簿・令和7年分源泉徴収簿(入力用)
・令和8年分源泉徴収簿
・令和8年分源泉徴収簿(入力用)
住宅借入金等特別控除申告書記載例のダウンロード
・《記載例》給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書兼(特定増改築等)住宅借入金等特別控除計算明細書の記載例外国語版用紙のダウンロード
英語、中国語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語、フィリピノ語の各種申告書用紙も準備されています。・外国語版各種申告書(扶養控除等申告書など)へ
給与所得の源泉徴収票のダウンロード
・給与所得の源泉徴収票年末調整のしかたのダウンロード
・令和7年分年末調整のしかたへ年末調整計算シートのダウンロード
年末調整の税額計算等を簡単に行うことができる「年末調整計算シート」(Excel)もダウンロードできます。・年末調整計算シートへ
源泉徴収義務者の方向けリーフレットのダウンロード
源泉徴収義務者の方向けに年末調整に関する各種情報を掲載した「リーフレットが用意されています。・源泉徴収義務者の方向けリーフレット
年末調整の用紙の提出先はどこ?提出期限はいつ?
従業員の提出先、提出期限
従業員に配布された年末調整用紙の提出先は勤務先で、提出期限は、勤務先ごとに異なります。11月中旬から下旬が提出期限の会社が多いですが、12月はじめまで待ってくれる会社もあります。会社の指示に従ってください。
会社の提出先、提出期限
従業員から提出されたり、会社で作成した年末調整各種用紙のほとんどは、税務署等には提出しません。会社で保存します。税務調査の際に確認されることがあります。
ただし、源泉徴収票(市では「給与支払報告書」といいます)については、会社から役所へ提出することになっています。
税務署へは、一定の条件を満たした人の源泉徴収票を翌年1月31日までに提出します。
→ 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等(国税庁)
市へは、原則全員分の給与支払報告書を翌年1月31日までに提出します。
→ 「給与支払報告書」について(名古屋市)
まとめ
今回は、年末調整で使用する用紙・様式・書類の入手方法の説明と、様式ダウンロードリンクを提供しました。年末調整の早期完了のポイントは、これらの用紙を早期配布、早期回収です。
この記事から不足用紙を早期に入手して、年末調整処理の早期完了をめざしてください。
【投稿者:税理士 米津晋次】