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配偶者控除等申告書の記入の方法、しかた、記載例(平成30年分、2018年分)

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年末調整の季節がやってきました。

勤務先から年末調整関係用紙が配布されているかもしれません。

用紙を見てびっくりしませんでしたか?

そうなんです。「配偶者控除等申告書」という新しい様式の用紙が入っているのです。

そこで今回は、「配偶者控除等申告書」の記載の方法について説明いたします。

配偶者控除等申告書

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「配偶者控除等申告書」記載方法|用紙を提出する人

配偶者控除等申告書の用紙を提出しなければならないのは、配偶者控除か配偶者特別控除を受ける人です。

したがって、次のいずれかに該当する人はこの配偶者控除等申告書を勤務先へ提出する必要はありません。

・配偶者がいない

・自分の所得金額が1000万円(給与収入1220万円)を超える

・配偶者の所得金額が123万円(給与収入が201.5999万円)を超える

「配偶者控除等申告書」記載方法|用紙全体の構成と記入順序

配偶者控除等申告書用紙全体の構成

はじめての様式で見慣れないと思いますので、各欄を見ていきましょう。

配偶者控除等申告書の構成

◆あなたの氏名・あなたの住所又は居所

用紙の右上の水色のところは、自分の氏名と住所を記入する欄です。

当然、扶養控除等申告書と同じ内容になります。

◆あなたの本年中の合計所得金額の見積額

明細の最初(青)は、自分の本年中の合計所得金額と区分を記入する欄です。

◆配偶者

その次の赤は、自分の配偶者の氏名・個人番号・生年月日を記入する欄です。

配偶者が非居住者である場合の記入欄もあります。

◆合計所得金額の見積額の計算表

用紙中央は、左側に自分の所得金額の見積額を計算する表(青)が、右側に配偶者の所得金額の見積額を計算する表(赤)になっています。

◆控除額の計算

一番下の緑には、配偶者控除額と配偶者特別控除額を計算する欄になっています。

配偶者控除等申告書用紙への記入順序

多くの記入欄がありますが、効率よく記入を完了するには順序があります。

上から順番に記入しようとしてもうまくいきません。

次の順序で記入をしていきましょう。

◆あなたの所得金額見積額の計算と区分の判定

まずは、自分の所得金額の見積額計算と区分の判定から行います。

そのためには、中央の「合計所得金額の見積額の計算表」の左側の「あなたの所得金額(見積額)」を記入します。

次に、その結果を用紙上部の「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」に転記します。

そして用紙右側へ進み、区分A~Cのいずれに該当するかを判定し、「区分1」に記入します。

◆配偶者の所得金額見積額の計算と区分の判定

次は、配偶者の所得金額の見積額計算と区分の判定を行います。

中央の「合計所得金額の見積額の計算表」の右側「配偶者の所得金額(見積額)」を記入します。

次に、その上の「配偶者」欄へ進み、左側の氏名、個人番号、生年月日を記入します。

そして用紙を右に進み、下で計算した配偶者の合計所得金額の見積額を「配偶者の本年中の合計所得金額の見積額」に転記します。

さらに、その下の4つの区分(1)~(4)のいずれに該当するかを判定し、該当する区分の番号を「区分2」に記入します。

◆配偶者控除額と配偶者特別控除額の計算

最後に、配偶者控除額と配偶者特別控除額を計算します。

用紙下部の控除額の計算表に、区分1と区分2の組み合わせから、配偶者控除額または配偶者特別控除額を算出し、どちらかの控除額欄に記入します。

「配偶者控除等申告書」記載方法|本人欄の記入

あなたの氏名

自分の氏名とフリガナを記入して押印します。

フリガナをよく忘れずに記入しましょう。

印鑑は、シャチハタ以外のものを使用します。

あなたの住所又は居所

自分の住所を記入します。

扶養控除等申告書と同じ住所になりますね。

「配偶者控除等申告書」記載方法|合計所得金額の見積額の計算表欄の記入

左側で自分の所得金額見積額を、右側で配偶者の所得金額見積額を計算します。

各所得金額の計算

所得の種類ごとに、それぞれの所得金額を計算します。

◆給与所得金額

「収入金額」を記入します。記入するのは、今年の給与明細を参考に1月から12月までの収入を予想します。

月々の給与だけでなく、賞与も含めます。

非課税通勤費などの非課税額を含めないように注意しましょう。

次に、所得金額を計算します。

給与所得金額は、配偶者控除等申告書用紙裏面から求めます。

「3 所得の区分」の「(1)給与所得」の表を使います。

表左側「給与などの収入金額(A)」の該当の行を探します。

そして、その該当行の右側「給与所得の金額(C)」欄で給与所得金額を計算します。

たとえば、給与収入が400万円の場合、下から3つめの「3,600,000円以上6,599,999円以下」の行になりますので、

先に

 (1)400万円÷4(千円未満切捨て)=100万円(B)

となります。

給与所得金額は、

 (2)100万円(B)×3.2-540,000円=2,660,000円

となります。

◆事業所得金額

副業の範囲を超えて、商売を継続的に行っている所得は、「事業所得」となります。

事業所得金額は、「収入金額」-「必要経費等」で計算します。

◆雑所得金額

年金による所得や副業による所得などが「雑所得」です。

雑所得金額は、公的年金のものとそれ以外に分けて計算します。

両方ある場合には、雑所得の枠内を2行に分けて記入するといいでしょう。

(1)公的年金の所得金額

公的年金の所得金額は、まず「収入金額」を予想し、用紙裏面から「公的年金等控除額」を計算し、「必要経費等」に記入します。

その差額が公的年金の所得金額となります。

計算対象の人の年齢によって、65歳以上と65歳未満の2つの表に分かれていますから、該当する方の表を使います。

表中央「その年中の公的年金等の収入金額(A)」の該当の行を探します。

そして、その該当行の右側「控除額」欄で公的年金等控除額を計算します。

たとえば、63歳で公的年金等の収入金額が200万円の場合には、次のようになります。

65歳未満の人の表の「その年中の公的年金等の収入金額(A)」のうち、上から2番めの「130万円超410万円以下」の行に該当します。

その場合の公的年金等控除額は、

200万円×25%+37.5万円円=87.5万円

となります。

(2)公的年金以外の所得金額

公的年金以外の原稿料や印税、講演料や貸付金利子、副業の所得金額は、「収入金額」から「必要経費等」を引いて計算します。

◆配当所得金額

株式の配当や証券投資信託の分配金による所得が「配当所得」です。

多くの場合、必要経費はありませんので、「収入金額」が「配当所得金額」になります。

借金をして投資している場合が例外で、その借入金利子が「必要経費等」に該当します。

◆不動産所得金額

不動産の賃貸収入による所得が「不動産所得」です。

家賃収入等の「収入金額」から管理費や固定資産税などの「必要経費等」を引いて計算できます。

◆退職所得金額

退職金による所得が「退職所得」です。

退職所得の金額は、「収入金額」から「退職所得控除額」を引いて、まだ残ればその残額の2分の1が所得金額になります。

退職所得控除額は、用紙裏面右下「(6)退職所得」にある表を使って計算します。

勤続年数20年までの場合の計算と、勤続年数が20年を超える場合の計算方法が掲載されていますので、それに従って計算します。

たとえば、勤続年数25年の場合の退職所得控除額は、

 800万円+70万円×(25年-20年)=1,150万円

となります。

◆それ以外の所得金額

それ以外の所得には、次のようなものがあります。

(1)譲渡所得:不動産や書画、骨董などを売却した所得

(2)山林所得:所有期間5年超の山林の伐採や売却による所得

(3)一時所得:生命保険の満期金や、賞金などによる所得

など

なお、株式売却による所得については、NISA口座や特定口座による取引であれば、通常はそれ以外の所得には含みません。

合計額の計算

所得の種類別の所得金額の記入が完了したら、それらを合計します。これが合計所得金額となります。

「配偶者控除等申告書」記載方法|配偶者控除の額と配偶者特別控除の額欄の記入

配偶者控除の額計算

配偶者の区分2が(1)(2)の場合が該当します。

区分1と区分2の交わる枠の金額が配偶者控除額になります。

たとえば、

区分1が(B)で、区分2が(2)の場合は、260,000円が配偶者控除額になります。

配偶者特別控除額の計算

配偶者の区分2が(3)(4)の場合が該当します。

こちらも配偶者控除の場合と同様に、区分1と区分2の交わる枠の金額が配偶者控除額になります。

なお、区分2が(4)の場合は、所得金額によって8つに別れます。

たとえば、

区分1が(B)で、区分2が(4)、配偶者の所得金額が100万円の場合、180,000円となります。

まとめ

今回は、配偶者控除等申告書の記載方法について説明いたしました。

複雑でいやになってしまいますね。

がんばって記入してください。

特に、配偶者の所得金額については、忘れずに記入しましょう。

【扶養控除申告書の書き方へ】

扶養控除申告書の書き方|独身・パート・アルバイトの場合

扶養控除申告書の書き方|妻(配偶者)あり、子・親扶養なしの場合

扶養控除申告書の書き方|子あり、15歳未満、高校大学生の場合など

扶養控除申告書の書き方|親の扶養の判定、64歳以下や65歳以上の場合

【投稿者:税理士 米津晋次

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