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保険料控除申告書の書き方|社会保険料控除欄|国民年金や国保、介護保険、農業者年金等 (令和6年、2024年)

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社会保険料控除

 勤務先で社会保険に加入していない場合には、年末調整時に記入する保険料控除申告書に忘れずに記載しないと、税金を安くできません。
 しかし、保険料控除申告書の書き方や証明書の有無など複雑でわかりにくいですね。

 そこで今回は、保険料控除申告書の各欄のうち、社会保険料控除欄の書き方などを説明します。
 なお、平成29年分までは、配偶者特別控除欄と同一用紙でしたが、平成30年分からは、保険料控除単独の申告書になっています。
 また、令和6年分からは、「保険金等の受取人」欄の「あなたとの続柄」欄がなくなりました。

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目次

保険料控除申告書の書き方|社会保険料控除の対象になるもの

 保険料控除申告書の社会保険料控除欄は、用紙の次の位置にあります。
令和6年分保険料控除申告書(社会保険料控除)


(出典:国税庁。クリックすると、拡大できます。)

社会保険料控除欄に記入できるものの代表例

 この社会保険料控除欄に記載できるものの代表例には、次のものがあります。
 ・国民健康保険
 ・後期高齢者医療保険
 ・介護保険
 ・国民年金
 ・国民年金基金
 ・農業者年金
 ・労働保険(一人親方)

 勤務先の給与から引かれた健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料については、この欄に記載する必要はありません。

 iDeCoなどの確定拠出年金の掛け金についても、全額が所得控除の対象になりますが、「社会保険料控除」欄ではなく、その下の「小規模企業共済等掛金控除」欄に記入します。
 → 保険料控除申告書(小規模企業共済等掛金控除欄)の書き方

家族の分も記入できる?

 社会保険料控除欄には、あなた自身の保険料だけでなく、ご家族の分まで支払った場合には、その家族分の保険料も記入できます。
 大学生のお子さんが20歳になり、国民年金を学生納付特例制度を使わずに親が払っているケースが多いですね。忘れずこの欄に記入しましょう。

 ただし、収入のある家族分について、その家族名義の通帳から引落しになっている場合には、いくら現金で渡したといっても、社会保険料控除は認められませんのでご注意ください。

昨年分の支払も記入していい?

 いろいろな事情で、過去年分の保険料を支払えず、今年になって支払ったという方もみえると思います。
 そんなときは、今年支払った過去年分の保険料も社会保険料控除欄に記入することができます。

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保険料控除申告書の書き方|国民年金・国民年金基金

国民年金

 国民年金を今年に支払った場合には、1月から12月までに支払った金額について社会保険料控除が受けられます。

 「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」が届いていると思いますので、まず証明書をお手元に用意します。

国民年金証明書

◆社会保険の種類

 国民年金については、社会保険の種類欄には、「国民年金」と記入します。

◆保険料支払先の名称

 国民年金については、「日本年金機構」と記入するのが本来です。
 ただ、記入を省略しても問題ありません。国民年金の支払先は日本年金機構に決まっていますから。

◆保険料を負担することになっている人

 国民年金について、誰の分を支払ったかを記入します。
 自分の分なら、自分の氏名を、ご家族分を支払ったのなら、そのご家族のお名前を記入してください。

◆あなたが本年中に支払った保険料の金額

 国民年金については、通常は証明書に記載してある「(3)合計額」を記入します。
 「(1)納付済」を記入するのではありません。納付済は、証明書発行日までに納付した金額しか集計に入っていないからです。

 もし、見込み額以上の保険料を納付された(する予定)の場合には、その分も含めて記入してください。

◆国民年金保険料控除証明書の提出が条件

 なお、国民年金については、11月上旬に送付されてきた「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」を申告書の裏面に貼って提出してください。
 見込み額以上納付した場合には、「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」と証明日以降に納付した際の領収書を貼付する必要があります。

 もし、「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」を紛失した場合には、早急に再発行の手続きをとってください。
 →控除証明書をなくしてしまったのですが再発行できますか(日本年金機構)

 年金事務所でも再発行の受付をしています。
 →年金事務所等の検索(日本年金機構)

国民年金基金

 国民年金の上乗せである国民年金基金を支払った場合も、今年支払った金額が社会保険料控除の対象になります。

 国民年金基金より毎年11月に「社会保険料控除証明書(申告用)」が封筒で届きますので、まず証明書をお手元に用意します。

 「社会保険料控除証明書(申告用)」は、「掛金納付結果通知書」の下についていると思いますので、切り取り線で切ってください。
国民年金基金控除証明書

◆社会保険の種類

 国民年金基金については、社会保険の種類欄には、「国民年金基金」と記入します。

◆保険料支払先の名称

 国民年金基金については、「○○国民年金基金」と記入するのが本来です。ただ、記入を省略しても問題ありません。

◆保険料を負担することになっている人

 国民年金基金について、誰の分を支払ったかを記入します。

 自分の分なら、自分の氏名を、ご家族分を支払ったのならそのご家族のお名前を記入してください。

◆あなたが本年中に支払った保険料の金額

 国民年金基金については、通常は証明書に記載してある「合計額」を記入します。

 もし、「12月までに払い込まれる予定の金額」以上の保険料を納付された(する予定)の場合には、その分も含めて記入してください。

◆控除証明書の提出が条件

 なお、国民年金基金については、送付されてきた「社会保険料控除証明書(申告用)」を申告書の裏面に貼って提出してください。
 見込み額以上納付した場合には、「社会保険料控除証明書(申告用)」と証明日以降に納付した際の領収書を貼付する必要があります。

 もし、「社会保険料控除証明書(申告用)」を紛失した場合には、早急に再発行の手続きをとってください。

 「社会保険料控除証明書再交付申請書」の様式は、次の国民年金基金連合会のサイトよりダウンロードするか、ご加入の国民年金基金の窓口へとりにいってください。
各種届出等

(国民年金基金)
 提出先は、ご加入されている国民年金基金です。

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保険料控除申告書の書き方|国民健康保険・後期高齢者医療保険など

国民健康保険(国保)

 国民健康保険(国保)年金を今年支払った場合には、1月から12月までに支払った金額が社会保険料控除の対象となります。

◆社会保険の種類

 国民健康保険については、社会保険の種類欄には、「国民健康保険」「国保」と記入します。

◆保険料支払先の名称

 国民健康保険については、お住いの市区町村名を記入すればよいでしょう。省略しても問題ありません。

◆保険料を負担することになっている人

 国民健康保険について、誰の分を支払ったかを記入します。

 自分の分なら、自分の氏名欄を、ご家族分を支払ったのならそのご家族のお名前を記入してください。

◆あなたが本年中に支払った保険料の金額

 市町村によっては、年間支払額の通知を送付してくれるところもあります。
 ただ、送付は年明けになると思いますので、年末調整には間に合いません。

 そこで、口座振替で保険料を支払っている場合には、預金通帳から今年の支払額を各月拾って合計してもよいでしょう。
 現金で支払った人は、領収書を1年分合計してください。

 通常保険料は、4月と7月、8月の3回変わるところが多いので、1月の保険料を単純に12倍すると間違ってしまいます。
 よく保険料通知書から転記される方がいますが、保険料通知書に記載されているのは、4月から翌年3月分です。

 年払いすればそれでいいですが、月払いの場合はその通知書の4月から12月と、前年の通知書の1月から3月を拾って集計をしなければなりません。

 支払額がわからない場合は、お住いの市区町村役場の窓口へ身分証明書を持っていきましょう。
 個人情報保護の関係で、電話ではなかなか教えてくれません。

 なお、国民健康保険については、証明書類の提出は不要です。

後期高齢者医療保険・介護保険

 後期高齢者医療保険や介護保険の保険料についても、今年支払った金額の全額が社会保険料控除の対象になります。

◆社会保険の種類

 後期高齢者医療保険については、社会保険の種類欄には、「後期高齢者」と記入します。

 介護保険については、社会保険の種類欄には、「介護」と記入します。

◆保険料支払先の名称

 後期高齢者医療保険も介護保険についても、お住いの市区町村名を記入すればよいでしょう。記入を省略しても問題ありません。

◆保険料を負担することになっている人

 後期高齢者医療保険や介護保険について、誰の分を支払ったかを記入します。

 自分の分なら、自分の氏名を、ご家族分を支払ったのなら、氏名欄にそのご家族のお名前を記入してください。

◆あなたが本年中に支払った保険料の金額

 市町村からは、年間支払額の通知を送付してくれると思います。
 ただ、送付は年明けになると思いますので、年末調整には間に合いません。

 そこで、口座振替で保険料を支払っている場合には、預金通帳から今年の支払額を各月拾って合計してください。
 現金で支払った人は、領収書を1年分合計してください。

 年金から保険料が引かれている方もみえるでしょう。
 その場合には、保険料通知書などで引かれた保険料がわかると思いますので、保険料が変わるごとに引かれた保険料を確認して、1月から12月分を集計します。

 わからない場合は、お住いの市区町村役場の窓口へ行って、教えてもらいましょう。
 身分証明書を持っていきましょう。
 これも個人情報の関係で、電話ではなかなか教えてもらえません。

 なお、後期高齢者医療保険や介護保険については、証明書類の提出は不要です。

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保険料控除申告書の書き方|農業者年金など

農業者年金

 農業を兼業でされている場合には、農業者年金に加入している方もいると思います。
 農業者年金についても、今年支払った掛け金の合計額が社会保険料控除の対象となります。

◆社会保険の種類

 農業者年金については、社会保険の種類欄には、「農業者年金」と記入します。

◆保険料支払先の名称

 農業者年金については、保険料支払先の名称には、「JA」「農協」と記入すればよいでしょう。省略しても問題ありません。

◆保険料を負担することになっている人

 農業者年金について、誰の分を支払ったかを記入します。

 自分の分なら、自分の氏名を、ご家族分を支払ったのならそのご家族のお名前を記入してください。

◆あなたが本年中に支払った保険料の金額

 農業者年金についても控除証明書が届きますが、年明けになりますので年末調整には間に合いません。
 その年に納付した農業者年金の保険料額は、保険料引落口座の通帳から拾って集計してください。

 わからなければ、JAの窓口へ行って教えてもらいましょう。身分証明と印鑑をお持ちください。
 なお、農業者年金については、証明書の添付はもちろん不要です。

労働保険料

 給与所得者ではまずいないと思いますが、一人親方の場合の労働保険料も社会保険料控除の対象になります。

 労働保険料について、社会保険料控除を受ける場合には、証明書は不要です。発行されません。
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QRコードも使えます

 用紙右上のQRコードは、国税庁HPの「各種申告書・記載例(扶養控除等申告書など)」のページにリンクしています。
 ここでは、用紙の様式をダウンロードしたり、記載例を見ることができます。

動画による説明(国税庁)

 国税庁が動画による「保険料控除申告書の記載のしかた」を公開しています。
 こちらも参考にしてください。


まとめ

 今回は、保険料控除申告書の社会保険料控除欄の書き方などを説明しました。
 社会保険料控除は、支払った保険料の全額分を所得から引いてもらえますので、記入もれがないようにしっかり記入して提出してくださいね。


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【投稿者:税理士 米津晋次

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