確定申告で面倒なところは、必要書類をすべて揃えることですね。
税務署も役所ですから、ひとつでも書類が不足していると、保留になってしまいます。
とはいっても、確定申告でどのような書類が必要なのかは、わかりにくいです。
そこで今回は、確定申告で必要となる書類について説明いたします。
目次
確定申告の必要書類|マイナンバー
平成28年分の確定申告から、個人番号(マイナンバー)が必要になりました。
申告書に記載が必要なマイナンバー
申告書には、自分のマイナンバーだけでなく、扶養になっている家族のものや、専従者給与をしはらっている親族のものも必要になります。
ただし、通知カードや個人番号カードのコピーの提出義務はありません。
申告書提出時に必要なマイナンバー
所得税の確定申告書を税務署へ提出する際には、受付でマイナンバーの確認がされます。
次のいずれかの組み合わせのいずれかが必要です。
(1)マイナンバーカード(個人番号カード)のみ
(2)マイナンバー通知カードと身分証明書(運転免許証やパスポートなど)
(3)マイナンバー(個人番号)が記載された住民票と身分証明書(運転免許証やパスポートなど)
出典:国税庁
確定申告の必要書類|申告書用紙など指定用紙
まずは、税務署が指定している様式について説明します。
用紙は、税務署で入手できます。
税務署にわざわざ行かなくても、インターネット「国税庁ホームページ」からもダウンロードすることができます。
確定申告時期に臨時で設けられる確定申告会場でももちろん入手することができます。
ただ、最近は確定申告会場では、用紙に記入せず、電子申告で申告をすることが多いようです。
申告書用紙
所得税の確定申告書には2種類あります。
主に給与所得者や公的年金受給者向けの簡易的な「A様式」と、すべての申告に対応できる「B様式」です。
出典:国税庁
申告書付表
申告書の計算を補う用紙として、申告書付表という指定様式もあります。
該当する申告書付表がある場合には、申告書と一緒に提出しなければなりません。
主な申告書付表には、次のものがあります。
・所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)
・所得税及び復興特別所得税の申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)
・死亡した者の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(兼相続人の代表者指定届出書)
青色決算書・収支内訳書
個人事業主や不動産賃貸をしている場合には、簡易簿記で帳簿をつけた白色申告と複式簿記で作成した帳簿をつけた青色申告があります。
取引相手に発送した請求書など、収入を証明する資料や、相手から送付された請求書・領収書など、取引金額や内容を証明する書類が必要です。(提出義務はありません。)
これらの書類から計算された数字を、青色申告者であれば、指定様式である「青色申告決算書」を、白色申告者であれば「収支内訳書」に金額などを記載して申告書と一緒に提出しなければなりません。
「青色申告決算書」には、一般用、不動産所得用、農業所得用と現金主義用の4種類の様式があります。
「収支内訳書」には、一般用、不動産所得用、農業所得用の3種類の様式があります。
各種計算書・計算明細書
確定申告書の各項目や決算書には金額しか記載がありませんので、どのように計算してその金額になったかがわかる各種計算書・計算明細書も申告書と一緒に提出が必要です。
主な計算書・計算明細書には、次のものがあります。
・所得の内訳書
・譲渡所得の内訳書
・株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
・居住用財産の譲渡損失の金額の明細書
・相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書
・変動所得・臨時所得の平均課税の計算書
・青色申告決算書(一般用)付表≪医師及び歯科医師用≫
・損益の通算の計算書
・医療費の明細書
・(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
確定申告の必要書類|所得などがわかる書類
所得税の確定申告では、所得がわかる書類が必要なことも多いです。
給与所得者(サラリーマンやパート、アルバイト)
サラリーマンやパート、アルバイトといった給与所得者は、勤務先の会社から年末調整の際に発行された「給与所得の源泉徴収票」を申告書と一緒に提出しなければなりません。
また、次のような場合には、その年中に勤務したすべての勤務先が発行した「給与所得の源泉徴収票」が必要になります。
・年の途中で退職して就職しなかった場合
・勤務先で年末調整を受けなかった場合
・勤務先で年末調整を受けても、同時に別の会社でも働いていた場合
年金受給者
国民年金や厚生年金といった公的年金を受給している人は、「公的年金の源泉徴収票」を提出しなくてはなりません。
民間の生命保険会社の個人年金を受給している人は、申告書を作成するためには、生命保険会社から送付された確定申告用の書類も必要になりますが、提出義務はありません。保存しておきましょう。
生命保険の満期金を受け取った人
生命保険の満期金や解約返戻金を受け取った人は、生命保険会社から届いた確定申告用の書類が必要になります。
この書類も、申告書を作成するには必要ですが、提出義務はありませんので、保存しておいてください。
不動産の売却をした人
家屋や土地を売却した人は、売買契約書や領収書が必要です。
通常は、これらの書類の提出義務はありません。
不動産譲渡所得の特例を受ける場合には、一定の書類も必要になります。
おもな特例を受ける場合の必要書類は、次のとおりです。
居住用3,000万円控除の特例を受ける場合
・住民票(除票)
居住用財産を売却した場合の軽減税率の特例を受ける場合
・住民票(除票)
・登記事項証明書
相続財産に係る譲渡所得の特例を受ける場合
・相続税申告書のコピー
株式等の売却をした人
株式や投資信託などを売却した人は、それがわかる書類が必要です。
特定口座を開設している人は、口座のある各金融機関から届く「特定口座年間取引報告書」を提出する必要があります。
特定口座を開設していない人は、株式等の売買書類が申告書の作成には必要ですが、提出義務はありませんので、保存しておきましょう。
確定申告の必要書類|各種所得控除で必要書類
医療費控除の必要書類
支払った医療費について、医療費控除を受ける場合には、医療費の領収書を申告書と一緒に提出しなければなりません。
上記で説明した「医療費の明細書」も作成して提出します。
社会保険料控除の必要書類
支払った国民年金について社会保険料控除を受けるには、国民年金の「社会保険料控除証明書」の提出が必要です。
小規模企業共済等掛金控除の必要書類
支払った小規模企業共済掛金について、小規模企業共済等掛金控除を受ける場合は、「小規模企業共済掛金払込証明書」の提出が必要です。
また、支払った確定拠出金(個人型)について、小規模企業共済等掛金控除を受ける場合は、「小規模企業共済等掛金払込証明書」の提出が必要です。
生命保険料控除の必要書類
支払った生命保険料について、生命保険料控除を受ける場合には、各生命保険会社から10月から11月に送付されてくる「生命保険料控除証明書」を申告書に添付しなければなりません。
地震保険料控除の必要書類
支払った地震保険料や長期損害保険料について、地震保険料控除を受ける場合には、各損害保険会社から10月から11月に送付されてくる「地震保険料控除証明書」を申告書に添付しなければなりません。
「地震保険料控除証明書」が郵送されてこない場合には、保険証券を確認してください。保険証券の右端や下端についていることもあります。
雑損控除の必要書類
災害等で受けた被害について、雑損控除を受ける場合には、災害等に関連して支払った領収書類を申告書に添付するか提示することが必要です。
障害者控除の必要書類
障害者控除を受ける場合には、障害者であることを証明する身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳などが必要です。(申告書に添付する必要はありません)
確定申告の必要書類|住宅ローン控除で必要書類
初めて住宅ローン控除を受ける場合の必要書類
いわゆる「住宅ローン控除」を初めて受ける年には、指定様式である「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」のほかに、次の書類の提出が必要です。
(1)住民票
(2)家屋・土地の登記事項証明書
(3)不動産売買契約書又は請負契約書のコピー
(4)融資を受けた金融機関が発行した「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」
住宅ローン控除を2年目以降に受ける場合に必要な書類
住宅ローン控除を2年目以降に受ける場合には、融資を受けた金融機関が発行した「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を申告書に添付することが必要です。
また、住宅ローン控除額を計算するためには、税務署から送付されてきた「給与所得等の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」も必要です。(提出義務はありません)
まとめ
今回は、確定申告で必要となる書類について説明いたしました。
今回の記事を参考に、確定申告書提出前に必要書類に不足がないように確認してください。
不足書類を取り寄せて追加提出するのは面倒ですから、1発で済ませたいものです。