パソコンを持って1人で喫茶店やカフェに入り、コーヒー頼んでパソコンで仕事をした、そんな仕事のやり方が増えてきました。
毎日のように喫茶店へパソコン持ち込んで仕事をする。暑い夏や寒い冬や、喫茶店は適温になっているから、いいですよね。
この一人喫茶や一人スタバの飲食代は経費になるのでしょうか。インターネットでは、経費になる・ならないと様々な情報が混ざり合っています。
そこで今回は、一人喫茶、一人スタバが必要経費になるかどうか説明します。
目次
一人喫茶、一人スタバが今どきの仕事のやり方
今の時代、パソコンさえあれば、どこでも仕事ができます。最近は、パソコンさえも不要で、軽いくて薄いタブレットだけでも仕事ができるようになりました。
外出先で、ちょっとした隙間時間があれば、喫茶店・カフェに入って、パソコンで仕事をする。こういう仕事のやり方を、「ノマドワーカー」というそうです。
(nomad=英語で『遊牧民』を意味する)
特に「スタバでMac」というスタイルは,おしゃれですね。
ノマドワーカーのために自由に使えるコンセントがあったり、Wi-Fiがある喫茶店も増えてきました。
夏は冷房が効いていますし、冬は暖房が効いています。いつも過ごしやすい温度にもなっていますので、仕事をするにはもってこいの場所です。
スタバやルノアールなどの喫茶店は、家族連れも少なく人気のようです。
さらに、喫茶店・カフェは、シーンとした静かな場所よりも、喫茶店のような、少しざわついた音がした方が仕事がはかどるということもあるようです。
場所が変われば,気分転換ができ,いつもと違う発想が浮かぶということもあるでしょう。
一日中一人で仕事をすると寂しくなったり,プレッシャーに耐えるのが難しかったりしますが、喫茶店・カフェなら、そんな孤独感も薄まります。
コーヒー1杯数百円を払えば、数時間は利用できます。そうすると、毎日にように喫茶店に通って仕事をする人が出てきます。
フリーランスなら、毎日数百円といっても年間なら10万円ぐらいになりますので、少しでも節税しようと、必要経費にしたくなりますね。
一人カフェが必要経費になるという人の根拠
インターネットで検索すると、このような一人喫茶の費用は問題なく必要経費になる、と説明している人がいます。・「だって、仕事をしてるんですから、1名でも全然OK。」
・「その場所を借りるためにコーヒーを一杯飲まなきゃいけない、と考えるとアリじゃないですかね。」
・自宅を事務所として、経費にしていない人は、まず1人カフェが経費として認められます。仕事をする場所がないので、当然です。
・コワーキングスペースの代金だったら、文句なく経費で落としてもいいわけですよね。でもスタバの使い方も似たようなもので、どっちもノートパソコンを持ち込んで仕事をしているわけで、使っているほうとしては同じ感覚なんですけどね。
必要経費となると主張する人の多くは、場所代として飲み物代を支払っているのだ、と解釈しているようです。
一人で仕事をしているひとの経費の考え方
個人事業で必要経費として認められるものとは、簡単に言えば、仕事に必要なものです。フリーランスの人が、仕事に関係する勉強会・セミナーやイベントに参加したという場合の参加費は、当然のことながら業務に関連するものといえるので必要経費になります。
パソコンやタブレット端末や専門書籍なども、やはり業務に関連して使用するものであるですから必要経費として認められるのです。
また、接待交際費などのように、現在は業務とは直接的には関連がないとしても、将来仕事の依頼を受けようとするために支出した費用も、正当な必要経費として認められるものと言えるでしょう。
一方、フリーランスの人が、一人で喫茶店でコーヒーを飲んだり、食事をしたり、スイーツを食べたりしたものは、仕事には直接必要ではありませんので、必要経費にはなりません。
それらは、プライベートなお金で払うべきものだからです。
一人カフェの飲み物代が場所代というのは勝手な解釈
一人喫茶・一人カフェの飲食代を、仕事をする場所代として払っているのだから仕事に関係があり、必要経費として認められると主張しているのは、確かにそんな考え方もできますが、それはあまりにも、自分の都合のいいように解釈しているだけではありませんか?いくら場所代だと主張しても、店側からすれば、当然飲食を提供した代金という訳ですし、レシートにもそのように印字されています。
また、常識的に考えても、一人喫茶の飲み物代は、場所代ではありません。
コアワーキングスペースと実質同じようではないか、と主張しても、コアワーキングスペースは、場所代として支払っていますが、一人カフェの費用は、法律的にも飲食代であって、場所代ではないのです。
そもそも、一人喫茶でコーヒーを飲んでいますよね。飲み物の提供を受けている訳です。
それを、喫茶で仕事をしているのだから必要経費だというのは、都合のいい解釈なのです。
サラリーマンが一人で喫茶店に入って、書類のまとめしたり、訪問前の資料の整理をしたとします。
その喫茶代を会社に経費として請求して認められますか?
経費として認める会社はまずないでしょう。
もし、一人喫茶・一人カフェが必要経費として認められるのであれば、飲み物を飲むのも、食事を取るのも、すべて一人で喫茶店・カフェでとれば、すべて必要経費になってしまうなんておかしいですね。
また、場所代として必要経費にしているのであれば、自宅の家賃や固定資産税等の一部を必要経費に計上しているのはおかしくなってしまいます。
このように、一人喫茶・一人カフェ・一人スタバ費用は必要経費にならない、というのが正しいと言えるでしょう。
一人カフェが必要経費にならないと指摘を受けていない
今まで確定申告で、一人喫茶・一人カフェ代を必要経費に含めて申告してきたけど、一度も税務署からの指摘を受けていない、という人もいるでしょう。それは、税務調査を受けていないために、指摘を受けていないだけということでしょう。
税務調査をしなければ、決算書・申告書だけでは、税務署は一人喫茶代が必要経費に計上されているかどうかはわからないのです。
なかには、「税務調査を受けても指摘されなかった」という人もいるかもしれません。
それも、一人喫茶・一人カフェ代が必要経費として計上している回数・金額がそれほど多くなく、重要性の観点からスルーされただけなのです。
毎日のように一人喫茶・一人カフェ代を必要経費として計上していれば、さすがに税務署員から指摘を受けるでしょう。
しかし、月数回しか計上しておらず、年間にしても1万円程度であれば、税務調査でわざわざ指摘することはまずないでしょう。
税務署側の判断としては、一人喫茶・一人カフェ代は、必要経費とはならないということになりますが、結果的にスルーされて必要経費になっているフリーランスもいる、というのが実態です。
一人カフェが必要経費に認められる例外
ただし、次のように、通常仕事をしている場所を使いない場合なら、一人カフェの飲み物代は、必要経費として認められるでしょう。・負担仕事をしている自宅の仕事スペースや事務所が工事などで使用できない場合
・子供の受験勉強などで自宅の仕事スペースが使えない場合
など
このような事情があったとしても、食事代は必要経費としては認められないでしょう。飲み物代のみです。
まとめ
フリーランスが支払った一人喫茶・一人カフェ・一人スタバ代が必要経費になるのかどうかについて説明してきました。一人喫茶・一人カフェ・一人スタバ代は必要経費にならない、が正しいことを理解してください。
そのうえで、確定申告では必要経費に計上する・しないは、自己責任でやってください。
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