税金の知恵袋

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扶養から外れる手続き・タイミングは?いつ?外れると損?|税金・社会保険・扶養手当(家族手当)

扶養から外れる手続き・タイミングは?いつ?外れると損?|税金・社会保険・扶養手当(家族手当)
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 収入が増えたことなどの理由で、扶養から外れることになった場合には、できるだけ早く扶養からはずす手続きをする必要があります。

 しかし、社会保険、税金、扶養手当それぞれで扶養から外れる手続きがありますし、扶養から外れる条件も異なります。
 そのため、社会保険、税金、扶養手当のすべてについて扶養から外れる手続きが必要なこともあれば、一部だけについて扶養から外れる手続きが必要なこともあります。

 このように、少し複雑な扶養から外れる手続きについて、今回ご説明いたします。
  

扶養から外れる主な場合

 被扶養者(扶養になる)条件を満たさなくなったときは、できるだけ早く扶養からはずす手続きをする必要があります。

 たとえば、次に該当した場合です。(健康保険、税金共通)
■ 就職をしたことなどで収入が増えた
■ 勤務先で社会保険(健康保険、厚生年金保険)に加入した
■ 結婚したりして別の家族の扶養家族になった
■ 離婚により扶養関係がなくなった。

※就職をしたり、パート・アルバイトの収入で扶養を外れる条件は、社会保険と税金では異なります。

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扶養から外れる手続きは?:社会保険

扶養から外れる条件:社会保険

 社会保険の場合には、継続的な年間収入が130万円を超える場合には、扶養から外れる手続きが必要です。
 また、勤務先で社会保険に加入した場合は、必ず扶養から外れます。
 ※19歳以上23歳未満は150万円になりました。(令和7年10月1日以降)

 特に、従業員501人以上の企業に勤務している場合には、平成28年(2016年)10月より、パートでも年収106万円を超えると社会保険に加入することになりました。

 さらに、令和4年(2022年)10月からは、従業員101人以上の企業に勤務している場合も、年収106万円を超えると社会保険に加入することになりましたし、令和6年(2024年)10月からは、従業員51人以上の企業に勤務している場合も年収106万円を超えると社会保険に加入することになりました。

(引用:厚生労働省)

 → 被扶養者とは?(全国健康保険協会(協会けんぽ))
 → 社会保険の加入対象の拡大について(厚生労働省)

■19歳以上23歳未満の大学生等の年収基準が変更へ
 令和7年度税制改正による19歳以上23歳未満の大学生等の年収の壁の引上を受けて、社会保険でも扶養認定日が令和7年10月1日以降で、扶養認定を受ける人が19歳以上23歳未満の場合(被保険者の配偶者を除く。)は、現行の「年間収入130万円未満」が税金と同じ「年間収入150万円未満」に変わることになりました。

 → 被扶養者とは?(日本年金機構))

対象となる収入:社会保険

 社会保険では、所得税や住民税では非課税(対象外)の通勤手当や雇用保険(失業給付金)も収入の対象になりますので、注意してください。

 → 収入の基準(全国健康保険協会(協会けんぽ))

収入限度の計算方法:社会保険

 社会保険の場合には、実際には年収ではなく月収で判断します。

  年収150万円÷12ヶ月=125,000円(月額)
  年収130万円÷12ヶ月=108,333円(月額)
  年収106万円÷12ヶ月=88,333円(月額)

扶養から外れる具体的な手続きは?:社会保険

 社会保険の扶養から外れることになった場合には、できるだけ早く「健康保険被扶養者(異動)届」を扶養者の勤務先へ提出してください。
 また、同時に健康保険証(カード)も扶養者の勤務先へ提出しましょう。


 手続き後に勤務先から発行される「健康保険資格喪失証明書」は、被扶養者が新しい健康保険証を取得するまでの期間に健康保険証の代わりとなる大切な書類になります。
 国民健康保険加入手続きなどで使用するため大切に保管しましょう。

 → 被扶養者に異動があったときの手続き(日本年金機構)
 

扶養から外れるタイミング:社会保険

 社会保険の場合には、継続的な収入が上記で説明した収入を超えることになった日(就職日など)から扶養から外れることになります。
 就職日なら明確ですが、収入が増えた場合には、いつからなのか曖昧な面があります。

注意点:社会保険

 所得税・住民税では、年間収入は、1月1日から12月31日の合計です。

 一方、社会保険の場合は、上記以上の継続的な収入が得られるようになったときは、その日から扶養家族ではなくなります。
 したがって、税金のように明確ではなく、曖昧なところがあります。

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扶養から外れる手続きは?:税金(所得税・住民税)

扶養から外れる条件:税金(所得税、住民税)

 税金(所得税・住民税)の扶養から外れるのは、年間給与収入が123万円(所得金額58万円)を超える場合です。(令和7年度税制改正後)
 勤労学生の場合は、年間給与収入が150万円(所得金額85万円)を超える場合です。(令和7年度税制改正後)
所得要件令和7年度改正

 (引用:国税庁。クリックで拡大表示できます)
 → 令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(国税庁)

 ただし、配偶者については、給与収入が123万円を超えても160万円以下であれば、配偶者特別控除で38万円と配偶者控除と同額の所得控除を受けることができます。(扶養者の所得制限あり)

※これは、給与収入ですので、商売や不動産賃貸をやっている場合には次の基準になります。
・収入-必要経費=58万円

対象となる収入と計算方法:税金

 対象となる収入について、社会保険の場合は、通勤手当や雇用保険(失業給付金)も収入に含まれましたが、税金の場合は、通勤手当や雇用保険は収入には含まれません。

※通勤手当でも、非課税限度額を超えた場合には、その超えた分は収入に含まれます。

 年収の計算方法についても、社会保険とは異なります。
 税金の場合は、1月1日から12月31日の収入の合計額です。

 したがって、結果として、1月1日から12月31日の収入がたとえ1円でも上記の基準を超えた場合には、扶養から外れることになります。厳しいですね。

扶養から外れるタイミング:税金(所得税・住民税)

 税金(所得税・住民税)の場合には、年途中で扶養から外れる見込みになった場合には、それが1月であろうと12月であろうと、その年の1月1日から扶養から外れることになります。扶養からはずれるタイミングは明確です。

扶養から外れる具体的な手続きは?:税金(所得税、住民税)

 税金上、扶養から外れる手続きは、扶養者がサラリーマンであれば、通常、扶養者が前年末に記載した今年分の「扶養控除等(異動)申告書」に扶養家族の氏名などを記入してありますので、年末調整の際に、扶養家族の名前を消せばOKです。

 ただ、年末で扶養からはずすと、扶養者の年末調整で所得税が不足となって多くの所得税が余分に引かれることになってしまいます。

 それを防ぐためには、扶養から外れる見込みになった時点で、扶養者が勤務先に扶養家族が一人減ると申し出て、「扶養控除等(異動)申告書」の扶養欄を変更してください。

 そうすると、その次の給与から扶養が一人減った所得税が引かれるようになりますので、年末調整で多額の所得税が徴収されることがなくなります。

 扶養者が商売をしていたりする場合には、確定申告の際に、扶養親族欄に記載しなければそれでOKです。

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扶養から外れる手続きは?:扶養手当(家族手当)

扶養から外れる条件:扶養手当

 扶養者の勤務先によっては、扶養手当や家族手当という手当が支給されていることがあります。

 この扶養手当等が支給される・されないの基準は、勤務先によって異なりますが、基準で多いのは、所得税の扶養に入る基準と同じにしている会社です。
 なかには、家族の収入に関わらず支給するというサービス満点の会社もあります。

 扶養者の勤務先の最近の給与規定を確認してください。(改定されている可能性があります)

 厚生労働省では、令和7年度税制改正の内容を踏まえ、「配偶者手当」の在り方の検討をお願いしています。
 → (PDFファイル。厚生労働省)

 国家公務員は、令和7年4月より、 配偶者手当に係る扶養手当が廃止され、子に係る扶養手当が増額される改正が行われています。
 → 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の概要(PDFファイル。内閣官房)

扶養から外れる具体的な手続き:扶養手当(家族手当)

 扶養者の勤務先の給与規定を確認して、扶養手当等の支給条件から外れる場合には、できるだけ早く扶養者の勤務先に申し出てください。

 手続きが遅れると、その遅れた期間は不正に扶養手当の支給を受けることになるため、あとで扶養手当等の支給条件から外れることが判明した場合には、申し出が遅れた期間の間に支給された扶養手当等を返金することになります。

 そうなると、扶養者は勤務先に対して恥ずかしい思いをすることにもなります。

扶養から外れるタイミング:扶養手当(家族手当)

 扶養手当(家族手当)の場合には、扶養から外れるタイミングは、会社によって異なります。
 扶養者の勤務先の給料規定で、扶養手当等が支給されなくなるタイミングを確認してください。
 基本的には、できるだけ早く会社へ申し出てください。

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扶養から外れた場合の影響は?

扶養から外れた場合の影響:社会保険

 扶養を外れると、自分で社会保険に加入しなければなりません。

勤務している場合(給与所得者)

 勤務している場合は、勤務先で社会保険に加入してください。
 その結果、給料から今まで引かれていなかった「健康保険料」「厚生年金保険料」が控除されることになって、手取りが減ることになります。

 控除される保険料は、勤務先が加入している健康保険組合等で変わりますが、概ね次のようになります。
(介護保険料は、40歳から64歳の場合に控除されます)

標準報酬月額 健康保険料 介護保険料 厚生年金保険料 合計
10万円 5,000円 800円 9,000円 14,800円
15万円 7,500円 1,200円 14,000円 22,700円
20万円 10,000円 1,600円 18,000円 29,600円

 このように社会保険料は高いので、社会保険の扶養をぎりぎり外れると、手取りは減ってしまいます。

勤務していない場合(自営業など)

 勤務していない場合は、自分で国民健康保険と国民年金に加入することになります。

 国民健康保険料は、住民税額に比例しますが、保険料は、市町村ごとに異なります。
 市町村のサイトでは、国民健康保険料の試算ができるところがあるので、利用してみましょう。
 →国民健康保険料の試算(名古屋市)

 国民年金の保険料は、収入に関わらず一律で、17,510円(令和7年度)です。

 特に国民健康保険料が高いので、ぎりぎり扶養から外れると手取り額は減ることがあります。

扶養から外れた場合の影響:税金(所得税、住民税)

住民税の扶養を外れた場合

 住民税の扶養から外れた場合は、本人に住民税がかかります。
 ただし、住民税がかかっても、手取り額が減ることは原則ありません。
 収入が増えれ増えるほと、手取り額は増えることになります。
 生命保険料控除などにより、年収が100万円を超えても本人に住民税がかからないこともあります。

 扶養者の住民税も確かに扶養控除などが減って高くなりますが、住民税だけ扶養から外れるのであれば、多くても年間で10万円程度です。

 確かに年収100万円をほんのわずか超えた場合には、家族の手取り合計が減ることはありますが、その範囲は狭いでしょう。
 そういった意味で、住民税については、扶養から外れると損になることはほとんどありません。

所得税の扶養を外れた場合

 給与の年収が123万円を超えたことなどにより、所得税の扶養から外れた場合は、本人に所得税がかかることが多いです。
 その場合は、住民税と同じく、収入以上の所得税を払うことはありませんから、収入が増えれば増えるほと本人の手取りは多くなります。
 所得税も基礎控除の拡大や生命保険料控除などにより、年収が123万円を超えても、本人の所得税が0円ということもあります。

 扶養者の所得税も確かに扶養控除などが減って高くなりますが、年間数万円から多くても20万円程度です。(所得金額によって変わります)

 さらに、扶養から外れるのが配偶者の場合は、年間給与収入が123万円を超えても201.6万円までは「配偶者特別控除」が受けられるため、160万円までなら満額、それを超えてもその範囲であれば、扶養者の所得税が高くなるのはわずかになります。

※所得金額が1000万円を超える場合は、配偶者特別控除だけでなく、2018年分からは配偶者控除も受けられなくなりました。

 所得税だけを考えれば、このように住民税と同様に、扶養から外れると損になることはほとんどありません。
 世間では、多くの方が123万円以内の収入に抑えているようですが、それは必ずしも正しくありません。

扶養から外れた場合の影響:扶養手当(家族手当)

 扶養手当(家族手当)の支給要件からはずれば場合には、もちろん、外れた人分の扶養手当(家族手当)が0円になります。
 扶養手当(家族手当)が減額になったことで、厳密には社会保険料や所得税、住民税も減少しますが、ほぼ減額になった扶養手当分の手取り額が減ります。
 扶養手当(家族手当)の金額が、月額数千円の場合には、手取り額への影響はわずかですが、数万円も支給されていると、手取り額の減少は痛いですね。

扶養から外れると損?

家族の手取り金額合計で判断する

 扶養から外れることが損なのかどうかを何で判断するかが問題になります。
 多くの方は、家族の手取り金額の合計がどうなるかで判断すると思います。

所得税の扶養を外れた場合で損する可能性

 所得税の扶養を外れたことで、家族の手取り合計が減ることもあります。
 それは、扶養者が勤務先から扶養手当(家族手当)の支給を受けている場合で、その扶養手当の支給が停止されたときです。

 先ほども説明しましたが、扶養手当を支給するかどうかを所得税の扶養の基準と合わせている会社が多いので、もし、扶養から外れると、扶養者の所得税が高くなるだけでなく、扶養手当の支給が打ち切られることもあります。

 この扶養手当が数千円程度の少額であれば、影響は少ないのですが、会社によっては扶養手当が3万円も支給されているところもあります。

 この扶養手当3万円が扶養から外れることで0円になれば、影響が大きくなります。

 所得税の扶養を外れる場合には、扶養者の勤務先の扶養手当の支給額とその支給基準により損をすることもあります。
 その場合には、年収123万円以下に抑えることが有利になる場合が多く、手取りを多くしようとすると、年収が123万円をかなり超えることが必要になります。

社会保険の扶養を外れた場合で損する可能性

 社会保険の扶養から外れる場合には、扶養者の健康保険料や厚生年金保険料が高くなることはありません。

 しかし、本人に健康保険料などの保険料負担が少なくとも月額数万円増えることになりますので、手取りが減る収入の範囲が広くなります。

 つまり、社会保険の扶養から外れると、家族の手取りの合計が減ることもあります。

 手取りが減るかどうかの境界の目安は、年収150万円程度でしょう。
 扶養から外れて働くなら、年収150万円以上にしましょう。

扶養でいることのデメリット

 確かに、扶養に入ったままであれば、健康保険料や厚生年金保険料を払わなくてもいいですし、税金の負担もなく、扶養者の税金も安くなったり、扶養手当がついたりします。

 しかし、そのためには、正社員にはなれませんし、勤務時間も制限する必要があります。

 そんな勤務状況では、仕事の内容も補助的なものになることが多いでしょうし、仕事になかなか生きがいを見出すことも困難でしょう。
 もしかしたら、自分の才能を伸ばす芽を摘んでいる可能性もあります。

長期的な展望から判断すべき

 短期的な手取り収入ではなく、もっと長期的視野に立てばまたその判断基準が変わってきます。

 扶養に入って国民年金の第3号被保険者でいるよりは、扶養から外れて厚生年金に加入した方が、将来の年金支給額は多くなります。


 また、自分が健康保険に加入するなら、けがや病気の場合に傷病手当金が支給されます。
 妊娠して産休を取れば出産手当金も支給されます。


 短期的な手取り収入だけで判断するだけでなく、このような長期的視野で考えて扶養から外れるかどうかを判断することも必要です。

 働くことへの考え方の人それぞれで、どの考えが正解で、その考えが間違いということはありません。

 扶養から外れるべきかの判断基準はざまざまですので、何を重点において判断するのかを考えて判断してください。

まとめ

 扶養から外れる手続きを、社会保険(健康保険、厚生年金保険)、税金(所得税・住民税)、扶養手当(家族手当)別に説明してきました。
 扶養からはずれる条件もそれぞれ異なりますし、手続きも違っています。今回の記事で再確認しましょう。

 もし扶養から外れることになった場合には、手続きが遅くなると扶養者に迷惑をかけることがありますので、早めに必要な手続きをとるようにしてください。

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【投稿者:税理士 米津晋次】

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※記事の内容は、投稿日現在の税法等の規定によっております。税制改正等により最新情報でない場合もありますので、ご了承ください。

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