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再婚した場合の贈与税配偶者控除の適用|婚姻期間

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 一度協議離婚をして、その後同じ相手と再婚して20年経っていない場合に、贈与税の配偶者控除の適用が受けられるのか受けられないのかという相談を受けました。

 今回は、この贈与税の配偶者控除における婚姻期間について説明いたします。


贈与税の配偶者控除制度とは?

 年間合計110万円以上の贈与を受けると、贈与を受けた人には、贈与税が課税されます。

 ただし、婚姻期間が20年以上である配偶者から自宅(居住用不動産)の贈与を受けた場合で一定の条件を満たすと、最高2,110万円(基礎控除110万円+最高2,000万円)まで贈与税がかからないという制度があります。

 これを「贈与税の配偶者控除制度」といいます。

 → 参考:夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除(国税庁)



 この制度は、居住用不動産の贈与が、夫の死後における妻の生活保障の意図で行われることが少なくないことなどの実状を考慮した措置として昭和41年に創設されたものです。

 その後も廃止されることなく続いている贈与税の特例です。


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婚姻期間について

夫婦の婚姻期間20年以上が条件のひとつ

 この贈与税の配偶者控除制度における適用条件のひとつに、「夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと」というものがあります。

 つまり、「婚姻の届出があった日」から「その居住用不動産の贈与があった日」までの期間が20年以上ということです。


一度離婚して配偶者でない期間があった場合の疑問

 何らかの事情で一度離婚し、その後同じ相手と再婚した場合の婚姻期間はどのように判断するのでしょうか。

 婚姻期間が連続20年以上でなければならないのか、それとも、通算(累計)20年以上であればいいのか、わかりにくいですね。


 たとえば、結婚して15年で一度離婚し、同一相手と再婚後10年しか経っていない場合、連続婚姻期間は10年で20年経っていませんが、通算婚姻期間なら25年となって20年以上になります。


婚姻期間は通算で計算すればいい

 贈与税の配偶者控除制度における婚姻期間は、この期間中に配偶者でなかった期間がある場合には、その配偶者でなかった期間を除いて計算した期間が婚姻期間とされます。

 つまり、連続20年以上でなくても、通算(累計)20年以上であれば、婚姻期間20年以上の条件を満たすことになります。

 先ほどの例では、連続婚姻期間が20年経っていないですが、通算婚姻期間は25年で20年以上ですので、贈与税の配偶者控除制度における婚姻期間の条件はめでたくクリアとなる訳です。


根拠法令(相続税法施行令)

第四条の六 (省略)
2 法第二十一条の六第一項に規定する婚姻期間は、同項に規定する配偶者と当該配偶者からの贈与により同項に規定する居住用不動産又は金銭を取得した者との婚姻につき民法第七百三十九条第一項(婚姻の届出)の届出があつた日から当該居住用不動産又は金銭の贈与があつた日までの期間(当該期間中に当該居住用不動産又は金銭を取得した者が当該贈与をした者の配偶者でなかった期間がある場合には、当該配偶者でなかった期間を除く。)により計算する。


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まとめ

 今回は、贈与税の配偶者控除制度の適用条件における婚姻期間について説明しました。

 婚姻期間は、連続20年以上でなくても通算20年以上であれば条件をクリアするということです。

 なお、贈与税の配偶者控除制度には、ほかの適用条件がありますのでご確認ください。

 贈与税が0円になっても、税務署に贈与税の申告は必要ですので、ご注意ください。

 

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※お断り

※記事の内容は、投稿日現在の税法等の規定によっております。税制改正等により最新情報でない場合もありますので、ご了承ください。

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