税金の知恵袋

現役税理士が、皆様の税金に関するさまざまな疑問を解決し、さらにはお得情報をお知らせします。

マスク購入費用の経理処理(科目は?いつの経費?経費になる?)

calendar

reload


新型コロナウイルス感染防止のため、仕事上でもマスクが必須となっていますね。
マスクがなかなか手に入らない現状では、企業がマスクを大量に購入することもあるでしょう。
このような大量購入したマスクの経理処理はどうなるのでしょうか。

そこで今回は、マスク購入費の経理処理について説明しましょう。


マスク購入費の経理処理|勘定科目

マスクを購入した場合の勘定科目は、そのマスクをどのようにしたかによっていろいろと考えられます。

たとえば、次のようになります。
  使途   勘定科目
自社の仕事用に使った 「消耗品費」「衛生費」など
従業員に家庭で使うように贈呈した 「福利厚生費」
※ただし、特定の人だけに贈呈した場合は、「給与」「役員報酬」
取引先に贈呈した 「接待交際費」
介護施設や病院などに寄付した 「寄附金」
個人事業者が自分の家庭で使った 「事業主貸」(必要経費にならない)


スポンサーリンク

マスク購入費の経理処理|いつ必要経費(損金)にできる?

原則的な必要経費(損金)算入時期

マスクなど消耗品の購入費は、それを実際に使った(消費)した事業年度で必要経費(損金)処理をすることが原則です。

したがって、事業年度末時点で未使用の消耗品は、必要経費(損金)処理は認められず、在庫計上することになります。
科目は、「貯蔵品」が妥当でしょう。

例外的な必要経費(損金)算入時期

消耗品のうち「毎年おおむね⼀定数量を購入し、かつ、経常的に消費するもの」については、継続適用を要件に購入して納品された事業年度に⼀括で必要経費(損金)処理をすることも認められています。
( 法人税基本通達2-2-15 )。

今回の新型コロナウイルス感染防止に関係なく、マスクを従前から毎期一定数を継続的に購入している場合は、購入して納品された事業年度に一括で必要経費(損金)処理ができます。

たとえば、いつもマスクの未使用品の在庫がほぼ100枚あるようにし、減った分を随時買い足ししているという場合です。

「継続適用」の条件には注意してください。
ある事業年度は在庫処理、ある事業年度は購入時に一括必要経費(損金)処理ではダメということです。

新型コロナウイルス感染症防止のために大量購入した場合

今回の新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、まだまだマスクの入手が困難な状態が続いていますね。
そこでまとめ買いをして、多くの未使用分を在庫として持っている企業も多いと思います。

このような場合、毎年の一定数量購入ではないため、上記の例外処理にも該当しません。
本来なら、購入納品時に一括して必要経費(損金)処理することは認められません。
未使用分は、「貯蔵品」などの在庫として処理し、実際に使用したときに必要経費(損金)処理することになります。

しかし、今回の新型コロナウイルス感染防止のために購入するマスクについては、未使用(備蓄分)を含めて、納品時の事業年度で一括して必要経費(損金)処理が認められると考えます。

その理由は、国税庁が「質疑応答事例」で公表し、購入時に一括で必要経費(損金)処理を認めている「非常用食料品」に今回のマスクが類似すると思われるからです。

非常用食糧品の取り扱い(質疑応答事例より)

【質問】
当社は、地震などの災害時における非常用食料品(長期備蓄用)としてフリーズドライ食品1万人分2,400万円を購入し、備蓄しました。
このフリーズドライ食品は、酸素を100%近く除去して缶詰にしたもので、賞味期間(品質保証期間)は25年間とされていますが、80年間程度は保存に耐え得るものといわれています。
このように長期間保存のきくものであっても、購入時の損金の額に算入して差し支えありませんか。
(※一部省略しています)

【回答】
備蓄時に事業供用があったものとして、その時の損金の額(消耗品費)に算入して差し支えありません。
(理由)
1 食料品は、繰り返し使用するものではなく、消耗品としての特性をもつものであること。
2 その効果が長期間に及ぶものであるとしても、食料品は、減価償却資産(法人税法施行令第13条)又は繰延資産(法人税法施行令第14条)に含まれないこと。
3 仮に、当該食品が「消耗品で貯蔵中のもの」であるとしても、災害時用の非常食は、備蓄することをもって事業の用に供したと認められること。
4 類似物品として、消火器の中味(粉末又は消火液)は取替え時の損金として取り扱っていること。
(※一部省略しています)

 →参考:非常用食料品の取扱い(国税庁)

スポンサーリンク

マスク購入費の経理処理|消費税処理

マスクを購入した際に業者に支払った消費税(地方消費税を含む)は、納品された事業年度で仕入税額控除をします。
大量購入して、未使用分が多く含まれている場合も同様です。

消費税法では、「課税仕入れを行った日」とは、課税仕入れに該当することとされる資産の譲受け若しくは借受けをした日又は役務の提供を受けた日をいうからです。


スポンサーリンク

まとめ

今回は、新型コロナウイルス感染防止のために購入したマスクの経理処理について説明しました。
もちろん、マスクだけでなく、消毒液についても同様な経理処理になります。

今回の記事を参考に、適正な経理処理を行ってください。


【投稿者:税理士 米津晋次
(Visited 4,068 times, 50 visits today)