新聞で地価の発表が年に3回ほどあります。
基準地価、公示価格、路線価です。
じつは、公表される地価には4種類もあるのです。
まず今回は、基準地価について説明しましょう。
公表地価は4つ|(1)基準地価とは
基準地価には、別にさまざまな表記がある
「基準地価」というだけでなく、「基準地価格」「基準地の標準価格」「都道府県地価」「都道府県基準地価格」「地価調査価格」など、さまざまな表記がされています。正式には「都道府県基準地標準価格」といいます。
基準地価は、都道府県が発表する
基準地価は、国土利用計画法の土地取引価格の審査基準価格として設定されたもので,昭和50年以降、毎年実施され、都道府県が毎年1回公表しています。具体的には都道府県知事が基準地について不動産鑑定士の鑑定評価を求め,毎年7月1日に現在の標準地価を判定し,毎年9月20日頃に公表されます。
住宅地、商業地、工業地など用途地域ごとに各地区の基準地が選ばれ、1平方メートル当たりの単価で表示されます。
調査地点は、全国で約2.3万地点に及びます。
調査地点に建物があっても更地として評価し、土地の使用目的や土地取引での事情は考慮されません。
基準地価は、国土交通省地価公示・都道府県地価調査で調べられる
基準地価は、国土交通省のサイト「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」で調べることができます。また、各都道府県のホームページや市区町村役場、図書館でも閲覧することができます。
→ 国土交通省地価公示・都道府県地価調査
公表地価は4つ|(1)基準地価の目的
基準地価の主な目的は次のものです。国土利用計画法に基づく土地地取引の価格審査の円滑化など
国土利用計画法においては、土地の投機的取引や地価の高騰による弊害を除去し、かつ、適正かつ合理的な土地利用の確保を図るため、(1)事後届出制、(2)注視区域及び監視区域における事前届出制、(3)規制区域における許可制を設けています。基準地価は、この国土利用計画法に基づく土地地取引の価格審査の適正化、円滑化を目的としています。
地方公共団体が土地を買収する際の基準
基準地価は、地方公共団体による土地の買収価格を算定する際に、その買取価格の基準とする目的にも使われています。一般の土地取引の目安など
基準地価は、一般の土地取引が行われる際の価格の目安ともなっています。さらに、地価の動向を把握するためにも重要なものです。
公示価格の補完的役割も
基準地価は、7月1日が基準日で、1月1日時点で算出される公示価格の半年後にあたる価格となります。そのため、地価の速報値として公示価格の補完という役割もあります。公表地価は4つ|(1)基準地価と公示価格との違い
基準地価と似ているのが公示価格です。基準地価と公示価格との違いについてまとめてみました。
基準地価の価格時点(基準日)は7月1日
基準地価の価格時点(基準日)が7月1日であるのに対し、公示地価は、1月1日で、半年異なっています。基準地価の発表日は9月20日ごろ
基準地価は、毎年9月20日ごろに発表されます。それに対し、公示地価の発表は、毎年3月20日ごろとなっています。
根拠となる法律は、国土利用計画法施行令
根拠となる法律が、基準地価は、国土利用計画法施行令であるのに対し、公示地価は「地価公示法」となっています。基準地価は、調査の主体が都道府県
基準地価の調査の主体が都道府県であるのに対し、公示地価は国(国土交通省)です。基準地価は、対象地域に工業地、林地なども含む
基準地価の対象地域は、都市計画区域内外の住宅地、商業地のほか、工業地、林地なども含みます。それに対し、公示価格は、都市計画区域内外の住宅地、商業地になっています。
そのため、平均的な地価動向にも違いが生じることに注意しなければなりません。
基準地価を評価する不動産鑑定士は1人以上
基準地価においては、土地を評価する不動産鑑定士は1人以上になっています。それに対し、公示価格では土地を評価する不動産鑑定士は、2人以上となっています。
まとめ
4種類ある公表される地価のうち、今回は、基準地価について説明しました。新聞などで報道される地価が、今回はどの地価なのか、そしてそれはどのようなものかをしっかり理解していただきたいと思います。
・公表地価は4つ|(2)公示価格とは、目的、発表日、基準地価との違い
・公表地価は4つ|(3)路線価(相続税)とは、目的、発表日、固定資産税路線価との違い
・公表地価は4つ|(4)路線価(固定資産税)とは、目的、発表日、相続税路線価との違い
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