節税と返礼品で人気のふるさと納税制度。
しかし、一部のあまりに高額な返礼品などが問題になっています。
それに対し、いよいよ総務省が自治体へ高額な返礼品を控えるように要請するそうです。
ということは、高額返礼品を受け取るのは、今のうちにということですね。
そこで今回は、総務省等によるふるさと納税返礼品について動きをご紹介しましょう。
目次
- 1 返礼品が寄付額の3割以下に抑制される?|ふるさと納税とは?
- 2 返礼品が寄付額の3割以下に抑制される?|ふるさと納税返礼品の問題点
- 3 返礼品が寄付額の3割以下に抑制される?|商品券やプリペイドカード、電子機器などもやめるよう要請へ
- 4 返礼品が寄付額の3割以下に抑制される?|自治体からは疑問の声も
- 5 返礼品が寄付額の3割以下に抑制される?|ふるさと納税ポータルサイトも基準を見直し
- 6 返礼品が寄付額の3割以下に抑制される?|10万円未満の家電品もダメと総務省
- 7 返礼品が寄付額の3割以下に抑制される?|その他地域の特産品もダメと総務省
- 8 返礼品が寄付額の3割以下に抑制される?|10万円以下のものまで見直し要請
- 9 ふるさと納税をやってみよう
- 10 まとめ|ふるさと納税返戻金高額狙いは今のうちに
返礼品が寄付額の3割以下に抑制される?|ふるさと納税とは?
ふるさと納税とは?
「ふるさと納税」とは、都道府県や市区町村といった自治体への寄付の制度です。
2008年にふるさと納税制度が導入されました。
ふるさと納税を行った人が、原則確定申告を行うことにより、寄付を行った年の所得税から還付を受けられるほか、翌年分の住民税が減額されます。
具体的には、2000円を超える寄付金に対して、通常の所得税や住民税の寄付金控除のほか、住民税所得割額の10%を上限とする住民税の基本控除が実施されます。
その結果、一定の寄付限度額以内の寄付金であれば、寄付した金額から2000円を引いた金額相当額について、税金の軽減を受けることができます。
つまり、実質負担は2000円ということになりますね。
ふるさと納税の特徴は返礼品
ところで、ふるさと納税が通常の寄付金と異なるのは、自治体によっては寄付のお礼の品(返礼品)が送られてくることです。
その地の特産品が多いですが、寄付する際に寄付する人が返礼品を選ぶことができます。
見方を変えれば、自治体からの返礼品が実質負担した寄付金額より高ければ、得したことになります。
自分が欲しいものがもらえればお得感がさらに高まります。
ふるさと納税が人気の理由がこれなのです。
ふるさと納税制度の趣旨
東京都に人口が集中し税収も増える一方、地方の自治体では、高齢化による人口減少による税収の減少や慢性的な財政赤字に苦しんでいます。
この対策のひとつとして、ふるさと納税制度が設けられたのです。
総務省が2007年公表した「ふるさと納税研究会報告書」によると、ふるさと納税制度の趣旨は、次のようになっています。
「自分が生まれ教育を受けたが、その後は都会に出て働くことになったので、ふるさとの自治体には納税ができない。そこでお世話になったふるさとに、自分の意思で寄付ができる制度を作りたい」
ふるさと納税制度は地場産業の振興にもつながる
返礼品をすることは、贈る側の自治体側のメリットも無視できません。
ふるさと納税は、返礼品を贈ることによって自治体にとっては特産品をPRする機会になり、地場産業の振興につながるのです。
観光客を呼び込む効果も期待ができます。
ふるさと納税による寄付金増加効果
総務省市町村税課によると、ふるさと納税制度がスタートした2008年度は、全国で寄付金受入額は81億円にすぎませんでした。
しかし、自治体が高級肉、水産物など豪華な返礼品を出すようになったことから、受入額が年々増え、2014年度には389億円に達しました。
そして、2015年度からは確定申告が不要になる「ワンストップ納税制度」が始まったり、特例控除額の上限も約2倍に拡充されたことにより、2015年度の寄付金受入額はさらにその約4倍の1,653億円まで増加しました。
2015年度の寄附件数28万8338件でふるさと納税ランキングトップを誇るのは、宮崎県の都城市でした。
返礼品には、宮崎牛を筆頭に豚、鶏、さらには馬と食用肉を一通り揃え、そこに焼酎まで加えるという人気が高い返礼品ばかりを用意。
その結果、都城市は2015年度に年間42億円を超える寄付金収入を得ました。
このように、ふるさと納税制度により多くの自治体には寄付金収入が入ったこともあり、菅義偉官房長官は2017年2月末の記者会見で「ふるさと納税で多くの地域が活性化した」と評価しました。
返礼品が寄付額の3割以下に抑制される?|ふるさと納税返礼品の問題点
ふるさと納税は高額所得者が大きな控除を受けられる
ふるさと納税の実質2000円負担の寄付金限度額は、所得によってどのように変わるのでしょうか。
◆年収300万円の寄付金限度額目安
年収300万円で妻と子が2人が扶養親族になっている場合の実質2000円負担の寄付金限度額は、5000円程度です。
◆年収1000万円の寄付金限度額目安
それに対し、同じ家族構成で年収が1000万円になれば、実質2000円負担の寄付金限度額は、150,000円程度になります。
◆年収3000万円の寄付金限度額目安
さらに年収が3000万円になれば、実質2000円負担の寄付金限度額は、1,000,000円程度にもなります。
◆ふるさと納税制度は高額所得者ほど有利
このことからわかるように、高額所得者ほど実質2000円負担の寄付金限度額は高くなり、中低所得者との格差も問題になってきています。
【参考】→ふるさと納税限度額の計算方法・早見表・目安・自営業の場合や注意点
ふるさと納税返戻品の自治体間の競争が過熱化
ふるさと納税制度については、自治体間の競争が過熱しています。
ふるさと納税は、地域の特産品などの返礼品で人気になりましたが、2015年には、ふるさと納税枠が約2倍に拡充されたため、ふるさと納税制度の人気が上がり、さらに自治体間の競争が激しくなっています。
地元の産品を返礼品とするのが一般的でしたが、近年には高級食材など高額な品物を用意する傾向が強まっています。
ふるさと納税導入の趣旨とは異なる方向に進んでいるように思います。
また、民間のふるさと納税情報サイトが次々と立ち上がり、そのサイトでは通信販売のように返礼品のお得感を比べて、寄付する自治体を選ぶ風潮が広がりました。
たとえば、ふるさと納税返礼品を掲載するポータルサイト最大手「ふるさとチョイス」では、扱う返礼品数は9万点以上になり、「ふるさとチョイス」でふるさと納税の寄付を申し込める自治体数は1100を超えています。
長崎県壱岐市は、PRのためユーチューバー木下さんを起用
長崎県壱岐市は、ふるさと納税PR動画をインターネット動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開しています。
壱岐市は、このふるさと納税PR動画に、「ユーチューバー」で「大食い」で人気の木下ゆうかさんを起用しました。
このPR動画では、ユーチューバー木下さんが壱岐の特産品である、壱岐牛の焼き肉とステーキ、ウニ丼、タイの干物を完食しています。
この壱岐市のふるさと納税PR動画がは、2016年年12月に「ユーチューブ」で公開以来、再生回数は100万回を超えるほど大人気で、ふるさと納税寄付額も伸びているそうです。
東京特別区長会が是正を求める要望書を提出
東京23区で構成する特別区長会は、2015年9月に高市総務大臣にふるさと納税制度の問題点を是正することを求める要望書を提出しました。
特別区長会がこの要望書を提出した背景には、ふるさと納税で人口が一極集中する東京都の収入が激減していることにあります。
2016年度の寄付総額が前年度の約2倍に当たる3,000億円程度まで増えることにより、2016年度の東京都の特別区民税は、減収額が前年度の5.4倍の129億円に及んでいます。
この金額は、待機児童対策に取り組む特別にとって、100人規模の区立保育所の年間運営費に相当するそうです。
2016年度と比べた減収幅を区別に見ると、荒川区が5.5億円(前年度比3.4倍)、中野区は7.2億円(同2倍)、墨田区が4億円(同2倍)となっていて、それ以外の特別区でも渋谷区が前年度比1.9倍、世田谷区が1.8倍、港区や目黒区もそれぞれ1.5倍以上に膨らんでいます。
さらに、2017年度に特別区の区民税は、少なくとも208億円の税収減が見込まれています。
このような税収減の影響がさらに広がると、「公共サービスの持続に支障をきたす」と懸念を示しています。
ほかの自治体も影響大
東京23区以外でも、横浜市、大阪市という大都市もふるさと納税に影響による減収に苦しんでいます。
2017年度は、ふるさと納税により横浜市が48億円、大阪市が29億円前年度より減収となる見込みとしています。
共同通信の全国調査では、返礼品の上限設定などの是正が必要と回答した全国の自治体は全体の72%も占めていて、ふるさと納税による税収減に多くの自治体が苦しんでいることがわかります。
寄付のほぼ半分しか政策などに生かせない
ふるさと納税の寄付総額に占める返礼品代の平均は、ある調査によると、2015年度は37%。
それが2016年度は43%に膨らむ見通しだそうです。
自治体間の競争激化によって、選択するためには返礼率を高くせざるを得ない状況になっているのでしょう。
このように、ふるさと納税の寄付を受けた自治体では経費がかさみ、寄付のほぼ半分しか政策などに生かせていないことも問題になっています。
総務省が2017年4月1日に自治体へ通知
総務省は、ふるさと納税返戻品について、自治体間の競争が過熱し続けると返礼品の調達コストが高くなり、寄付を地域活性化という本来に目的に充てられらいこともあるとして、ふるさと納税返礼品は寄付額の3割以下に抑えるよう要請する方針を固め、2017年4月1日付けで、通知を出しました。
総務省が2017年5月24日に自治体へ再通知
総務省は、2017年5月24日付で全国約100の自治体に返礼品の見直しを再通知しました。
高市早苗総務相は、5月26日の会見で「返礼品競争が過熱しているという認識が浸透しつつある。さらに認識を広げるため、対応を個別に確認する」と述べています。
国からの二度目の催促に、各自治体には戸惑いや不満が広がっています。
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返礼品が寄付額の3割以下に抑制される?|商品券やプリペイドカード、電子機器などもやめるよう要請へ
より多くの寄付金を集めるため、一部の自治体では高額な家電や換金できるプリペイドカード、転売可能な金券を送る自治体も出てきている。
ヤフーオークションなどで転売されたり、業者が自治体と関係ないブランド品をネット販売したりして問題になっています。
商品券やプリペイドカードなどについてもやめるように
総務省は、ふるさと納税の返礼品としてプリペイドカードや商品券、電子マネー、ポイント、マイルなどを送らないよう、すでに2016年4月に全国の自治体に要請を出しています。
◆千葉県勝浦市の「かつうら七福感謝券」
千葉県勝浦市は、ふるさと納税1万円に対して7千円の商品券「かつうら七福感謝券」を返礼として贈っています。
この商品券は、勝浦市内の飲食店や宿泊施設での支払いに使え、人気になっていました。
返礼率は何と70%に及んでいます。
あまり特産品のない勝浦市は、他の自治体とのふるさと納税獲得合戦に打ち勝つために、このような納税額の7割もの金券を返礼品とする大盤振る舞いに踏み切ったのです。
この感謝券の効果で、2016年度の寄付額は約20億円と、前年度の13倍に急増する見込みだそうです。
このような事情があるため、勝浦市は総務省の指導があったとはいえ、そう簡単に見直したくないようでした。
しかし、「かつうら七福感謝券」について総務省からの指摘・千葉県からの指導があったようで、2017年2月28日までで「かつうら七福感謝券」の贈呈を終了しました。
◆千葉県大多喜町の「大多喜ふるさと感謝券」
千葉県大多喜町も勝浦市と同じような商品券である「大多喜ふるさと感謝券」を返礼品にしていましたが、2016年5月に廃止しました。
電子機器や家電・貴金属などについてもやめるように
ふるさと納税返礼品として、高額な電子機器や家電・貴金属などの資産性のあるものを贈る自治体もあります。
◆静岡県焼津市ではiPadminiが手に入る
静岡県焼津市では、2015年6月から15万円以上(当初は10万円以上)の寄付に対する返礼品として人気の高い「iPad」などのタブレット端末と「幼児教育用アプリ」利用権をセットで提供していました。
出典:焼津市のパンフレット
しかし、焼津市は、2016年10月末でこのタブレット端末セットの取り扱いを中止しました。
制度の趣旨に照らし、返礼品にふさわしくないと判断したためのようです。
◆長野県飯山市ではノートパソコンがもらえる
長野県飯山市には、市内にコンピューターの工場があり、ノートパソコンなどの返礼品が充実しています。
飯山市は、総務省の要請を受けて一時、パソコンなどの返礼品の取り扱いを休止しましたが、一部の返礼品の寄付額を見直してパソコンの取り扱いを再開しています。
出典:飯山市HP
飯山市の担当者は「野菜や肉と同様、地元でとれたパソコン。再開してほしいという声も多かった」と事情を話しています。
同じ長野県安曇野市でも、パソコンの返礼品は「趣旨にのっとっている」として取り扱いを続けています。
◆岡山県備前市はロボット掃除機「ルンバ」
岡山県備前市では、ふるさと納税の返礼品に人気の高いロボット掃除機「ルンバ」を提供しています。
◆電子機器や貴金属などの問題点
このようなパソコンやタブレットなどが問題視されているのは、高額な値段だけでなく、転売のしやすさがあります。
転売を防ぐため、パソコンなどの場合、多くの自治体がサイト上で「転売禁止」「1人1台限定」などと強調しています。
また、長野県飯山市では、申し込んだ人の名前をパソコンに印字したり、シリアルナンバーを管理するなどの転売禁止策をとっています。
しかし、転売そのものを防ぐことは難しいようです。
返礼品の価格を表示しないように
さらに総務省は、返礼品の値段を表示することによって、返礼率競争を招かねないように、返礼品の表示をしないようにとの要請もしています。
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返礼品が寄付額の3割以下に抑制される?|自治体からは疑問の声も
福井県知事が疑問
総務省がふるさと納税の返礼率の上限の目安を3割とする方針を固めたことについて、福井県の西川一誠知事は3月24日の定例記者会見で次のように発言しました。
「そもそも論をすると、(ふるさと納税は)発展途上であり、問題は上限ではなく、裾野を広げることだ」として、全国一律の返礼率規制には反対しました。
また西川知事は、「返礼率が突出して高い自治体については、総務省が個別に注意すべきだ」との認識を示しました。
返礼品が寄付額の3割以下に抑制される?|ふるさと納税ポータルサイトも基準を見直し
「ふるさとチョイス」が基準見直し
インターネットで寄付を仲介する大手ポータルサイト「ふるさとチョイス」では、2016年7月には転売しやすい家電製品の掲載を中止しました。
さらに、2017年4月から返礼品の掲載基準を見直すそうです。
寄付額に比べ、高額な品や地域振興につながりにくい大企業の商品などを掲載しない方針です。
「ふるさとチョイス」運営会社は、自治体に対して、新基準として寄付額の半分以上を自治体の手元に残すよう要請しています。
また、中小企業を支援するため、資本金5億円以上の企業の商品は掲載しない考えを示しています。
「ふるさとチョイス」は、各自治体とすでに2017年2月から協議しており、合意に至らなければ仲介をやめることもあり得る、としています。
「さとふる」などの対応
一方、ソフトバンクグループのふるさと納税ポータルサイト「さとふる」は、「制度の趣旨に沿う返礼品であるか確認して掲載している」と説明しています。
品目などで一律に線引きはせず、地元工場で製造した大手メーカーの製品なども掲載することがあるとしています。
また、ふるさと納税ポータルサイト「わが街ふるさと納税」は、最終的に自治体側の判断を尊重するとしています。
神奈川県厚木市は市の特設サイトで4Kテレビを返礼品に
「ふるさとチョイス」のように、高額返礼品の取り扱いを中止するふるさと納税ポータルサイトも出てきていますが、自治体のサイトで高額返礼品の提供を続けているところもあります。
神奈川県厚木市は、ソニー製55型4Kテレビといった高額商品を市のふるさと納税特設サイト限定の返礼品としています。
返礼品が寄付額の3割以下に抑制される?|10万円未満の家電品もダメと総務省
調達額10万円以上の家電について返礼品から除外(長野県伊那市)
長野県伊那市は、総務省の意向に対応し、2017年4月17日に独自の運用方針を発表し、調達額10万円以上の家電については返礼品から除外しました。
一方、調達額10万円未満の家電は、法人税法上の資産の基準を根拠に、資産ではなく消耗品という考え方で取り扱いを継続しました。
この10万円以上の家電品除外の運用方針変更により、従来160品目に上った伊那市の返礼品は、100品目に減りました。
しかし、総務省は、この動きにも方針見直しを伊那市に求め、高市総務相も違和感を示しました。
その結果、伊那市は、2017年5月9日に市独自の運用方針を見直し「資産性の有無を問わず全ての家電製品を返礼品から除外する」と表明しました。
伊那市の白鳥孝市長は、見直しの理由について「返礼品競争の社会的混乱への配慮」と会見で強調し、また、「地方の小さな自治体が奪い合いをするのは、ふるさと納税の本来の姿ではない」との考えを示しています。
同時に、返礼品目の取り扱いによって全国の自治体間で不公平が出ないよう、総務省に出向いて直接要請する考えも示しました。
この伊那市の家電製品を返礼品から除外するという新たな運用方針は、2017年6月1日に切り替えを予定しています。
今回の見直しでプリンター、カメラ、ジューサー、ホームベーカリーなど30品目の10万円未満の家電がさらに除外されます。
伊那市では、ふるさと納税の寄付の大半を占めていた家電の取り扱いがなくなることにより、昨年度に県内市町村で最多となった72億円の寄付額は大幅な落ち込みが見込まれます。
そのため、伊那市では、木材加工製品やペレット配送、そばやマツタケの味覚体験ツアー、ドローンの操縦技術習得合宿など、地域の資源や取り組みを生かした返礼品を新たに盛り込んでいく方向です。
返礼品が寄付額の3割以下に抑制される?|その他地域の特産品もダメと総務省
楽器をふるさと納税返礼品から除外へ(静岡県浜松市)
浜松市は2017年度後半にも、ふるさと納税の返礼品で一番人気だった楽器を返礼品から除外することになりました。
総務省が4月に出した通知で、ふるさと納税の趣旨に反するような資産性の高いものとして、宝飾品やゴルフ用品などと並んで楽器が挙げられたためです。
浜松市は楽器の街で、市内にはヤマハ(YAMAHA)や河合楽器(KAWAI)、ローランド(Roland)、ボス(BOSS)など大手だけでなく、楽器関連企業が200以上集積し、浜松市楽器博物館があるほど。
とても残念ですね。
返礼品が寄付額の3割以下に抑制される?|10万円以下のものまで見直し要請
総務省が2017年5月24日付で行った再通知では、10万円以下の特産品も見直すように迫っています。
福井県では、越前市がヘッドホン、高浜町の家具などが、山形県でも天童市の家具や将棋の駒、福岡県大川市も家具が、兵庫件大川町ではゴルフクラブが、長野県駒ケ根市はゴルフクラブのシャフトが指摘されています。
2017年6月1日から家電を全て外した長野県伊那市に対しては、さらに、まきストーブとまき割り機が指摘されています。
各自治体の担当者は、再通知に「10万円以下のものに資産性があると言えるのか疑問。目くじらを立てなくても」と困惑しています。
ふるさと納税をやってみよう
ふるさと納税の限度額の目安がわかったら、さあ、ふるさと納税をやってみましょう。
ふるさと納税サイトが便利
ふるさと納税をするのに便利なサイトがあります。「ふるさと納税サイト」と呼ばれるものです。
この「ふるさと納税サイト」には、全国の自治体の返礼品が集められていて、それがカテゴリに分類されています。
欲しい返礼品の自治体を探すのにとても便利です。
さらに、これらの「ふるさと納税サイト」でふるさと納税を行う場合には、クレジットカードで支払いができるのも便利な点です。
主なふるさと納税サイト
それでは、主な「ふるさと納税サイト」をご紹介しましょう。
1 | さとふる | |
---|---|---|
2 | ふるり | |
3 | ふるさとプレミアム |
まとめ|ふるさと納税返戻金高額狙いは今のうちに
このように、ふるさと納税の返礼品を制限する方向にあります。
しかし、このような返礼品の制限をすれば解決する問題ではありません。
税収格差を是正するのは、国税を一定割合で自治体に配分する地方交付税の役割です。
自治体同士が結果的に税収を奪い合う、ゆがんだ制度そのものを見直すべでしょう。
【投稿者:税理士 米津晋次】