扶養から外れる手続き・タイミングは?外れると損?|税金・保険・手当

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収入が増えたことなどの理由で、扶養から外れることになった場合には、
できるだけ早く扶養からはずす手続きをする必要があります。

しかし、健康保険、税金、扶養手当それぞれで扶養から外れる手続きがありますし、
扶養から外れる条件も異なりますので、
場合によっては、すべて扶養から外れる手続きが必要でないことがあります。

このように、少し複雑な扶養から外れる手続きについて、今回ご説明いたします。

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扶養から外れる手続き

被扶養者(扶養になる)条件を満たさなくなったときは、できるだけ早く扶養からはずす手続きをする必要があります。

たとえば、次に該当した場合です。(健康保険、税金共通)

■ 就職をしたことなどで収入が増えた
■ 勤務先で健康保険(社会保険)に加入した
■ 結婚したりして別の家族の扶養家族になった
■ 離婚により扶養関係がなくなった。

※就職をしたり、パート・アルバイトの収入で扶養を外れる条件は、健康保険と税金では異なります。

扶養から外れる手続き:健康保険(社会保険)

扶養から外れる条件:健康保険

健康保険の場合には、継続的な年間収入が下記の金額を超える場合には、扶養から外れる手続きが必要です。

また、勤務先で健康保険(社会保険)に加入した場合は、必ず扶養から外れます。

特に、従業員501人以上の企業に勤務している場合には、年収106万円を超えると健康保険に加入することになります。(平成26年10月より)

対象となる収入:健康保険

健康保険では、対象となる収入も、税金では対象外の通勤手当や雇用保険(失業給付金)も対象になりますので、注意してください。

年収の計算方法:健康保険

・60歳未満の人
  130万円÷12ヶ月=108,333円(月額)、108,333円(月額)÷30日=3,611円

・60歳以上の人及び障害者
  180万円÷12ヶ月=150,000円(月額)、150,000円(月額)÷30日=5,000円

扶養から外れる手続き:健康保険

できるだけ早く「健康保険被扶養者(異動)届」を扶養者の勤務先へ提出してください。

また、同時に健康保険証(カード)も扶養者の勤務先へ提出しましょう。

注意点:健康保険

所得税・住民税では、年間収入は、1月1日から12月31日の合計ですが、
健康保険の場合は、上記以上の継続的な収入が得られるようになったときは、その日から扶養家族ではなくなります。

したがって、税金のように明確ではなく、曖昧なところがあります。

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扶養から外れる手続き:税金(所得税・住民税)

扶養から外れる条件:税金

税金(所得税・住民税)の扶養から外れるのは、年収が次の金額を超える場合です。

・所得税:103万円
・住民税:100万円

※これは、給与収入ですので、商売や不動産賃貸をやっている場合には次の基準になります。
・所得税:収入-必要経費=38万円
・住民税:収入-必要経費=35万円

対象となる収入と計算方法:税金

対象となる収入について、健康保険の場合は、通勤手当や雇用保険(失業給付金)も収入に含まれましたが、
税金の場合は、通勤手当や雇用保険は収入には含まれません。

※通勤手当でも、非課税限度額を超えた場合には、その超えた分は収入に含まれます。

年収の計算方法についても、健康保険とは異なります。

税金の場合は、1月1日から12月31日の収入の合計額です。

したがって、結果として、1月1日から12月31日の収入がたとえ1円でも上記の基準を超えた場合には、扶養から外れることになります。

扶養から外れる手続き:税金

税金上、扶養から外れる手続きは、扶養者がサラリーマンであれば、
通常、扶養者が前年末に記載した今年分の「扶養控除等(異動)申告書」に扶養家族の氏名などを記入してありますので、年末調整の際に、扶養家族の名前を消せばOKです。

ただ、年末で扶養からはずすと、扶養者の年末調整で所得税が不足となって多くの所得税が余分に引かれることになってしまいます。

それを防ぐためには、扶養から外れる見込みになった時点で、扶養者が勤務先に扶養家族が一人減ると申し出て、「扶養控除等(異動)申告書」の扶養欄を変更してください。

そうすると、その次の給与から扶養が一人減った所得税が引かれるようになりますので、
年末調整で多額の所得税が徴収されることがなくなります。

扶養者が商売をしていたりする場合には、確定申告の際に、扶養親族欄に記載しなければそれでOKです。

扶養から外れる手続き:扶養手当(家族手当)

扶養から外れる条件:扶養手当

扶養者の勤務先によっては、扶養手当や家族手当という手当が支給されていることがあります。

この扶養手当等が支給される・されないの基準は、勤務先によって異なりますが、
基準で多いのは、所得税の扶養に入る基準と同じにしている会社です。

なかには、家族の収入に関わらず支給するというサービス満点の会社もあります。

扶養者の勤務先の給与規定を確認してください。

扶養から外れる手続き:扶養手当

扶養者の勤務先の給与規定を確認して、扶養手当等の支給条件から外れる場合には、
できるだけ早く扶養者の勤務先に申し出てください。

手続きが遅れると、その遅れた期間は不正に扶養手当の支給を受けることになるため、
あとで扶養手当等の支給条件から外れることが判明した場合には、
申し出が遅れた期間の間に支給された扶養手当等を返金することになります。

そうなると、扶養者は勤務先に対して恥ずかしい思いをすることにもなります。

扶養から外れるタイミング

扶養から外れることになった場合についても、健康保険や税金、扶養手当で外れるタイミングが異なります。

扶養から外れるタイミング:健康保険

健康保険(社会保険)の場合には、継続的な収入が上記で説明した収入を超えることになった日(就職日など)から扶養から外れることになります。

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就職日なら明確ですが、収入が増えた場合には、いつからなのか曖昧な面があります。

扶養から外れるタイミング:税金

税金(所得税・住民税)の場合には、年途中で扶養から外れる見込みになった場合には、それが1月であろうと12月であろうと、その年の1月1日から扶養から外れることになります。

扶養からはずれるタイミングは明確です。

扶養から外れるタイミング:扶養手当

扶養手当(家族手当)の場合には、扶養から外れるタイミングは、会社によって異なります。

扶養者の勤務先の給料規定で、扶養手当等が支給されなくなるタイミングを確認してください。

扶養から外れると損?

家族の手取り金額合計で判断する

扶養から外れることが損なのかどうかを何で判断するかが問題になります。

多くの方は、家族の手取り金額の合計がどうなるかで判断すると思います。

住民税の扶養を外れた場合

まず、給与の年収が100万円を超えたなどして住民税の扶養から外れた場合は、本人に住民税がかかることが多いですが、住民税は収入の一部であり、手取り額が減ることはありません。

収入が増えれ増えるほと、手取り額は増えることになります。

生命保険料控除などにより、年収が100万円を超えても本人に住民税がかからないこともあります。

扶養者の住民税も確かに扶養控除などが減って高くなりますが、多くても年間で10万円程度です。

確かに年収100万円をほんのわずか超えた場合には、家族の手取り合計が減ることはありますが、その範囲は狭いでしょう。

そういった意味で、住民税については、扶養から外れると損になることはほとんどありません。

所得税の扶養を外れた場合

給与の年収が103万円を超えたことなどにより、所得税の扶養から外れた場合は、本人に所得税がかかることが多いです。

その場合は、住民税と同じく、収入以上の所得税を払うことはありませんから、収入が増えれば増えるほと本人の手取りは多くなります。

所得税も生命保険料控除などにより、年収が103万円を超えても、本人の所得税が0円ということもあります。

扶養者の所得税も確かに扶養控除などが減って高くなりますが、多くても年間で20万円程度です。

さらに、扶養から外れるのが配偶者の場合は、年収103万円を超えても年収141万円までは「配偶者特別控除」が受けられるため、

その範囲であれば、扶養者の所得税が高くなるのはわずかになります。

※給与収入が1000万円以上の場合は配偶者特別控除は受けられません。

所得税だけ考えれば、このように住民税と同様に、扶養から外れると損になることはほとんどありません。

世間は、多くの方が103万円以内の収入に抑えているようですが、それは必ずしも正しくありません。

所得税の扶養を外れた場合で損する可能性

しかし、所得税の扶養を外れたことで、家族の手取り合計が減ることもあります。

それば、扶養者が勤務先から扶養手当(家族手当)の支給を受けている場合です。

先ほども説明しましたが、扶養手当を支給するかどうかを所得税の扶養の基準と合わせている会社が多いので、
もし、扶養から外れると、扶養者の所得税が高くなるだけでなく、扶養手当の支給が打ち切られることもあります。

この扶養手当が数千円程度の少額であれば、影響は少ないのですが、
会社によっては扶養手当が3万円も支給されているところもあります。

この扶養手当3万円が扶養から外れることで0円になれば、影響が大きくなります。

所得税の扶養を外れる場合には、扶養者の勤務先の扶養手当の支給額とその支給基準により損をすることもあります。

その場合には、年収103万円以下に抑えることが有利になる場合が多く、手取りを多くしようとすると、年収が103万円をかなり超えることが必要になります。

健康保険の扶養を外れた場合で損する可能性

健康保険の扶養から外れる場合には、扶養者の健康保険料や厚生年金保険料が高くなることはありません。

しかし、本人に健康保険料などの保険料負担が少なくとも月額数万円増えることになりますので、手取りが減る収入の範囲が広くなります。

つまり、健康保険の扶養から外れると、家族の手取りの合計が減ることもあります。

手取りが減るかどうかの境界の目安は、年収150万円程度でしょう。

扶養から外れて働くなら、年収150万円以上にしましょう。

扶養でいることのデメリット

確かに、扶養に入ったままであれば、健康保険料や年金保険料を払わなくてもいいですし、
税金の負担もなく、扶養者の税金も安くなったり、扶養手当がついたりします。

しかし、そのためには、正社員にはなれませんし、勤務時間も制限する必要があります。

そんな勤務状況では、仕事の内容も補助的なものになることが多いでしょうし、
仕事になかなか生きがいを見出すことも困難でしょう。

もしかしたら、自分の才能を伸ばす芽を摘んでいる可能性もあります。

長期的な展望から判断すべき

短期的な手取り収入ではなく、もっと長期的視野に立てばまたその判断基準が変わってきます。

扶養に入って国民年金の第3号被保険者でいるよりは、扶養から外れて厚生年金に加入した方が、将来の年金支給額は多くなります。

また、自分が健康保険に加入するなら、けがや病気の場合に傷病手当金が支給されます。
妊娠して産休を取れば出産手当金も支給されます。

短期的な手取り収入だけで判断するだけでなく、このような長期的視野で考えて扶養から外れるかどうかを判断することも必要です。

働くことへの考え方の人それぞれで、どの考えが正解で、その考えが間違いということはありません。

扶養から外れるべきかの判断基準はざまざまですので、何を重点において判断するのかを考えて判断してください。

まとめ

扶養から外れる手続きを、健康保険、税金、扶養手当別に説明してきました。

扶養からはずれる条件もそれぞれ異なりますし、手続きを違っています。

もし扶養から外れることになった場合には、手続きが遅くなると扶養者に迷惑をかけることがありますので、早めに必要な手続きをとるようにしてください。

【投稿者:税理士 米津晋次

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