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年末調整の疑問・Q&A(扶養親族にできるか)|子・親に関して

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扶養親族
年末調整で大きく税金が変わるのが、扶養控除です。

扶養人数が多くいれば、所得税・住民税がかなり安くなります。

やや複雑な状況ですと、子や親を扶養親族に入れることができるのかどうかわかりにくいこともあります。

そこで今回は、様々な状況の子や親を扶養親族することができるかどうかを説明いたします。


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目次



年末調整の疑問・Q&A(扶養親族にできるか)|子に関して

共働きで2人以上の子がいる場合

質問
私と妻は共働きです。
私たち夫婦には、高校生の子が2人います。

2人の子のうち、ひとりを私の扶養親族に、もう一人を妻の扶養親族にすることは認められるのでしょうか?


回答

共働きの家族に2人以上の子がいる場合において、子をどちらの扶養親族にするかは自由になっています。
2人のお子さんともあなたの扶養親族にしてもいいですし、ご質問のようにそれぞれ一人ずつを扶養親族にしてもいいし、2人のお子さんとも奥様の扶養親族にしてもいいのです。

ただし、同一の子をあなたと奥様両方の扶養親族にすることはできません。

また、給与計算のときの勤務先への扶養人数の申告は仮ですので、最終的の異なっても構いません。
ご夫婦間で話し合っていただき、それぞれが扶養親族とする子をそれぞれの扶養控除申告書に記入して、それぞれの勤務先に提出してください。
その扶養親族の状態で、1年分の所得税の精算をすることになります。

給与計算の扶養数から変更

質問
私と妻は共働きで、高校生の子が2人います。
勤務先での給与計算の際は、私が扶養親族2人、妻は扶養親族0人で所得税を計算してもらっています。

これを年末調整で、私の扶養親族0人で妻の扶養親族2人というように変更してもいいのでしょうか?

回答

給与計算での扶養親族数は、あくまで仮計算です。
前問で回答したように、2人のお子さんをどちらの扶養親族にするかは自由です。

年末調整において扶養控除申告書に記入した扶養親族を、結果的に今年1年ずっと扶養していたことになります。
給与計算の扶養親族数と年末調整の扶養親族数が異なっても、何も問題はありません。

なお、ご質問のように扶養親族を変更すると、あなたは、給与計算では2人の扶養で所得税計算していて、結果的に扶養0人で年末調整をすることになります。
すると、年間所得税額が不足になる可能性が高いです。

逆に、奥様については、給与計算では扶養0人で所得税を計算していて、年末調整では扶養2人ということになると、年末調整で所得税が多く還付されることになります。

15歳以下の子

質問
私には、小学生の子が2人います。
所得税では、15歳以下の子は、扶養親族に該当しないとのことです。

そこで、扶養控除申告書の扶養親族欄には、何も記入しなくてもいいのでしょうか?

回答

所得税では15歳以下のお子さんは、子供手当が支給される関係で、扶養親族には該当しません。
しかし、住民税では、15歳以下の子も扶養親族に該当します。
したがって、ご質問の小学生のお子さんの場合には、扶養控除申告書の中央にある「控除対象扶養親族(16歳以上)の欄には、何も記入しません。

しかし、用紙下部の「住民税に関する事項」の「16歳未満の扶養親族」欄には、お子さん2人について記載してください。

扶養控除申告書(16歳未満)
この欄に記入することにより、住民税の計算では、お子さん2人について扶養控除を受けることができます。
この欄が空欄だと、住民税の計算で扶養控除を受けることができなくなります。

結婚した妻の連れ子

質問
私は、今年結婚しました。妻には、前夫との間にできた子がいて、結婚後は私と一緒に生活しています。
私とその子には、血のつながりはありませんが、私の扶養親族にしてもいいでしょうか?

回答

確かに、あなたとそのお子さんとの間に血のつながりはありませんが、そのお子さんはあなたから見て一親等の姻族です。
扶養親族にすることのできる3親等内の姻族に該当しますので、そのお子さんをあなたの扶養親族にすることができます。

なお、「姻族」とは、一方の配偶者と,他方の配偶者の血族との間の関係のことをいいます。(妻の父母・祖父母等と夫の関係など)
また、「血族」とは、血のつながりのある人をいいます。

4月から子が就職した場合

質問
私の子は、この春4月から正社員として就職しました。
この場合、1月から3月は扶養親族であり、4月から12月は扶養親族でないことになりますので、扶養控除を月割りで控除してもらうことができますか?

回答

扶養控除には、月割という考え方はありません。
原則として、その年の12月31日の現況により、扶養親族になるか、ならないかのとちからです。

ご質問の場合は、お子さんが年途中で就職していますので、年末調整では結果的に今年1月から扶養親族でなかったことになります。

留学中の子がいる場合

質問
私の娘は、今年の9月から2年間の予定で、外国の高校に留学しています。
娘には収入がなく、生活費は私から娘へ仕送りをしています。

この場合、娘は私の扶養親族とすることができますか?

回答

たとえ、留学中であっても、本人に所得がなく仕送りをしていれば、生計を一にしていることとなります。
したがって、留学中の娘さんをあなたの扶養親族とすることができます。

ただし、娘さんは非居住者に該当しますので、税制改正により平成28年分から、戸籍などの「親族関係書類」と銀行からの振込票控えなどの「送金関係書類」を勤務先へ提出または提示することが扶養控除を受ける条件になりました。





年末調整の疑問・Q&A(扶養親族にできるか)|親に関して

年金収入がある父の所得金額

質問
私の父には、厚生年金収入などの公的年金収入があり、ほかの収入はありません。
父を私の扶養親族に入れることができるかどうかの所得金額の判定は、どのようにすればいいでしょうか?

回答

年金収入による所得は、「雑所得」になり、年金収入が公的年金だけの場合に雑所得金額の計算は、次の「公的年金等に係る雑所得の速算表」を使って算出します。
親の年齢が64歳以下か65歳以上かによって、適用する速算表が異なります。

公的年金の雑所得速算表 出典:国税庁

【計算例1:親が64歳以下の場合】
たとえば、親が64歳で年金収入が150万円だった場合の雑所得金額は次のようになります。

・150万円×0.75-37.5万円=75万円

雑所得金額が38万円を超えるため、親を扶養親族に入れることはできません。

【計算例2:親が65歳以上の場合】

年金収入が同じでも、親が70歳以上の場合には、雑所得金額が異なります。

・150万円-120万円=30万円

雑所得金額が38万円以下のため、親を扶養親族に入れることができます。

母に遺族年金収入がある場合

質問
私の母は、遺族年金をもらっています。それ以外には収入がありません。
この場合、母を私の扶養親族に入れることができるかどうかの所得金額の判定は、どのようにすればいいでしょうか?

回答

遺族年金は、非課税所得に該当します。
したがって、お母様の所得金額は、遺族年金を除いて計算することになります。

お母様は遺族年金以外に収入がない、ということですので、あなたはお母様を扶養親族等として申告することができます。
もちろん、老人扶養控除、同居老親等に該当すれば、該当する控除を受けることができます。

今年父が死亡した場合

質問
私は父とずっと同居していました。その父が今年の4月に死亡しました。
私は、今年の年末調整で父を扶養親族とすることができますか?

回答

扶養親族の要件を満たすかどうかは、原則としてその年の12月31日の現況で判断します。
しかし、例外的にその年途中で死亡した場合には、その死亡日の現況で判断することになっています。

したがって、今年の年末調整で今年亡くなったお父様を扶養親族とするはできます。
もちろん、同居老親等の条件を満たしていれば、今年については同居老親等とすること等もできます。

なお、来年からは、亡くなられたお父様を扶養親族から外してください。

入院している父の同居老親等

質問
私は、昨年まで同居していた父を同居老親等として年末調整を受けていました。
父は、病気で今年の10月から病院に入院しています。
今年中に退院の見込みはありません。

この場合、私は父と同居していませんので、同居老親等に該当しないことになるのでしょうか?

回答

同居老親等とは、老人扶養親族のうち、あなた又は配偶者の父母、祖父母など(直系尊属)で、あなた又は配偶者のいずれかとの同居を常況としている人をいいます。
この「同居を常況としている」には、病気のため入院していることなどにより、一時的にあなたと別居していて、病気が治れば同居に戻ると思われる人も含まれます。

したがって、あなたはお父様を同居老親等として申告することができます。

老人ホームに入居している母の同居老親等

質問
私の母は、老人ホームに入居しています。その老人ホームでは、医療行為は行われません。
この場合、私は母を年末調整で同居老親等として申告することができますか?

回答

医療行為を行わない老人ホームへ入居している場合、その入居者の住所はその老人ホームになります。
したがって、あなたと老人ホームに入居しているお母様とは、同居の常況にはないこととなりますので、お母様をあなたの同居老親等として申告することはできません。

単身赴任で別居している共働きの妻と同居している母の同居老親等

質問
私と妻は共働きです。私は今年途中に転勤により単身赴任しています。
私の母は、自宅に残った妻と同居しています。

この場合、私と母は同居していませんが、母を私の同居老親等とすることはできるでしょうか?

回答

同居老親等とは、老人扶養親族のうち、あなた又は配偶者の父母、祖父母など(直系尊属)で、あなた又は配偶者のいずれかとの同居を常況としている人をいいます。
つまり、お母様はあなたと同居していなくても、奥様と同居していれば、あなたの同居老親等とすることができます。

もちろん、あなたの同居老親等ではなく、奥様の同居老親等とすることもできます。

継母(後妻)の扶養

質問
私の父は過去に再婚し、今年死亡しました。父には継母(後妻)がおり、一緒に生活しています。
継母には所得がありません。

この場合、私は継母を扶養親族にすることができますか?

回答

お父様が亡くなっても、継母の姻族関係を終了する届出を行わない限り、その姻族関係は継続します。
その場合、あなたにとって継母とは血のつながりはありませんが、一親等の姻族になります。

扶養親族の条件である3親等内の姻族ですので、あたなは継母を扶養親族とすることができます。




まとめ


今回は、様々な状況の子や親を扶養親族することができるかどうかを説明いたしました。

特に、同居老親等に該当すると、引いてもらえる金額が増えますんで、今回の記事を参考に、扶養控除申告書に正しく申告してください。


【投稿者:税理士 米津晋次

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