配偶者特別控除申告書の書き方・記入例|配偶者の所得金額の計算など

配偶者特別控除

毎年11月になると、会社から年末調整関係書類を提出するように言われますよね。

いざ、書こうとすると、年末調整関係書類の中でも「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」は、たくさんの項目に分かれていて、いったいどこに何を書けばいいのかとてもわかりにくいです。

そこで今回は、「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」用紙の右半分の「配偶者特別控除欄」について、その記入方法を説明しましょう。


なお、平成30年からは、この配偶者特別控除が大きく変わります。

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配偶者特別控除申告書の書き方・記入例|配偶者特別控除とは



配偶者特別控除の概要・趣旨


昭和62年に、税制調査会の答申を受け、主としてサラリーマン世帯について税負担の調整を図る趣旨で、配偶者特別控除が創設されました。

その理由は次のものです。

・家庭の主婦も夫の所得を得るのに貢献をしていること

・事業所得者においては、配偶者へ青色事業専従者給与の支払によって税負担調整を図ることができるのに対し、サラリーマンは税負担の調整ができないこと


つまり、配偶者特別控除は、

(1)事業所得者と給与所得者の税負担のバランスをとる

(2)配偶者の所得稼得に対する貢献度を配慮する

(3)パート103万円問題(103万円を超えた場合の手取所得の逆転現象)にも対処するもの

として創設されたのです。


配偶者特別控除を受けられる人


次の条件のすべてを満たす人は、配偶者特別控除を受けることができます。

(1)控除を受ける人のその年における合計所得金額が1,000万円以下であること。
※給与収入のみの場合は、給与収入1,220万円以下

(2)配偶者が、次の5つの要件全てに当てはまること。

イ、民法の規定による配偶者であること。(内縁関係の人は該当しません)

ロ、控除を受ける人と生計を一にしていること。

ハ、その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

ニ、他の人の扶養親族となっていないこと。

ホ、年間の合計所得金額が38万円超76万円未満であること。
 ※給与収入のみの場合は、給与収入103万円超141万円未満


配偶者特別控除額の計算


◆配偶者の所得金額に対する配偶者特別控除額


配偶者特別控除額は、配偶者の合計所得金額に応じて次のようになっています。

 配偶者の合計所得金額  配偶者特別控除の控除額
・38万円を超え40万円未満:38万円
・40万円以上45万円未満 :36万円
・45万円以上50万円未満 :31万円
・50万円以上55万円未満 :26万円
・55万円以上60万円未満 :21万円
・60万円以上65万円未満 :16万円
・65万円以上70万円未満 :11万円
・70万円以上75万円未満 :6万円
・75万円以上76万円未満 :3万円
・76万円以上       :0円

◆配偶者の給与収入に対する配偶者特別控除額


配偶者の所得が給与収入だけだった場合の配偶者特別控除額も表にしてみます。
所得金額では、わかりにくいですからね。


 配偶者の合計所得金額  配偶者特別控除の控除額
・103万円を超え105万円未満:38万円
・105万円以上110万円未満 :36万円
・110万円以上115万円未満 :31万円
・115万円以上120万円未満 :26万円
・120万円以上125万円未満 :21万円
・125万円以上130万円未満 :16万円
・130万円以上135万円未満 :11万円
・135万円以上140万円未満 :6万円
・140万円以上141万円未満 :3万円
・141万円以上       :0円



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配偶者特別控除申告書の書き方・記入例|配偶者の氏名など


ここでは、配偶者特別控除申告書の配偶者特別控除欄の「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」から「生計を一にする事実」までの記入方法を説明します。


あなたの本年中の合計所得金額の見積額


この欄、空欄で結構です。

本来は、自分の今年の合計所得金額が1,000万円(給与収入のみの場合は、給与収入1,230万円)を超える場合には、配偶者特別控除を受けられませんので、それを確認する欄です。


配偶者の氏名


配偶者のお名前をフルネームで記入します。


配偶者の生年月日


配偶者の生年月日を和暦で記入してください。


あなたと配偶者の住所又は居所が異なる場合の配偶者の住所又は居所


通常は、配偶者の方と同居でしょうから、この欄は空欄で結構です。

配偶者と別居している場合は、配偶者の住所を記入してください。


非居住者である配偶者


配偶者が海外に住んでいたりして「非居住者」に該当する場合に○をつけます。

○をつけた場合には、親族関係書類の提出又は提示が必要になります。

なお、「親族関係書類」とは、配偶者が親族であることを証明する次の(1)又は(2)のいずれかの書類です。

(1)戸籍の附票の写し(原本)及びパスポート)のコピー

(2)外国政府又は外国の地方公共団体が発行した戸籍謄本、出生証明書、婚姻証明書など

※日本語訳も必要です。


生計を一にする事実


配偶者が非居住者である場合に、今年の送金金額を記載します。

送金関係書類の提出又は提示が必要です。

なお、「送金関係書類」とは、海外に住む配偶者の生活費に充てるために送金した事実を証明する書類をいいます。

具体的には、次のようなものです。

(1)銀行等の金融機関から行った振込の控えのコピー

(2)クレジットカードの明細コピーで配偶者が家族カードを使用して商品等を購入してことがわかるもの

ここまでの記載例


「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」から「生計を一にする事実」までに記入例は次のとおりです。

配偶者特別控除申告書記載例 出典:国税庁




配偶者特別控除申告書の書き方・記入例|配偶者の合計所得金額


次に、配偶者特別控除申告書の配偶者特別控除欄の「配偶者の合計所得金額」の計算欄の記入について説明します。


この欄は、タイトルどおり、配偶者の今年の所得金額を計算する欄になっています。

難しそうですよね。
でも大丈夫です。説明しますから。

所得の種類


用紙には、「給与所得(1)」から「(1)から(6)以外の所得(7)」まで7つの所得に分けて計算するようになっていますね。

所得金額の計算方法は、所得の種類によって計算方法が異なるからなんです。


(1)から(6)でわかりにくいのは、雑所得(3)でしょうか。

「雑所得」に入る主なものとしては、年金収入、アフィリエイトなど副業による所得、FXによる利益、貸付金利息などがあります。

それと、「(1)から(6)以外の所得(7)」に入るものとしては、生命保険満期金や解約返戻金、賞金など(これらは「一時所得」です)や、有価証券売却益、不動産売却益など(これらは「譲渡所得」です)です。

給与所得の場合


多くの配偶者の所得は、パートなどの給与所得のみでしょうから、まず給与所得行について説明します。

収入金額等(a)欄


今年のこれまでの給与収入を集計し、それにこれから12月31日までの給与収入の見込み額を加算して、今年の給与収入見積額を計算します。

それを「給与所得(1)]行の「収入金額等(a)」欄に記入します。

所得金額(a)-(b)欄


「収入金額等(a)」に記入した金額から65万円を引いた金額を「所得金額(a)-(b)」欄に記入します。

たとえば、給与収入が117万円であれば、「所得金額(a)-(b)」欄は52万円になります。


年金収入(雑所得)の場合


国民年金や厚生年金などの公的年金のみの場合の雑所得の金額の場合を説明します。

この公的年金収入の場合は、

「次の公的年金等に係る雑所得の速算表」により計算した結果を先に「所得金額(a)-(b)」欄に記入し、

「必要経費等(b)」欄は、「収入金額等(a)」-「所得金額(a)-(b)」で計算して記入するといいでしょう。

【公的年金雑所得速算表】

たとえば、70歳で公的年金収入が150万円の場合は、

「所得金額(a)-(b)」の金額は、

「65歳以上の方」の「120万円超330万円未満」の欄を見て

・収入金額150万円-120万円=30万円

となります。

この場合、「必要経費等(b)」欄は、

・収入金額150万円-所得金額(a)-(b)30万円=120万円

を記入することになります。


退職所得の場合


退職所得の場合の「必要経費等(b)」欄は、次の「退職所得控除表」によって計算した金額を記入します。

退職所得控除額 出典:国税庁

※1、退職所得控除額が退職所得収入より多い場合は、退職所得収入の金額になります。

※2、勤続年数に1年未満の端数があるときは、たとえ1日でも1年として計算します。

※3、上記の算式によって計算した金額が80万円未満の場合は、退職所得控除額は80万円になります。

※4、障害者となったことに直接基因して退職した場合は、上記により計算した金額に、100万円を加算した金額が退職所得控除額になります。


たとえば、退職所得収入が100万円で、勤続年数が3年であれば退職所得控除額は、

・40万円×3年=120万円>退職所得収入100万円

ですので、「必要経費等(b)」欄は100万円となり、
「所得金額(a)-(b)」欄は0円となります。


事業所得、不動産所得、雑所得(公的年金以外)の場合


事業所得、不動産所得、雑所得(公的年金以外)の場合は、「収入金額等(a)」、> 「必要経費等(b)」をそれぞれ集計し、その差額を「所得金額(a)-(b)」に記入します。


その他の場合の場合


上記以外の所得については、それぞれに所得金額を計算します。

計算方法は複雑ですし、該当する方は少ないと思われますので、ここでは省略します。


配偶者の合計所得金額(A)を計算


上記で計算した「所得金額(a)-(b)」を縦に集計して「配偶者の合計所得金額(A)」欄に記入します。

配偶者の合計所得金額欄の記載例


配偶者特別控除申告書記載例 出典:国税庁

配偶者特別控除申告書の書き方・記入例|配偶者控除額


最後に、配偶者特別控除額を計算します。

配偶者特別控除額


上記「配偶者の合計所得金額(A)」欄の金額を、用紙にある「配偶者特別控除額の早見表」の該当欄にあてはめて、その右側の「控除額(B)」欄を「配偶者特別控除額」欄に記入します。

配偶者特別控除早見表
たとえば、「配偶者の合計所得金額(A)」欄が52万円であれば、「配偶者特別控除額の早見表」の「500,000円から549,999円まで」の行に該当しますので、その右側の控除額(B)の260,000円を「配偶者特別控除額」欄に記入することになります。

配偶者特別控除額の記載例


配偶者特別控除申告書記載例 出典:国税庁



まとめ


今回は、配偶者特別控除申告書の配偶者特別控除欄について、その記入方法を説明しました。

この配偶者特別控除欄の記入はとても重要で、記入した金額が実際と大きく異なると、翌年秋に税務署から会社へ是正するように通知があります。

そうなると、とても恥ずかしい思いをしますので、上記の記事を参考に、正確に記入してください。








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【投稿者:税理士 米津晋次

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