年金受給資格期間10年に短縮|25年がいつから変更?期間不足のときは?

年金 政府は、2016年9月26日の臨時閣議で、年金を受け取れない人を減らすため、年金の受給資格を得られる加入期間を25年から10年に短縮する法案を決定しました。 同日の安倍首相の所信表明演説でも、言及しました。 そこで今回は、年金受給資格について、従来の規定を確認するとともに、それがどう変わったのかについて説明したいと思います。
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年金受給資格期間10年に短縮|現状は25年

従来の年金受給資格期間は25年

これまでの規定では、老齢基礎年金を受けるためには、次の(1)(2)(3)をを通算した期間が原則25年間(300月)以上あることが必要でした。これを「年金受給資格期間」(納付期間)といいます。 (1)厚生年金保険料を納めた期間 (2)国民年金保険料を納めた期間 (3)保険料を免除された期間と合算対象期間 単純に保険料を納めた期間だけが含まれるのではありません。 もし、この期間が25年に1ヶ月でも足りなければ、年金は原則1円たりとも受け取れませんでした。 いままで支払ってきた保険料は、全て掛け捨てになってしまいました。

合算対象期間とは

「合算対象期間」とは、年金額に反映されない「カラ期間」と呼ばれているものです。 合算対象期間には、次のものがなどあります。 (1)1961年(昭和36年)4月以降海外に住んでいた期間 (2)1986年(昭和61年)3月以前に、国民年金に任意加入できる人が任意加入しなかった期間 (3)1991年(平成3年)3月以前に、学生であるため国民年金に任意加入しなかった期間 なお、いずれもそのうち20歳以上60歳未満の期間になります。

未納期間も「年金受給資格期間」に含まれない

自営業者などの国民年金を自分で納付する1号加入者が、納付忘れなどで未納だった期間も、 「年金受給資格期間」には含まれません。

国民年金免除制度

所得が少なく国民年金保険料の納付が困難なときは「国民年金保険料免除制度」があります。 この「国民年金保険料免除制度」には、障害があったり生活保護を受けている場合などの「法定免除」と、所得が減ったなどの理由で市区町村に申し出る「申請免除」があります。 この免除制度には保険料の全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除といった種類があります。 それらの各免除期間は加入期間としてカウントされ、払った保険料に応じて年金額に反映されます。 国民年金の納付が厳しいときには、未納状態にせず、ぜひこの制度を利用してください。

学生特例国民年金納付猶予制度

20歳になると、その日から国民年金の被保険者となり、国民年金保険料の納付が義務づけられています。 それは、学生でも例外ではありません。 しかし、学生については、申請により在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」が設けられています。 本人の所得が次の金額以下の学生が対象です。 ・118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等 なお、学生とは、大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校及び各種学校、一部の海外大学の日本分校に在学する人をいいます。 夜間・定時制課程や通信課程の学生も含まれます。

年金受給資格期間10年に短縮|いつから変更

2016年9月26日臨時閣議決定及び首相所信表明演説で言及

政府は、2016年9月26日の臨時閣議で、年金の受給資格が得られる加入期間を25年から10年に短縮する必要な法案を決定しました。 また、同日の第192国会における安倍首相による所信表明演説の中でも、次のように言及しています。 「アベノミクスの果実も活かし、優先順位を付けながら社会保障を充実していきます。無年金者対策は喫緊の課題であり、来年度中に、年金受給資格期間を25年から10年へと短縮します。」 年金受給資格期間の短縮は、消費税率を10%に引き上げて実施する予定でしたが、年金を受け取れない人を減らすため、消費増税に先立って年金の受給資格の短縮を先行して行うことになりました。

年金受給資格期間10年へ短縮することで40万人が受給資格を得る

この年金受給資格期間を10年に短縮することにより、初めて基礎年金の受給資格を得る人はおよそ40万人と見込まれます。 さらに65歳までに厚生年金を受け取れる人などを含めると、対象者はおよそ64万人に上る見込みです。

年金受給資格期間10年へ短縮は2017年8月から?

いつから年金受給資格期間が10年へ短縮されるのでしょうか。 2017年8月1日から年金受給資格期間を10年へ短縮することになりました。

年金受給資格期間10年に短縮|期間が不足のとき

60歳の段階で受給資格期間に足りない場合には、次の方法があります。

事前に確認すべきこと

ただ、その前にまずやるべきことがあります。 自分の受給資格期間がどれだけあって、不足分はどれだけの期間なのか確認しておくことです。 世間を震撼させた「年金記録問題」でわかったように、「国に記録されている期間が本当に正しいのかどうか」も確かめることも大切です。 国から届く「ねんきん定期便」で受給資格期間や記録の漏れの有無をチェックしましょう。 「ねんきん定期便」が見つからなければ、事前に年金事務所で確認することもできます。。

国民年金保険料の滞納分の納付

直近に国民年金の滞納期間があれば、その期間の保険料を納めます。 ただし、時効の関係で直近2年間の滞納期間しか保険料を納めることができませんので、注意が必要です。

国民年金保険料の後納制度

国民年金保険料の後納制度とは、時効で納めることができなかった国民年金保険料について、平成27年10月から平成30年9月までの3年間に限り、過去5年分まで納めることができる制度です。 過去には、10年間分を後納できる制度がありましたが、その「10年の後納制度」は、平成27年9月30日をもって終了しています。

70歳まで厚生年金強制加入

会社に勤めていれば、厚生年金に70歳まで強制加入となっています。 したがって、60歳以降も就職して働くことにより加入期間が増えることになります。 70歳になってもまだ受給資格を満たしていない場合は、その後も任意加入することが可能です。(厚生年金の高齢任意加入被保険者) この「高齢任意加入被保険者」の資格は、老齢基礎年金の受給権を得たところで自動的に喪失することになります。 また、納付期限までに納めなかったときは、納付期限の前月末で被保険者の資格がなくなってしまいますので要注意です。

65歳未満の国民年金任意加入

定年退職後再就職しない人や、自営業になった人でも、任意で65歳までは国民年金保険料を納めることができます。

70歳までの国民年金任意加入

国民年金の加入は60歳までとなっていますが、1965年(昭和4年)4月1日以前に生まれた人で、25年の受給資格を満たしていない人は、特例措置として70歳まで国民年金に任意加入が可能になっています。 ただし、加入期間が25年に達した段階で終了になります。

費用対効果も確認すべし

受給資格期間を満たすためや年金額を増やすために年金保険料を追加納付することは、それだけ支出が増えることになります。 したがって、受給資格期間を満たすまでの支払保険料と、受給期間を満たすことで受け取れる年金額を事前に把握してから実行されることをお勧めします。 計算が難しい方は、年金事務所で試算してもらいましょう。

まとめ

今回は、年金受給資格について、現状規定を確認し、これからどう変わったのかについて説明してきました。 もし、受給資格期間が足りない場合には、上記でご紹介した制度を使って受給資格期間を満たすようにしましょう。 受給資格期間を満たした人も、それで満足せず、年金額を増やすことも検討しましょう。 【投稿者:税理士 米津晋次
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