医療費控除で歯科の自由診療(自費、保険外)は対象になるのか?

shikaeisei
歯の治療費では、健康保険がきかないものが多くあります。

そのような治療費は、全額自己負担となりますので経済的な負担が重いです。

治療費の負担を軽減する制度のひとつとして、医療費控除制度がありますが、
保険外の自由診療についても医療費控除の対象になるのかわかりにくいです。

そこで今回は、歯科の自由診療費が医療費控除の対象になるかどうかについて説明いたします。



スポンサードリンク
  

医療費控除にける歯科の自由診療(自費、保険外)の扱い



医療費控除の概要


医療費控除とは、1年間にかかった医療費から10万円(所得が200万円以下の場合、所得の5%)を差し引いた金額が課税所得から引かれることにより、所得税や住民税が安くなり、医療費の負担を軽減する制度です。

実際に軽減又は還付される税額は、

・医療費控除額×税率

です。


たとえば、所得税率10%の人が30万円の医療費がかかった場合の所得税の軽減・還付額は、

・(医療費30万円-10万円)×所得税率10%=2万円

となります。


なお、医療費控除の適用を受けるには、税務署に対して確定申告書の提出が必要となります。

その際には、医療費の明細表の提出や、領収書の提出または提示をしなければなりません。



歯科の自由診療(自費、保険外)は医療費控除の対象になるのか


歯の治療については、保険のきかないいわゆる自由診療(自費診療、保険外)によるものや、高価な材料を使用する場合などがあります。

これらの治療費は、がかなり高額になることがあります。

単純に、健康保険が適用されるから医療費控除の対象になり、自由診療になるから医療費控除の対象にならないという訳ではありません。


歯の治療については、美容目的である場合、一般的に支出される水準を著しく超えると認められる特殊なものは医療費控除の対象になりません。



医療費控除で歯科のセラミック治療を受けた場合は?


歯科のセラミック治療の種類


歯科におけるセラミック治療の種類を説明します。

ハイブリッドセラミック


ハイブリッドセラミックは、最近開発された歯科素材のひとつです。

セラミックは透明感があり、色が天然歯に近く、金属アレルギーの心配もありませんが、壊れやすいという最大の弱点があります。
このため、奥歯など大きな力が加わる部位には積極的には使用できませんでした。

このセラミックの弱点を克服した素材がハイブリッドセラミックです。

従来は、奥歯にできた虫歯には金属を詰めていましたが、このハイブリッドセラミックインレーを使うことにより、治療後も自然な歯の状態を維持することができるようになりました。


オール.セラミッククラウン


オール.セラミッククラウンとは、審美性の高い素材であるセラミックで作った歯の被せ物、またそれを使った治療法のことをいいます。

歯を全体的に一回り小さく削り、上からセラミック製のクラウンを被せることで歯を美しく整えます。

金属を一切使用していないセラミックのみの被せ物ですので、光の透過性が高く、色調もきわめて自然に再現することができます。

前歯など目立ちやすい部分に最適なものです。

金属アレルギーの心配はなく、歯や歯茎が黒ずむこともありません。

メタルボンドセラミッククラウン


メタルボンドセラミッククラウンは、通常の保険のきかない差し歯で使用されています。
色調、形態ともにすぐれています。

唾液の吸収による変色や口臭の心配もありません。

内側を強固な金属で補強しますのでブリッジなどに最適なものです。

ハイブリットセラミッククラウン


ハイブリットセラミッククラウンは、セラミックとプラスチックの掛け合わせた素材で作製するものです。
色調、強度ともに保険のプラスチックに比べ優れています。

金属で補強する場合があります。


通常のセラミック治療は医療費控除の対象になる


健康保険法で認められた保険診療の対象とならない自由診療であっても、歯科においてセラミックを歯の治療材料として使用することは一般的に行われています。

そのため、セラミックを使った治療の対価は、原則医療費控除の対象になります。


通常ありませんが、もし、1本100万円とかいうセラミックを使用した場合は、一般的に支出される水準を著しく超えると認められる特殊なものに該当し、医療費控除の対象にはなりません。


治療を受けるための交通費も医療費控除の対象となる


治療のための通院費も医療費控除の対象になります。

ただし、通院費として認められるのは、交通機関などを利用したときの人的役務の提供の対価です。
自家用車で通院したときのガソリン代や駐車場代等は、医療費控除の対象になりません。

なお、小さいお子様の通院など、付添が必要な場合は、付添人の交通費も通院費に含まれます。

通院費は、領収書が出ないものが多いですから、通院した日、交通機関、金額を記録しておくようにしましょう。





医療費控除で歯科の金歯を入れた場合


金歯も原則医療費控除の対象となる


健康保険法で認められた保険診療の対象とならない自由診療であっても、歯科において義歯(入れ歯)やクラウン(被せ物)に金を歯の治療材料として使用することも一般的に行われています。

したがって、金歯(ゴールドクラウン、ゴールドインレー)や金冠など、金を使った治療費も原則医療費控除の対象になります。


金歯でも美容目的やあまりに高額なものは医療費控除の対象とならない


金歯などでも、治療目的でなく、美容目的で入れる場合は、1本100万円以上するようなあまりに高額なものは、医療費控除の対象にはなりません。

医療費控除は、あくまでも治療が目的の費用が対象だからです。

スポンサードリンク


医療費控除で歯科の検診、クリーニング、ホワイトニングは対象になるのか


歯科検診は医療費控除の対象になるのか


健康診断等の費用は、疾病の治療を行うものではないので、原則として医療費控除の対象とはなりません。

その意味で、歯科検診のみの場合も、医療費控除の対象になりません。


ただし、歯科検診の結果、治療が必要になり、引き続きその歯科治療を行った場合には、その歯科検診費用は治療に先立って行われる診察と同様に考えることができますので、歯科検診費用も医療費控除の対象になります。


歯科クリーニング費用は医療費控除の対象となるのか


歯科クリーニングとは


歯科医院で行われるクリーニングには、以下のような種類があります。

歯石除去クリーニング

歯のクリーニングは、歯石除去と呼ばれることが多いです。

先が尖ったスケーラーと呼ばれる器具を使い、歯科医師や歯科衛生士が歯石を取り除いていきます。
先を歯石部分に引っ掛け、力を入れて取り除く手動タイプと、振動で汚れを落とす超音波タイプがあります。

1本の歯の歯石を取るのに時間がかかるため、何回かに分けて行うこともあります。

虫歯や歯周病予防の目的に行うため、健康保険が適用されます。
歯の表面に着色のある歯石がたくさん付いている場合は、これを除去するだけでキレイになりますが、もともとの歯が黄色みを帯びている場合は、それ以上白くすることができません。

PMTC

PMTCとは、Professional Mechanical Tooth Cleaningの略で、歯科医師や歯科衛生士がさまざまな機器とフッ素入り研磨剤を使って行う歯面清掃のことです。

虫歯や歯周病の原因になる歯垢にニュータンス菌などが棲み付き、歯磨きなどでは落とすことができないほどしっかり定着したものを除去できるのが、PMTCなのです。

PMTCでは、専用の器具から重炭酸ナトリウムを高速噴射して歯の表面の着色を除去し、フッ素配合ジェルと回転ブラシなどの器具を使って歯の研磨します。
そして、仕上げにフッ素を塗布します。

なお、PMTCでは歯石を取り除くことはできないので、通常のクリーニングで歯石除去を施してから行います。


歯科クリーニング費用は医療費控除の対象とはならない


歯科のクリーニングは、虫歯や歯周病予防目的に行うものです。治療が目的ではありません。

医療費控除は、治療費が対象になるものですので、歯科のクリーニング費用は医療費控除の対象にはなりません。


なお、歯の色を白くするホワイトニングも治療が目的ではありませんので、クリーニング費用と同じく医療費控除の対象にはなりません。




まとめ


歯科で自由診療費となる費用(セラミック、金、歯科検診、クリーニング、ホワイトニング)について、医療費控除の対象になるかどうかを説明してきました。

単純に、健康保険が適用されるから医療費控除の対象になり、自由診療になるから医療費控除の対象にならないという訳ではありません。

それが医療費控除の対象となる治療費に該当するのか、医療費控除の対象とならない予防や美容が目的なのかで判断して、正しく医療費控除を行っていただきたいと思います。



スポンサードリンク
(Visited 1,014 times, 19 visits today)

おすすめ記事

  • Pocket
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す




関連記事

医療費控除で人間ドッグ費用は対象か?精密検査・再検査・PET検査は?
REIT(上場不動産投資信託)の税金(損益通算・繰越控除・配当控除)
確定申告の必要書類|申告書・計算書・証明書、住宅ローン控除、特例
確定申告が初めての方へ|確定申告の概要、必要なもの、手順など
金投資・売却|同じではない税金(事業所得・雑所得・譲渡所得)
外貨預金の税金|利息以外に為替差益に要注意
内職の税金|家内労働者等の必要経費特例、特例条件、確定申告の方法
確定申告でふるさと納税を寄附金控除|必要書類と書き方、還付等のしくみ
確定申告で漏れやすい・忘れやすいもの7選|最終チェックしましょう
医療費控除の領収書について(返却希望、紛失の場合、まとめ方など)
確定申告の時期・期限|提出義務がある人、還付申告、期限後を過ぎると
確定申告で住宅ローン控除|概要、適用条件、手続き、必要書類など
確定申告|認められる必要経費・どこまでが必要経費・注意点
確定申告が必要な人|サラリーマン、年金収入、退職金、その他の所得
住宅ローン控除|住宅ローンの借り換えをした場合の条件、計算方法

Menu

HOME

TOP