確定申告書A・Bの違いとは?|見た目、所得種類、予定納税欄、職業欄など

確定申告

所得税の確定申告書にはAとBがありますね。

確定申告が初めての方にとっては、いったいどちらを使えばいいのかでさえもわかりません。

そこで今回は、所得税確定申告書AとBの違いについて説明しましょう。

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目次

確定申告書A・Bの違いとは?|様式の違い

確定申告書A様式

所得税確定申告書A様式は、このようなものです。

所得税確定申告書A

確定申告書B様式

所得税確定申告書B様式は、次のようなものです。

所得税確定申告書B

確定申告書AとBの見た目の違い

確定申告書A様式と確定申告書B様式の見た目の違いは、ズバリ!項目の数ですね。

確定申告書B様式には、細かい項目数がたくさんあります。

記入する前から、その項目数の多さに圧倒されるかもしれません。

一方、確定申告書A様式は項目数が少なく、項目も大きく、これなら簡単に記入できそうなイメージです。

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確定申告書A・Bの違いとは?|記入できる所得の違い

確定申告書Aで記入できる所得

所得税確定申告書A様式で申告できる所得は次のものに限られています。

所得税確定申告書A所得金額

◆給与所得

給与所得とは、会社員やアルバイト、パートさんの給料による所得をいいます。

◆雑所得

雑所得とは、公的年金や原稿料・講師料などの副業による所得をいいます。

◆配当所得

配当所得とは、法人から受ける株式配当金など、利益の配当や剰余金の分配などによる所得をいいます。

◆一時所得

一時所得とは、生命保険や損害保険の満期一時金などの臨時的な所得をいいます。

ほかには、懸賞や福引の賞金や商品も一時所得に該当します。

確定申告書Bで記入できる様式

所得税確定申告書B様式では、A様式で申告できる所得に加えて、次の所得についての申告もできます。

◆事業所得

個人事業主の商売による所得をいいます。

◆不動産所得

不動産を賃貸している人が、不動産賃貸料による所得をいいます。

◆利子所得

利子所得とは、預貯金や公社債の利子や、合同運用信託、公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託の収益の分配による所得をいいます。

ただし、これらは原則として所得税等が源泉徴収され、さらに源泉分離課税方式といって、それで課税関係は終了していますので、確定申告する必要はありません。

例外的に確定申告が必要なのは、外国の金融機関の口座の利子です。

外国の金融機関の口座では、利子を受け取るときに所得税等が源泉徴収されていないからです。

◆譲渡所得

資産を売却したことによって売却益が発生した場合の所得をいいます。

不動産(土地・建物)を売却した場合や株式を売却した場合だけでなく、事業用車両を売却した場合なども譲渡所得となります。

所得税確定申告書B所得金額

確定申告書Bでは、前年から繰越した損失額を本年分から差し引く場合にも使用する

青色申告者の場合、損益通算をしてもなお残った損失については、翌年以降最大3年間繰り越すことができます。

つまり、その年の所得から前年以前の損失を控除することができるのです。

所得税確定申告書B繰越損失

確定申告書Bは、変動所得や平均課税を選択した場合にも使用する

作家や漫画家、作曲家、作詞家、漁師といった職業の人は、年によって所得が大きく変わる傾向があります。

旧に売れたり豊漁だったりして、突然、大きな利益が出ることがあります。

そのときに所得税を安くしてくれる制度に「平均課税」というものがあります。

この平均課税の制度を受けるときも、確定申告書B様式を使います。

所得税確定申告書B平均課税

確定申告書A・Bの違いとは?|予定納税欄の有無の違い

確定申告書Aには、予定納税欄がない!

所得税は、前年の年間所得税が15万円以上の場合、7月末と11月末に前年所得税額の1/3ずつを前払いしなくてはなりません。

この所得税の前払いを「予定納税」といいます。

予定納税をしている場合には、当然確定申告で所得税の精算をします。

◆予定納税額<年間所得税額の場合

予定納税額合計額よりも、年間所得税額の方が多い場合には、確定申告により不足分の所得税を追加納付します。

一方、予定納税額合計額が、年間所得税よりも多い場合には、所得税の払い過ぎ状態になっていますので、確定申告をして払いすぎた所得税の還付を受けます。

◆サラリーマンや年金受給者には予定納税は普通ない

しかし、サラリーマン、パートさんなどの給与所得者は、給料から所得税が源泉徴収されます。

また、年金受給者も所得税が年金収入から天引きされます。

このように、源泉徴収される所得には、予定納税は適用されません。

したがって、サラリーマンや年金受給者には、ふつう予定納税はありません。

だから、確定申告書A様式には、予定納税欄がないのです。

確定申告書Bには、予定納税欄がある!

それに対して、事業所得や不動産所得がある人の多くは、予定納税が発生し、確定申告では所得税の精算が必要です。

したがって、確定申告書B様式には、予定納税欄があるのです。

所得税確定申告書B予定納税

確定申告書A・Bの違いとは?|B様式には職業、屋号・雅号欄がある

所得税確定申告書A様式になく、B様式にあるものとしては、「職業」欄と「屋号・雅号」欄があります。

確定申告書Aには、職業や屋号は必要ない!

確定申告書A様式は、サラリーマンや年金受給者が使う様式で、所得の種類も決まりますから、屋号はもちろん、職業欄さえもありません。

確定申告書Bには、職業や屋号の情報が必要!

一方、確定申告書B様式は、さまざまな人が使う様式です。

所得の種類だけでは、税務署側が見るときに申告内容がわかりにくいですよね。

職業や屋号という情報があると、業種の特徴などもありますので、申告内容がわかりやすくなります。

所得税確定申告書B職業屋号

確定申告書A・Bの違いとは?|使い分けのまとめ

確定申告書の簡易様式がA

上記で見たように、確定申告書A様式は、対応できる所得が給与と雑所得など一部で、予定納税のない人専用です。

使える人を絞ることにより、申告書の項目数を減らすことができます。

つまり、確定申告書A様式は、確定申告書の簡易様式だといえます。

記入する項目欄が少ないと、申告書に記入するにも、簡単そうに思いますよね。

確定申告書Aを使うといい場合

所得税確定申告書Aは、サラリーマンやパート、アルバイトの人(給与所得者)や年金受給者が確定申告をするのに使うと思えば、概ね正解でしょう。

◆給与所得者の医療費控除

給与所得者が、年末調整で受けられない医療費控除を受ける際には、確定申告が必要です。

◆給与所得者の住宅ローン控除

給与所得者が、住宅ローンを使って自宅を取得等した初年度に住宅ローン控除を受けるには、確定申告をしなくてはなりません。

◆年途中で退職して再就職しなかった場合

年の途中で退職して、年内に就職しなかった場合には、年末調整を受けていませんので、所得税の精算ができていません。

そのため、このような人は確定申告が必要なのです。

◆複数会社からの給与

複数会社から給与の支払を受けている人は、主の勤務先以外の勤務先では年末調整を受けられず、所得税の精算が終わっていません。

そこで、確定申告をして所得税の精算をする必要があります。

◆給与所得者の副業

サラリーマンなどの給与所得者が副業で原稿を書いたり、講師をしたり、アフィリエイトをしたりして給与以外の所得がある場合、その給与以外の所得を含めて適正な所得税を計算しなくてはなりません。

したがって、給与所得者が副業をやっている場合も、確定申告は必要です。

確定申告書Bを使うといい場合

◆事業所得のある場合(個人事業主)

個人で小売業や製造業、建設業、サービス業、農業などの事業を営んでいる人は、その事業(商売)で得た所得(事業所得)を申告します。

◆不動産所得のある場合(不動産賃貸業)

アパートやマンション、駐車場を賃貸して収入のある人が得た所得(不動産所得)を申告します。

◆譲渡所得のある場合(不動産・株式など)

土地・建物といった不動産や株式等を売却した場合、事業用資産を売却した場合に得た所得(譲渡所得)を申告します。

確定申告書Bにさらにほかの申告書を追加する場合がある

◆所得金額が赤字の場合など

所得金額が赤字の場合などは、「確定申告書B」に加えて「申告書第四表(損失申告用)」を使用します。

◆所得金額が赤字の場合など

不動産(土地、建物)や株式等の譲渡所得がある場合などは、「確定申告書B」に「申告書第三表(分離課税用)」を追加して使います。

確定申告書Aが使える人もBを使ってもOK

確定申告書Aは、上記で説明したように、給与所得、雑所得、配当所得、一時所得専用の様式です。

しかし、これらの所得の人は確定申告書A様式を使わなければならない訳ではありません。

確定申告書A様式を使える人でも、確定申告書B様式を使ってもいいのです。

確定申告書A様式は簡易様式で、確定申告書B様式が標準様式だからです。

まとめ

今回は、所得税確定申告書AとBの違いについて説明しました。

自分の申告内容から簡易的な様式である確定申告書A様式が使えるかどうかを判断しましょう。

【投稿者:税理士 米津晋次

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