確定申告で経費になる税金・ならない税金|所得税・住民税・事業税等

確定申告

所得税に住民税、固定資産税、自動車税・・・・

「税」とつくものの支払は、年中ありますね。

もう、いやになるほどです。

これらの税金には、確定申告で経費になるものとならないものがあり複雑です。

そこで今回は、確定申告で経費になる税金、ならない税金について説明しましょう。

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目次

確定申告で経費になる税金・ならない税金|所得税・住民税

所得税(申告所得税)は経費になるか?

◆所得税(申告所得税)とは

所得税とは、1年間の個人の所得に対して課される税金で、税務署に納める国税です。

所得税には、源泉所得税もありますので、確定申告して納める税金のことを「申告所得税」と呼びます。

◆所得税は経費にならない

所得税は、所得に応じてかかる税金ですので、事業をしている人の所得税は、事業に関連しているから必要経費だと思う方も多いです。

しかし、所得税は、必要経費には一切できません。

住民税(市県民税)は経費になるか?

◆住民税とは

住民税も、所得税と同じく1年間の個人の所得に対して課される税金です。

所得税と異なるのは、国に納付するのではなく、1月1日現在に住んでいる都道府県や市町村に納める地方税です。

都道府県に納める個人都道府県民税と、市町村に納める個人市町村民税をあわせて「住民税」と呼びます。

「市県民税」と呼ぶこともあります。

サラリーマンの場合は、給与天引き(特別徴収)で納付します。

◆住民税は経費にならない

住民税も所得税と同じように、個人の所得に対して課税される税金ですので、事業所得にかかる住民税でも、1円も必要経費にすることができません。

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確定申告で経費になる税金・ならない税金|贈与税・相続税

贈与税は経費になるか?

◆贈与税とは

贈与税とは、贈与によって財産をもらった場合に課せられる税金で、税務署に納める国税です。

◆贈与税は経費にならない

贈与税も一切必要経費になりません。

事業で贈与を受けた場合には、事業の収入に該当します。贈与税の対象にはなりません。

相続税は経費になるか?

◆相続税とは

相続税とは、亡くなった人(被相続人)の遺産を相続で引き継いだ場合や、遺言によって遺産を受け継いだ場合にかかる税金です。
税務署に納める国税です。

◆相続税は経費にならない

相続税は、事業とは関係ない税金ですので、1円も必要経費には認められません。

確定申告で経費になる税金・ならない税金|源泉所得税・特別徴収住民税

源泉所得税は経費になるか?

◆源泉所得税とは

源泉所得税とは、給与や報酬・利子・配当・公的年金等を支払う会社等が、それらを支払う際に差し引く所得税のことです。

どんな取引の場合にいくら差し引くかは、税法で決まっていて、引いた源泉所得税を引いた会社等が税務署(国)に納付します。

この制度のことを、源泉徴収制度といいます。

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◆源泉所得税は経費にならない

源泉所得税は、預り金です。

したがって、源泉所得税の納付は、必要経費にはなりません。

特別徴収住民税は経費になるか?

◆特別徴収住民税とは

会社等は、従業員の住民税を給与から天引き(特別徴収)し、その天引きした住民税を会社等が従業員に代わって市町村役場に納付する義務があります。

この給与から天引きする住民税を特別徴収住民税と呼びます。

◆特別徴収住民税は経費にならない

特別徴収住民税も、源泉所得税と同じく、預り金です。

したがって、特別徴収住民税は必要経費にはなりません。

確定申告で経費になる税金・ならない税金|消費税

消費税は経費になるか?

◆消費税とは

消費税とは、その名のとおり、モノなどを「消費」したときにかかる税金です。

商品等を購入したり、サービスの提供を受けたりした場合に、その購入者等がその料金に上乗せして支払ます。

消費税を受け取った事業者は、代わりに税務署へ納付します。

税務署へ納付しますが、国税の部分と地方税の部分があります。

消費税

◆事業等と無関係な消費税は経費にならない

事業等とは関係がない物品の購入やサービスの提供を受けた際に支払う消費税は、事業等とは無関係です。

したがって、事業等と無関係な消費税は、1円も必要経費にはなりません。

◆事業等と関係する消費税は経費になる場合とならない場合がある

事業等に関連して物品を購入したり、サービスの提供を受けた際に支払う消費税については、経理方式により、必要経費になる場合とならない場合があります。

税込経理方式(消費税込みで帳簿を作成)の場合には、消費税は必要経費になります。

一方、税抜経理方式(消費税を含めないで帳簿を作成)で処理している場合は、預り金的な性格ですので、消費税を必要経費にすることはできません。

確定申告で経費になる税金・ならない税金|個人事業税

個人事業税は経費になるか?

◆個人事業税とは

個人事業税とは、個人事業や一定規模以上の個人不動産賃貸業者に課せられる都道府県税です。

この個人事業税金は、事業を行う場合には様々な行政サービスを受けていることから、その行政経費の一部を個人で事業を行う人に負担すべきという趣旨から課税されているものです。

◆個人事業税は経費にできる

個人事業税は、名前の通り事業と密接な関係があります。

したがって、個人事業税は、必要経費になります。

確定申告で経費になる税金・ならない税金|印紙税・登録免許税

印紙税(収入印紙)は経費になるか?

◆印紙税とは

印紙税とは、契約書や領収書など、一定の文書に対して課される税金(国税)です。

ほかの税金と異なり、収入印紙と購入して文書に貼ることで納税が完了する少し変わった税金です。

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◆事業等と無関係な印紙税は経費にならない

自宅を購入する場合など、事業等とは関係がない契約書などに貼る収入印紙(印紙税)は、1円も必要経費にはなりません。

◆事業等と関係する印紙税は経費になる

一方、事業に関係する契約書に貼る収入印紙(印紙税)や、売上の領収書などに貼る収入印紙は、全額必要経費になります。

【参考】
領収書の収入印紙への割印(消印)について。位置、押し方、誰の印など

登録免許税は経費になる

◆登録免許税とは

登録免許税とは、登記、登録、特許、免許、許可、認可、認定、指定及び技能証明について課せられる国税です。

主に法務局で納める税金です。

個人で関係する場合としては、土地や建物を建築したり購入したりしたときにする所有権保存登記や移転登記などの際に支払います。

確定申告で経費になる税金・ならない税金|自動車関連税

自動車税・軽自動車税・重量税・自動車取得税は経費になるか?

◆自動車税とは

自動車税とは、毎年4月1日現在で自動車を所有又は使用している者に対して課税される税金です。

自動車税は、都道府県に納付します。

税額は車種や排気量で異なります。

また、電気自動車やハイブリッドカーなどの低公害車は、税額が軽減されています。

◆軽自動車税とは

軽自動車税とは、4月1日現在の軽自動車の所有者に対して課税される税金です。

自動車税が都道府県税なのに対し、軽自動車税は、市町村に納める税金です。

税額は軽自動車の種類や排気量ごとに決まっています。

◆自動車重量税とは

自動車重量税とは、自動車の区分や重量に応じて課税される税金のことです。

自動車重量税は、国に納める税金(国税)です。

購入時や車検時に納付します。

◆自動車取得税とは

自動車取得税とは、自動車を取得した者に対して一度だけ課税される税金のことです。

自動車取得税は、都道府県に納税する地方税です。

販売価格を基準とされます。

新車と中古車で税額は異なります。

また、ハイブリッド車や電気自動車などの低公害車について、自動車取得税は軽減されています。

【参考】
自動車購入時にかかる税金|自動車取得税、重量税などとその節税策

自動車税

◆自動車関連税は、一部が経費となる

これらの自動車関連税は、事業使用割合に応じて必要経費になります。

トラック等100%仕事で使っている車の自動車関連税は、100%必要経費になります。

それに対して、プライベートでも使用する乗用車の事業使用割合が70%なら、自動車関連税額の70%を必要経費にします。

ブライベート専用の自動車があれば別ですが、そうでなければ、いくらほとんど仕事で使用しているといっても、事業割合100%は認められません。

少しは、プライベートで使用することがあるからです。

確定申告で経費になる税金・ならない税金|関税

関税は経費になるか?

◆関税とは

関税とは、商品を輸入する際に輸入する国が課す税金(国税)です。

主に、関税は、国内産業の保護目的で課せられます。

◆関税は経費になることが多い

関税を支払うのは、仕事に関連してのことが多いと思います。

仕事関連なら、全額必要経費になります。

商品の輸入時のかかった関税の場合は、必要経費ではなく、商品の原価になります。

もちろん、もし、プライベートで日本ではなかなか手に入らない商品を個人輸入をした場合にかかった関税は、必要経費にはなりません。

確定申告で経費になる税金・ならない税金|固定資産税・償却資産税

固定資産税は経費になるか?

◆固定資産税とは

固定資産税とは、1月1日現在の土地や家屋、償却資産の所有者に対して課税される地方税です。

固定資産税は市町村税ですが、県税である都市計画税も含めて固定資産税と呼ぶことが多いです。

固定資産の評価額に応じて税額が決まります。

【参考】
固定資産税はいくらかかる?一戸建て、マンションの場合の計算

固定資産税

◆仕事場として使っている自宅の固定資産税は、一部経費になる

自宅の一部を仕事場として使用している場合には、固定資産税のうち、その仕事で使用している面積割合分のみを必要経費にできます。

この仕事場は、誰が見ても仕事専用スペースだとわかる状態である必要があります。

リビングをたまには仕事で使用するといっても、リビングスペースは必要経費に入れることは認められません。

◆仕事で使っていない自宅や別荘の固定資産税は、経費にならない

自宅や別荘の固定資産税で、仕事には使用していない場合は、当然、固定資産税を必要経費にすることはできません。

◆賃貸用マンション等の固定資産税は、全額経費になる

賃貸用アパートやマンションにかかる固定資産税は、すべての部屋を貸していれば、全額必要経費になります。

一部が空き部屋の場合があることもあるでしょう。

その場合でも、不動仲介業者へ依頼しているなど、募集中であれば、その空き部屋分の固定資産税も必要経費にすることができます。

償却資産税は経費になるか?

◆償却資産税とは

償却資産税とは、1月1日現在の事業に使用する機械や備品などの固定資産の所有者に課税される税金のことです。

固定資産税の一種で、市町村に納税します。

◆償却資産税は必要経費になる

そもそも、償却資産税が課税されるのは、事業用の資産です。

したがって、償却資産税は、全額必要経費になります。

確定申告で経費になる税金・ならない税金|不動産取得税

不動産取得税は経費になるか?

◆不動産取得税とは

不動産取得税とは、土地や家屋を売買や贈与などにより取得したときに一度だけ課税される税金です。

不動産取得税は、都道府県に納税します。

◆賃貸用マンション等の不動産取得税は経費になる

100%賃貸しているマンション等の取得時に課税された不動産取得税は、全額必要経費になります。

◆自宅や別荘のの不動産取得税は経費にならない

仕事と無関係な自宅や別荘の取得時に課税された不動産取得税は、1円も必要経費に認められません。
当然ですね。

◆自宅を仕事場として使用している場合の不動産取得税は一部経費になる

個人事業者で自宅の一部を仕事場として使っている場合には、自宅の取得時にかかった不動産取得税のうち、事業使用割合分は、必要経費になります。

確定申告で経費になる税金・ならない税金|延滞税(金)・加算税(金)・利子税

延滞税(延滞金)は経費になるか?

◆延滞税とは

延滞税とは、税金を納付期限までに納めなかった場合に、納付期限の翌日から納付する日までの日数に応じて課税される利息に相当する税金(国税)です。

納付期限より2ヶ月以内に納めた場合と、納付期限より2ヶ月以上経過してから納めた場合で税率が変わります。

【参考】
延滞税|延滞税とは、延滞税の利率、延滞税を安くする方法

◆延滞金とは

延滞金も、延滞税と同じく、税金を納付期限までに納めなかった場合に、納付期限の翌日から納付する日までの日数に応じて課税される利息に相当する税金です。

延滞税が国税に対して、延滞金は地方税です。

◆延滞税や延滞金は経費にならない

たとえ、事業に関連した税金の延滞税や延滞金であっても、これらはペナルティー的な性格を持っていますので、延滞税や延滞金は1円も必要経費にできません。

加算税(加算金)は経費になるか?

◆加算税とは

加算税とは、申告しなかった場合や間違った申告をした場合などに課税される罰金の要素が高い税金(国税)です。

過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税、重加算税の4種類があります。

【参考】
加算税という税金ペナルティを知る|無申告・過少申告・不納付・重加算税

◆加算金とは

加算金とは、加算税と同じく、申告しなかった場合や間違った申告をした場合などに課税される罰金の要素が高い税金です。

加算税が国税なのに対し、加算金は地方税です。

◆加算税や加算金は経費にならない

加算税や加算金も、延滞税や延滞金と同じく、たとえ、事業に関連した税金の加算税や加算金であっても、これらは罰金的な性格ですので、加算税や加算金は1円も必要経費にできません。

利子税は経費になるか?

◆利子税とは

利子税とは、国税の延納または納税申告書の提出期限の延長が認められた場合に、その期間に応じて課される税金です。

延滞税と同じく、利息に相当する税金です。

延滞税は、罰金的な要素がありますが、利子税は、合法的なものです。

◆利子税は、一部経費になる

利子税も延滞税・延滞金と同じように利息相当の税金です。

延滞税・延滞金は全く必要経費になりませんが、利子税の場合は、合法的なものでペナルティの意味はありません。

そこで、次の計算をした金額については、必要経費にすることができます。

・利子税額×事業関連所得金額/各種所得の金額の合計額

たとえば、所得金額のうち70%が事業所得、30%が給与所得だった人が、所得税の延納を選択し、利子税を1万円支払った場合には、7000円(1万円×70%)は必要経費にすることができます。

ただし、同じ利子税でも、相続税の延納に対する利子税は、仕事とは無関係ですから、全く必要経費にはなりません。

確定申告で経費になる税金・ならない税金|国民健康保険税

国民健康保険税は経費になるか?

◆国民健康保険税とは

国民健康保険税とは、国民健康保険を行う市町村が、国民健康保険に要する費用に充てることを目的として、被保険者の属する世帯の世帯主に対し課税する税金です。

国民健康保険料と国民健康保険税は基本的に同じですが、のどちらの方式にするかは、市町村の裁量とされています。

実際には国民健康保険税を採用している市町村が多いようです。

社会保険料控除

◆国民健康保険税は経費にはならない

国民健康保険税は、事業とは直接関係がありません。

したがって、国民健康保険税を必要経費にすることはできません。

その代わり、支払った国民健康保険税については、全額所得控除である「社会保険料控除」の対象になります。

まとめ

今回は、確定申告で経費になる税金、ならない税金について説明しました。

経費になるものの前提として、事業等に関連するかどうかがあります。

事業等に関連していても所得税・住民税などは経費になりません。

今回の記事を参考に、確定申告で経費になる税金・経費にならないをしっかり区分して、あとから税務署に指摘されないようにしましょう。

【投稿者:税理士 米津晋次

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