競馬の税金・確定申告|馬券裁判、所得計算、いくらから?経費にできるもの

競馬

競馬のファンの方も多いですね。

競馬で勝つことは、なかなかむずかしいですが、もし競馬で勝った場合の税金はどうなるのでしょうか。
確定申告の義務はあるのでしょうか。

わかりづらいですね。

そこで今回は、競馬の利益に対する税金の扱いや確定申告について説明しましょう。

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競馬の税金・確定申告|外れ馬券裁判

外れ馬券裁判の概要

競馬のハズレ馬券の扱いについての裁判が話題になったことは、記憶に残っているのではないでしょうか。

被告は2007年から2009年にかけて、競馬予想ソフトで買い目を抽出し、インターネットを介してパソコンによる自動購入を繰り返しました。

具体的には、馬券を購入する際に、インターネット上の競馬情報配信サービス等から得られたデータを自ら分析し、予想ソフトに条件を設定してこれに合致する馬券を抽出させ、自らが作成した計算式によって購入額を自動的に算出していました。

そしてこの方法により、彼は、毎週土日に開催される中央競馬の全ての競馬場のほとんどのレースについて、大量かつ網羅的に、一日当たり数百万円から数千万円、一年当たり10億円前後の馬券を購入し続けていました。

つまり、彼は、このような購入の態様をとることにより、購入した個々の馬券を的中させて払戻金を得ようとするのではなく、長期的に見て、当たり馬券の払戻金の合計額と外れ馬券を含む全ての馬券の購入代金の合計額との差額を利益とすることを意図しました。

実際に彼は、3年間で計約28億7000万円の馬券を購入し、払戻金は約30億1000万円。黒字額は約1億4000万円にのぼり、彼は、これを雑所得として申告しました。

これに対し大阪国税局は、払戻金から当たり馬券の購入額のみを差し引いた約28億8000万円が利益にあたるとし、約5億7000万円を脱税したとして大阪地裁に告発したのす。

外れ馬券最高裁判決

外れ馬券裁判は、最高裁まで争われました。

2015年3月10日の最高裁判決では、競馬の馬券の払戻金はその払戻金を受けた者の馬券購入行為の態様や規模等によっては、一時所得ではなく、雑所得に該当する場合があり、雑所得に該当する場合には、外れ馬券も必要経費として所得金額の計算上控除すべきだとしたのです。

つまり、この裁判では、外れ馬券を含む一連の馬券の購入が一体の経済活動の実態を有するのであるから、当たり馬券の購入代金の費用だけでなく、外れ馬券を含む全ての馬券の購入代金の費用が当たり馬券の払戻金という収入に対応するということができ、外れ馬券の購入代金は必要経費に当たるとされました。

所得税基本通達の改正

最高裁の判決の結果をうけ、課税庁は所得税基本通達を改正しました。

所得税基本通達
34-1 次に掲げるようなものに係る所得は、一時所得に該当する。 34―1 次に掲げるようなものに係る所得は、一時所得に該当する。
(1)(省略)
(2)競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金等(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除く。)
(注)1 馬券を自動的に購入するソフトウエアを使用して独自の条件設定と計算式に基づいてインターネットを介して長期間にわたり多数回かつ頻繁に個々の馬券の的中に着目しない網羅的な購入をして当たり馬券の払戻金を得ることにより多額の利益を恒常的に上げ、一連の馬券の購入が一体の経済活動の実態を有することが
客観的に明らかである場合の競馬の馬券の払戻金に係る所得は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得として雑所得に該当する。
2 上記(注)1以外の場合の競馬の馬券の払戻金に係る所得は、一時所得に該当することに留意する。

最高裁判決からの理解

最高裁が外れ馬券を必要経費にできるとしたからといって喜ぶのは間違いです。

競馬をする人すべてに最高裁の判決内容が該当するとした訳ではない点には注意が必要です。

つまり、通常は従来どおり競馬の払戻金による所得は「一時所得」に該当し、外れ馬券は必要経費としては認められないのです。

被告人のように、競馬をまるで株式などのような投資対象として、それも多額・多回数にわかって購入を繰り返し、外れ馬券が必要経費として認められるのは、とても稀なケースなのです。

 
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競馬の税金・確定申告|計算、いくらから?

競馬の払戻金による所得は、通常は、所得税の所得区分の「一時所得」となります。

あくまで臨時的な所得と考えられているのです。

一時所得は、最高50万円の特別控除がありますので、競馬の勝ったレースの利益が年間50万円を超えたときは所得税や住民税の課税対象となります。

したがって、確定申告して所得税を納付しなければならないのです。


競馬の税金・確定申告|経費にできるもの・書類

競馬における一時所得の計算において、所得から控除できるもの(経費)にできるものの扱いは、次のようになります。

勝ったレース馬券の購入費

一時所得では、その所得に直接関係した支出しか引くことが認められません。

予想が当たったレースの馬券購入費のうち、経費として認められるのは、同じレースの馬券購入費のうち、当たった馬券の購入費のみです。

たとえば、わかりやすい例で説明しましょう。

単勝でAに1万円、Bに1万円の合計2万円の馬券を購入し、見事にAが1着になって10万円の払戻金が貰えたとしましょう。

この場合は、経費として引けるのは、2万円ではなく、当たったAの馬券購入費の1万円だけなのです。

つまり、利益は、

・10万円-1万円=9万円

という計算になります。

負けたレース馬券の購入費

最高裁判決で経費に認められた外れ馬券ですが、一時所得の計算上は、1円も経費として引くことは認められません。

競馬の一時所得の計算

通常、競馬の払戻金に対する一時所得の計算は、次のようになります。

・(当たり馬券の払戻金の合計額-当たり馬券の購入費合計額)-50万円)×1/2=一時所得

つまり、たとえ年間合計で赤字だったとしても、当たり馬券の合計だけで計算する訳ですね。

なかなか庶民感覚からすると、この税金の扱いは納得できないところですね。

なお、生命保険の満期金など別の一時所得がある場合は、それらも合計し、全体で最高50万円の控除をします。

競馬で50万円、生命保険満期金で50万円の控除が受けられる訳ではありません。

競馬の利益に対する税金(所得税・住民税)

この「一時所得」の金額は、給与所得や事業所得など、ほかの総合課税の所得と合算して、合計所得金額となります。

そこから所得控除額を引いた課税所得金額に対し、所得税率をかけて所得税額が決まります。

一時所得の金額が10万円の場合でも、ほかの所得が多い人の場合は、所得税率が高いですから所得税が多くなり、所得が低い方の場合は、所得税率が低いですから所得税は少なくなります。

一方、住民税は、税率が一律10%ですので、ほかの所得に影響されません。

競馬の税金・確定申告|税金が少なるなる馬券の買い方

経費となる馬券が税金を安くするポイント

一時所得の計算で、経費として引けるのは、当たり馬券の購入費だけということでした。

そうすると、税金を安くする馬券の買い方が見えてきませんか?

的中率から考える税金を安くする馬券の種類

当たり馬券の購入費しか一時所得の計算では引けないということは、馬券のオッズ(倍率)が高い買い方よりも、オッズが低い買い方の方が税金が少なくなることになります。

たとえば、1点買いで1万円の馬券を買って、それが見事に当って「2倍」の2万円の払い戻しを受けた場合の利益は、2万円-1万円=1万円です。

一方、1000円ずつ10通りの馬券を買って、そのうち一つが「20倍」の2万円配当となった場合の利益は、20,000円-1,000円=19,000円となります。

かなりの違いです。

オッズが低い傾向にある馬券の買い方ということは、組み合わせが少なく的中率が高い馬券の種類ということになります。

馬券の種類と的中倍率

JRAの馬券の種類には、馬券は、単勝、複勝、枠連、馬連、馬単、ワイド、3連複、3連単があります。(応援馬券、WIN5は除く)

16頭出走した場合の組み合わせ数と的中倍率は、次のようになります。

(1)単勝:1着になる馬を当てる馬券です。組み合わせは16通り、的中確率は6.25%になります。

(2)複勝:3着までに入る馬を当てる馬券です。組み合わせは16通り、的中確率は18.75%になります。

(3)枠連:1着と2着になる馬の枠番号の組合せを当てる馬券です。組み合わせは36通り、的中確率は2.78%になります。

(4)馬連:1着と2着になる馬の馬番号の組合せを当てる馬券です。組み合わせは120通り、的中確率は0.83%になります。

(5)馬単:1着と2着になる馬の馬番号を着順通りに当てる馬券です。組み合わせは240通り、的中確率は0.42%になります。

(6)ワイド:3着までに入る2頭の組合せを馬番号で当てる馬券です。組み合わせは120通り、的中確率は2.50%になります。

(7)3連複:1着、2着、3着となる馬の組合せを馬番号で当てる馬券です。組み合わせは560通り、的中確率は0.18%になります。

(8)3連単:1着、2着、3着となる馬の馬番号を着順通りに当てる馬券です。組み合わせは3360通り、的中確率は0.03%になります。

したがっって、数学的な的中倍率の計算によると、当たりやすい馬券の順位は

・複勝(18.75%)>単勝(6.25%)>枠連(2.78%)>ワイド(2.50%)>馬連(0.83%)>馬単(0.42%)>3連複(0.18%)>3連単(0.03%)

ということになります。

税金が少なくなる馬券の買い方

的中倍率の高い馬券は逆にいうと、オッズが低い傾向になりますから、一時所得の利益(払戻金-当たり馬券の購入費)が少なくなり、税金が少なくなりますね。

したがって、税金が少なくなる馬券の種類は、複勝(18.75%)>単勝(6.25%)>枠連(2.78%)>ワイド(2.50%)という順になります。

ただし、少ない点数で勝負することが大事です。

税金が高くなる馬券の買い方

一方、的中倍率の低い馬券は逆にいうと、オッズが高い傾向になりますから、一時所得の利益が多くなり、税金が高くなります。

同じ払戻金でも、当たり馬券の購入費が少ないからです。

その意味では、税金が高くなる馬券の種類は、3連単(0.03%)>3連複(0.18%)>馬単(0.42%)>馬連(0.83%)という順になりますね。


競馬の税金・確定申告|ばれない?

現金で馬券を購入している場合

現金で馬券を購入している場合には、たとえ当たっても、自分の個人情報を開示することはしませんので、現状は、確かになかなかわかりにくいのは事実です。

大当たりしたときに、多額の払戻金を受ける「高額窓口」といって、安全のため別室で払戻金をもらう特別窓口があるそうですが、そこでも個人情報を伝えることはないようです。

しかし、この記事で、競馬の払戻金にも税金がかかることを知った訳ですから、もし払戻金の年間合計が50万円を超えた場合には、必ず申告してくださいね。

国民の義務ですから。

PATを利用している場合

「PAT」とは、インターネットや電話で馬券を購入できるサービスのことです。

競馬場や場外馬券売り場まで行かなくても馬券が購入できるので、便利です。

PATでは個人情報をしっかりと入力していますから、もし税務署が調査をすれば、完全にわかりますね。

マイナンバーが競馬まで広がると・・・

2016年よりマイナンバー制度が始まりましたが、これが競馬まで利用が広がると払戻金が税務署に把握されることになります。

もし、馬券の購入時にマイナンバーの提示や入力が必須になれば、払戻金はすべて記録されることになります。

そうなると、馬券を購入する人が減ってしまう、という懸念がありますから、実際にマイナンバーが競馬に導入されるのでしょうか。


まとめ

競馬の儲けに対する所得税の扱いは、一時所得の扱いとなります。

儲けたレースが多ければ、確定申告の義務もあります。

あとで税務署から指摘を受けないように、もし勝ったレースが多ければ、確定申告をしましょう。

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